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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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8 years after ～8年後の世界～
☆再会
練馬駐屯地で勤務する陸上自衛官３等陸曹、高峰 一馬は、ずいぶん早めに空港の待ち合わせ場所に着いた。
（今日はいよいよ絽紗が日本に帰ってくる日だ）
そう思うと、はやる気持ちが抑えられなかったのだ。
（思えば長かった……やっぱり寂しかったよ）
メールやビデオ通話は忙しい時間の合間を縫って交わしてはいた。
目標としていたレンジャーへの一歩となる入校が決まったと話した時も、絽紗はとても喜んでくれた。
（やりとりするメッセージが文字で残るのも、画面越しでしか見られないちょっとした表情の変化も、大切な思い出だけどな）
飛行機の時間が表示された電光掲示板が切り替わる。
それは、絽紗が乗った飛行機が時間通りに着いたことを示している。
大丈夫だろうとは思っていたが、ほっとした。
（実際に会って過ごす時間には代えられんし）
ようやく会える。
そう思いながら一馬は、少しでも早く見つけようと気合を入れて人の流れを見つめた。
手続きを終え、大塚 絽紗はゲートを通り荷物を受け取る。
大学卒業後、国家公務員として外務省総合職に就いて、海外との行き来をしだしている。
（まだまだ研修中で勉強する身だけど、いつか国と国の外交を繋ぐ架け橋になれたら）
と絽紗は思う。
飛行機は遅れることなく着いたので、絽紗はゆっくりと待ち合わせ場所へ向かった。
ふと空港の大きな窓を見つめる。
大人になった自分の姿が映っていた。
落ち着いては見えるけれど、少し浮かれているのだろう。
一馬とは日頃メッセージのやりとり、ビデオ通話もしている。
（でも会うのは本当に久しぶり……こう会うとき胸がドキドキするのは、学生時代に偶然出会った時や、デートの待ち合わせをした時と変わらないわ）
近くでは、知らない家族やカップルが再会の喜びを分かち合い、キスしたりハグしたりしている、
見ていて微笑ましく、ちょっと羨ましい。
（一馬くんはそこまで情熱的に、私を迎えはしない、よね……）
日本の街中では少し照れてしまうかもしれない。
けど、ここは世界の人たちが集まる空港だ。
（普通のカップルみたいに、そう、あの時みたいに、抱きしめてもらいたい）
そんなことを思いながら周囲を見ていると、見覚えのあるウルフカットと共に、一馬の顔が目に飛び込んできた。
それだけで不意に、無関係だった世界に鮮やかな色がついた気がする不思議。
まだこちらに気づいていない様子の一馬を見ていると、自然と口元がほころびてくる。
深呼吸し、手を擦り合わせて、絽紗は彼がいる場所へ進んだ。
一足ごとに、胸の高鳴りが大きくなっていくような。
待たせたと思うと目頭が熱くなるし。
（そろそろ答えを出してもいいんじゃないかな……）
すっと、一馬の視線が一カ所で止まる。
「絽紗」
近寄ろうとした一馬だが、歩きながら段々進まない足がもどかしくなった。
知らず知らずのうちに駆け寄って。
思わず一馬は絽紗を抱きしめていた。
絽紗の目から、自然と涙が溢れた。
（ずっと逞しくなった彼、でもあの時と同じような温もりで迎えてくれる）
「ただいま」
と一馬を抱き返した。
8年前は照れてスマートに触れられなかったな、と思いながら、一馬は言う。
「……その、悪い、公共の場で……でもやっぱり久し振りだと思うとたまらなくってさ」
痛くなかっただろうか？ と思いながら慌てて腕を離して、笑いかけた。
「……ああ、おかえり、絽紗」
微笑んだ絽紗はとても綺麗で、ずっと見ていたいような、落ち着かないような気分だった。
（やっぱりずっと、絽紗とこうやって「おかえり」と「ただいま」を言いてえな）
最近プロポーズに成功したという友達に相談しようか、という思いが頭をかすめつつ。
「待った？」
「いや全然。それより疲れたろ？」
今はただ、疲れてるだろう絽紗を労って、ちゃんと側にいられる時間を噛みしめたい。
練馬駐屯地で勤務する陸上自衛官３等陸曹、高峰 一馬は、ずいぶん早めに空港の待ち合わせ場所に着いた。
（今日はいよいよ絽紗が日本に帰ってくる日だ）
そう思うと、はやる気持ちが抑えられなかったのだ。
（思えば長かった……やっぱり寂しかったよ）
メールやビデオ通話は忙しい時間の合間を縫って交わしてはいた。
目標としていたレンジャーへの一歩となる入校が決まったと話した時も、絽紗はとても喜んでくれた。
（やりとりするメッセージが文字で残るのも、画面越しでしか見られないちょっとした表情の変化も、大切な思い出だけどな）
飛行機の時間が表示された電光掲示板が切り替わる。
それは、絽紗が乗った飛行機が時間通りに着いたことを示している。
大丈夫だろうとは思っていたが、ほっとした。
（実際に会って過ごす時間には代えられんし）
ようやく会える。
そう思いながら一馬は、少しでも早く見つけようと気合を入れて人の流れを見つめた。
手続きを終え、大塚 絽紗はゲートを通り荷物を受け取る。
大学卒業後、国家公務員として外務省総合職に就いて、海外との行き来をしだしている。
（まだまだ研修中で勉強する身だけど、いつか国と国の外交を繋ぐ架け橋になれたら）
と絽紗は思う。
飛行機は遅れることなく着いたので、絽紗はゆっくりと待ち合わせ場所へ向かった。
ふと空港の大きな窓を見つめる。
大人になった自分の姿が映っていた。
落ち着いては見えるけれど、少し浮かれているのだろう。
一馬とは日頃メッセージのやりとり、ビデオ通話もしている。
（でも会うのは本当に久しぶり……こう会うとき胸がドキドキするのは、学生時代に偶然出会った時や、デートの待ち合わせをした時と変わらないわ）
近くでは、知らない家族やカップルが再会の喜びを分かち合い、キスしたりハグしたりしている、
見ていて微笑ましく、ちょっと羨ましい。
（一馬くんはそこまで情熱的に、私を迎えはしない、よね……）
日本の街中では少し照れてしまうかもしれない。
けど、ここは世界の人たちが集まる空港だ。
（普通のカップルみたいに、そう、あの時みたいに、抱きしめてもらいたい）
そんなことを思いながら周囲を見ていると、見覚えのあるウルフカットと共に、一馬の顔が目に飛び込んできた。
それだけで不意に、無関係だった世界に鮮やかな色がついた気がする不思議。
まだこちらに気づいていない様子の一馬を見ていると、自然と口元がほころびてくる。
深呼吸し、手を擦り合わせて、絽紗は彼がいる場所へ進んだ。
一足ごとに、胸の高鳴りが大きくなっていくような。
待たせたと思うと目頭が熱くなるし。
（そろそろ答えを出してもいいんじゃないかな……）
すっと、一馬の視線が一カ所で止まる。
「絽紗」
近寄ろうとした一馬だが、歩きながら段々進まない足がもどかしくなった。
知らず知らずのうちに駆け寄って。
思わず一馬は絽紗を抱きしめていた。
絽紗の目から、自然と涙が溢れた。
（ずっと逞しくなった彼、でもあの時と同じような温もりで迎えてくれる）
「ただいま」
と一馬を抱き返した。
8年前は照れてスマートに触れられなかったな、と思いながら、一馬は言う。
「……その、悪い、公共の場で……でもやっぱり久し振りだと思うとたまらなくってさ」
痛くなかっただろうか？ と思いながら慌てて腕を離して、笑いかけた。
「……ああ、おかえり、絽紗」
微笑んだ絽紗はとても綺麗で、ずっと見ていたいような、落ち着かないような気分だった。
（やっぱりずっと、絽紗とこうやって「おかえり」と「ただいま」を言いてえな）
最近プロポーズに成功したという友達に相談しようか、という思いが頭をかすめつつ。
「待った？」
「いや全然。それより疲れたろ？」
今はただ、疲れてるだろう絽紗を労って、ちゃんと側にいられる時間を噛みしめたい。
あとがき
担当マスター：
天村花海
ファンレターはマスターページから！
ご参加ありがとうございました。
皆さまの様々な８年後、楽しく興味深く描かせていただきました。
あくまで可能性の一つですので、らっかみ！が続いていった結果今後どんな未来が待っているのか――
ぜひ今回のリアクションと比べて確かめていただきたいです。気が長い話ではありますが。
それでは、またご縁がありましたら皆さまの歴史の１ページを描かせていただくのを楽しみにしております！
皆さまの様々な８年後、楽しく興味深く描かせていただきました。
あくまで可能性の一つですので、らっかみ！が続いていった結果今後どんな未来が待っているのか――
ぜひ今回のリアクションと比べて確かめていただきたいです。気が長い話ではありますが。
それでは、またご縁がありましたら皆さまの歴史の１ページを描かせていただくのを楽しみにしております！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2020年07月18日
- 参加申し込みの期限
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- 2020年07月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2020年07月25日 11時00分
