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双界からの試練 ―鋼竜女皇フェラマ―
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彼女の周囲に地面から召喚された巨大な氷柱がその正体だ。それを見たReiはさらに『アクアウェーブ』を重ね掛けする。より強固な氷の檻にするために。
――ほぉ? このような物で動きを止めようというのか。
フェラマがニヤリ、と笑い拳を天に突き上げる。同時に床の一部から吹き上げる、赤々と燃える液体の金属!
「きゃっ!?」 「後ろに飛んで!」
スピカに直撃しようとしたが、それよりも早く薫の声によって避けることが出来た。だが、歌楽士たちが逃げ遅れ、共に『火傷』を負ってしまう。
(熱い!)
瑠樹は焼ける痛みからオカリナを落とすも、慌てずBS解除のポーションを呷る。傍らの着ぐるみさんにもそれを渡し、再び奏でようとオカリナに想いを込めた。
(><)ノ<心配かけてすまない!
着ぐるみさんは水木奏『緑の雫』に演奏を戻し、弱体耐性・継続回復を仲間に添付。それで自分たちも守ろうと考える。
瑠樹にアイコンタクトを送れば、彼もまた『なごみのメロディ』を発動させる。BS解除のアイテムや魔法を解除する手間を省くためだ。
「今回復させるから!」
夏朝が『金猫』を手早く2連続している間に、トワが前衛組を纏めて治癒するために『フェアリーライト』をかけた。
一方の前衛組も、混乱を極めていた。噴き上げる溶けた金属を避けるべく散開するも、フェラマが氷の檻の中踊っているのを見た。ふと、目が合った碧南は、その獰猛な笑みに冷たい汗が背中に流れるのを覚えた。
溶けた金属が氷に触れて冷えて固まり、檻がより強固になったとしてもフェラマは慌てる様子が全くない。
(さすが、レイドボス。……【行動不能】のBSが……)
スピカはぐっ、と『眠り月のロッド』を握りしめ『ドレイン・スカルプチュア』を放つ。だが、外したのか、フェラマは氷漬けにならない。
(? 気合で弾かれた?)
だが、氷の檻の隙間を縫ってフェラマに突き刺さる氷の棘。Reiが放った『アイスショット』だ。重ね掛けされた冷気により、フェラマの動きが鈍くなり始める。
――氷の檻そのものが、氷姫の腕になる。
フェラマが身構え、力を籠める。それに嫌な予感を覚えた楓だが、振り返るとスピカが呪文を唱えている。
「重ね掛けして効果を上げて見せる!」
Reiが再び『アイスショット』を放ちながらスピカに言い、彼女はこくっ、と頷いた。もう一度『ドレイン・スカルプチュア』を放つ!
――この私を止めようとは……!
「逃がさないから」
「お願い、効いて!!」
スピカが『眠り月のロッド』をフェラマに向け、魔力を込める。フェラマは力業で氷の檻を破壊しようとしたが、急に体が痺れてしまう。Reiが発動させた『氷姫の寵愛』という中確率で【麻痺】させるスキルだ。
(あの構え……。多分、途中で回避とかすると途切れてしまうタイプだろう)
楓は注意深くフェラマを観察しつつも他の前衛組に構えるよう合図する。薫もいつでも矢を放てるよう、ゴーグルの奥で目をこらした。
(フェラマは、この氷の檻を破るつもりね)
真白は都と顔を見合わせ、いつでも接敵できるようフェラマを前後ろで挟み注意深く観察する。
着ぐるみさんと瑠樹が伸びやかな曲を奏でる中、不釣り合いな静寂が氷檻の周りに漂っていた。
『ドレイン・スカルプチュア』でフェラマからMPを奪うスピカはそのまま詠唱に入る。ReiはMP回復のポーションを飲み干し、静かに次の術へ集中を高めていく。
(何もしないよりはマシだとおもったが、彼女の魔法のサポートになったみたいだな。……時間を稼ぐのにいいのかもしれない)
Reiの正体であるレオンは静かに考察し、鉄扇を握りしめた。
歌楽士の治療を終えた夏朝は、引き続きスピカへMP回復の『くるくるくろねこワルツ』をかけ、トワへも杖で指示をだす。
「今のうちにCureしまス!」
トワが前衛組を纏めて『フェアリーライト』で癒し、フェラマの動向に目を向ける。
楓は、トワが初心者であることもあり幾つかアドバイスを受けていた。だが、それに加え夏朝が指示を出してくれていたおかげもあり、どうにかついてくることが出来た。
ふぅ、と一息ついたトワであったが、熱気に当てられそうになる。耐熱ポーションを飲み干し、額の汗を拭うと、夏朝がトワに駆け寄ってきていた。
「大丈夫?」
「Yes! トワ、まだまだいけまス!」
トワが両手の拳を握りしめガッツポーズをつくる。それに優しい笑みを浮かべる夏朝だったが、嫌な予感に『橙猫のローブ』の裾を震わせる。
「Why?」
その時、トワが耳を欹てて身構える。ガラスがひび割れるような音が聞こえたのだ。勿論前衛組にもそれは聞こえている。
「っ、来るぞ」
楓が呟いたその瞬間、大きな日々が氷の柱にいくつも走った……!
――面白い!
派手な音を立ててぶち破られる、氷檻。はじけ飛ぶ氷のきらめきが、何もかもを弾き飛ばす。
「!! あぁもう!」
真白が必死に走り、スピカを跳んでくる氷塊から庇う。だが、ノックバックが発生し、大きく倒れ込んだ!!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
菊華 伴
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
バトル
ゲーム
定員
20人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年08月01日
参加申し込みの期限
2020年08月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年08月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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