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『ソング・オブ・ケイオス』(略名:SOC)
最近話題のオンラインゲームであり、雑誌にも特集が組まれるほどの認知度である。寝子島の若者たちの中にもちらほらプレイしている人がいるようだ。
この特徴は、イベント戦闘で個性豊かな天使や悪魔と戦える、という事だろうか? ゲームスタート当時から様々な天使と悪魔が登場し、プレイヤーたちを楽しませている。また、倒した敵からもらえるアイテムがまた強力だったりする訳で、たくさんのプレイヤーが挑んでいる。
そして、年明け早々。
このゲーム会社はお年玉企画として、特別レイド『鋼竜女皇フェラマの挑戦状』を大々的に出して来た。
この『鋼竜女皇フェラマ』はSOCの登場人物の一人であり、人間と精霊族を見守ってきた竜族の一人である。そのかっこよさと強さから一部から熱狂的な視線を浴びており、年末の時限トップでは冒険者たちにこのようなメッセージを送っていた。
――私は、貴方がたに興味を持った。
その力、ぜひ試させていただきたい――
ここ最近はシステムの不調ということもありレイドはハーフレイドのみ行われていた。フルレイドは久方ぶりである。そのニュースにSOCファンはお祭り騒ぎだった。
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「? ここは?」
吉住 志桜里は我に返り、周囲を見渡した。突如景色が変わったかと思えば、いつのまにか荘厳な印象をもつ執務室のような場所にやってきてしまった。
(一体、何故……)
志桜里がため息を吐いたとたん、目の前にウインドウが現れた。そして、それに書かれていたのは……。
【ログインしますか?:竜『フェラマ』 はい/いいえ】
それを見た彼女は、「そうか……」と一読して理解した。
「ようは、ログインすれば『フェラマ』が操作できるのね」
。。。。。。。。。。。。。。。
「おや? これは久々の感覚だね」
旅鴉 月詠は、周囲を見渡しどことなくわくわくしはじめた。
今、彼女が立っているのはつややかな黒曜石で出来た、広々とした場所。ぱっとみた感じでは古代ローマのコロッセオに似ているだろうか? ただ観客席と思わしき場所と、舞台を隔てる壁は、そこまで高くない。なんらかのスキルを使えば上ることもできるだろうし、そこを戦場にすることもできるだろう。
――来たか、冒険者達よ。
「おっ? はじまったかな?」
月詠が顔を上げると、そこには逞しくもしなやかな翼を羽ばたかせた女性が、凛々しい笑みを浮かべている。
――我が名は、フェラマ。この火山帯に暮らす竜の皇だ。
フェラマは月詠をはじめとする冒険者たちを見渡し、豪快に尻尾を一振り! 巻き上げられた熱風が顔を嬲るも、月詠は武者震いしつつ顔を上げた。
――流石に、怯まぬか。
ふふっ、そなたらと戦って見たくなって呼んだのだが、その甲斐がありそうだ。
彼女の笑みが深くなると、周囲から歓声が上がる。どうやら、竜族の人々がこの戦いを観戦するらしい。彼女は冒険者たちと竜族の人々に対し、よく通る声で言い放った。
――同胞(なかま)たちよ! 手出し無用だ!
我は、この者たちの力を、技を、心を見たいのだ!!
さらなる歓声が上がる中、
(さて、装備どうしよう)
月詠はマイペースにアイテムスロットに視線を巡らせた。
こうして、冒険者たちとフェラマの戦いは始まる……。
どうも、菊華です。
今回は、久方ぶりのSOC!!
吉住 志桜里さんのリクエストにより、このシナリオは出されました。
旅鴉 月詠さんも登場ありがとうございます。
宜しくお願いしますっ!
◆概要
オンラインゲーム『ソング・オブ・ケイオス』(略名:SOC)の世界に召喚されてしまったようです。
ジョブにあわせて行動し、イベント『鋼竜女皇フェラマ』と戦ってください。
勝利条件:鋼竜女皇フェラマとの戦いに勝利する
敗北条件:全滅
過去のシリーズはこちら。
読んでなくてもまったく問題ありませんので、ご安心を。
◆今回の舞台
今回の戦場は、『紅玉の阿修羅姫ケイファ』の時と同様、火山帯です……が、
今回はなんと高所での戦いとなります!
標高2000mもある休火山の上に造られた黒曜石闘技場は円形で広く、すり鉢のような見た目をしています。
周囲には観客席もあり、なにか工夫をすることで観客席に移動することが出来ます。
(観客席も戦闘のフィールドです!)
けれど、中央にあるアリーナの床の一部に仕掛けがしてあり、
フェラマの合図で溶けた金属が噴き出すこともあります!
◆鋼竜女皇フェラマ
オンラインゲーム『ソング・オブ・ケイオス』(略名:SOC)に登場するヒロインの1人で、
精霊と人間を見守る竜族の女性です。
彼女はどうやら冒険者たちの強さに興味を示し、挑戦状を突きつけたようです。
※PL情報
彼女には金属性魔法は無効です。地属性魔法も半減します。
通常攻撃は
・格闘攻撃(単体ないし近接複数)
・溶けた金属を床から噴出させる(ランダム)
・竜の尻尾や角からトゲの影を飛ばす(遠距離複数)
となっております。特殊攻撃としては以下のとおり。
『竜女王の威厳』
全身から荘厳なオーラを放ち、全体に小ダメージ+バッドステータス(以下、BSと明記)【躊躇】を添付します。
BS【躊躇】がついてしまった場合、攻撃力が4分の1弱まります。またこの状態ではとどめを刺せません。
『熱風の愛撫』
羽ばたくことで熱を孕んだ強風を自分の周りに渦巻かせます。
中ダメージの他、稀にBS【火傷】を負います。
『魅惑の煌めき』
美しい鱗や髪の煌めきを増幅させ、不思議な光を放ちます。
近くにいた相手からHPを奪う他、稀にBS【魅了】がつくこともあります。
『踊りへの誘い』
優雅な動きで1人に対し強烈な一撃を見舞い大ダメージを与えます。
そして、近くにいた者(攻撃をされた者含む)に対しBS【怒り】を添付します。
『闘乱の祝祭』
フェラマの全身から熱気があふれ、竜の姿になります。
そして銀色に輝く熱風を纏ったまま縦横無尽に飛び回り、全体に大ダメージの他、
BS【鋼鉄化】(BS【黄金化】の鋼鉄Ver。鋼鉄の像となる)がつくこともあります。
BS【鋼鉄化】がつくと戦闘終了まで動けません。
※PL情報:『闘乱の祝祭』は、滅多に使用しません。
◆召喚された皆様へ
今回も以下のジョブに変身しての戦闘です。
参加が確定した方は、コメントページに書き込みを行ってください。(書き込みの内容は何でもOK)
そのときの右側のサイコロの数字によって決定いたしますので、覚悟願います。
(ジョブの名前に振った番号が該当します)
今回から、種族を『人間』か『精霊族』かを選ぶことが出来ます。
>精霊族
『SOC』の世界には、人間に混じって精霊が暮らしています。
精霊は人間よりもHPが低めですが、敏捷性とMPが高く1戦闘中に1度だけ不思議な力
(=もれいびPCはろっこん、ほしびとPCは星の力、ひとPCは判定を好転させる『奇跡』)を使う事が出来ます。
アクションには、必ず『種族』の記載をお願いします。
(何もなかった場合、『人間』とみなされますのでご注意ください)。
①軽戦士:敏捷性に優れています。
正し、軽装なので防御力に難ありです。
盗賊や忍者なども該当します。
※おすすめ武器:片手剣、レイピア、ナイフ、弓、手裏剣など
②重戦士:防御力に優れ、体力も多めの戦士です。
反対に敏捷性は低めです。
攻撃力が高く、大きな武器を操ります。
※おすすめ武器:ウォーハンマー、大剣、両剣、戦斧など
③魔導士:攻撃系魔術と武器による攻撃が可能な戦士で、魔力が高めです。
正し、状態異常【怒り】に掛かりやすい特性があります。
あまり大きな武器や飛び道具は苦手気味ですが、派手な魔法でぶいぶい言わせたいならこれ。
※おすすめ武器:杖、短槍、両手剣、鉄扇、鞭など
※魔法は『火・水・風・土・木・雷・金』から属性を選びご自由に設定してください。
④治癒士:治癒魔法を得意とします。
ですが攻撃方法は武器のみな上、体力が少なめです。
パーティーを影からサポートしたい人向けで、状態異常を解除できる術を持ちます。
※おすすめ武器:魔導書、巻物、杖
※治癒魔法には「傷を癒す」「状態異常を解除する」などがあります。
⑤拳闘士:器用度が高く、状態異常にも強めな戦士です。
武器の使用が制限されている上、防御力も少し少なめだったりします。
ですが、連続攻撃を決めやすいという強みがあります。
※使用可能武器:トンファー、ナックル、爪、インラインスケート、棍
⑥歌楽士:魔導士の次に魔力が高く、状態異常や補助魔法を添付する力を持ちます。
正し、状態異常【眠り】に掛かりやすい特性があります。
サポート側に回りたい人向けです。こちらも武器の使用が制限されています。
※使用可能武器:マイク、楽器
※魔法は『火・水・風・土・木・雷・金』から属性を選びご自由に設定してください。
※使用武器が限られているジョブの方以外は、おすすめ武器以外の物も使うことが可能です。
※今回は、ろっこんの使用は精霊族のみ可能です。
◆今回のオプション
【いのちをだいじに】
アクション冒頭にこのタグをつけると、無茶はしません。
自分の体力が危なくなると後ろに下がります。
【覚悟完了】
アクション冒頭にこのタグをつけると、場合によっては無茶します。
ギリギリな戦いをお望みの方へ。正しKO判定率も高めです。
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今回、フェラマに勝利すると参加したPCさん全員に次の『勝利記念アイテム』をプレゼントします。
・竜の玉の破片(1戦闘のみHP自動回復)
・竜の涙(1戦闘中のみ、回復魔法を受けた際の回復量が増える)
その他、この戦闘に勝利するとゲーム内でPCを強化できる修行場というコンテンツが解放されるそうで、
そこでのみ使用できるガチャチケットももらえるそうです。しかも3枚!
※このレイドの勝敗により、ゲーム内のコンテンツの解放が決まります。
※また、このシナリオにて勝利すると、次のSOCの舞台は修行場となります。
シナリオの最後に『修行場』についての情報が公開されます。
負けた場合は、また別の場所となります。
◆今回のオプション
【いのちをだいじに】
アクション冒頭にこのタグをつけると、無茶はしません。
自分の体力が危なくなると後ろに下がります。
【覚悟完了】
アクション冒頭にこのタグをつけると、場合によっては無茶します。
ギリギリな戦いをお望みの方へ。正しKO判定率も高めです。
※注意点
今回も、バッドステータス【魅了】を添付されたPCさんは
他のPCさんや自分を攻撃してしまう可能性がありますのでご注意ください。
◆特殊ルール(吉住 志桜里 さんへ)
吉住 志桜里さんは、このシナリオでは
・フェラマを扱う(フェラマとして参加する)
ことになります。
吉住さんはほぼ全てのシーンにおいて『フェラマ』として登場する形となります。
よろしければ、アクションには戦闘パターンや勝利時・敗北時の様子なども書いていただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。