新雪とともに日が昇る｜リアクション

新雪とともに日が昇る

☆明日に備えて

「とうとう冬休みもおしまいかぁ」
　シーサイドタウンの実家で、白真白はつぶやいた。
　実家とはいえ、両親は海外を飛び回っていて滅多に帰ってこないので、実質一人暮らしだ。
　明日は始業式、いよいよ学校が始まる。
「行くのが億劫なようなみんなと会えるのが楽しみなような……ともかく明日の準備しないと」
　まずは宿題を確認する。
「えーと宿題は休みの前半に終わらせちゃったからよし」
　だが油断は禁物、さらに確認する。
「ちゃんと鞄の中に入れたからよし。制服の準備も……うん、大丈夫だね」
（明日の朝になってから慌てるのは避けたいもんね。学校行って鞄の中に提出物がなかったーとかそういうのも嫌だし）
　楽観主義な真白だが、同じ失敗は二度しないよう心掛けている。
「ま、それもこうして確認し終わったから大丈夫だね」
　そうつぶやいた真白は時計を見た。
「いい時間だね。それじゃ明日の準備もできたし後はお風呂に入って寝るだけだね。今日は夜更かししないようにしないと」
　カードゲームが趣味の真白は、カードの整理をして夜更かししてしまうこともままあるのだ。
（お風呂でゆったりしてから寝るかなぁ）

　そんなわけでお風呂を沸かした真白は、服を脱ぎおむつを捨てて浴室へ向かった。
　髪の毛と体を念入りに洗う。
（明日から学校だし綺麗にしなきゃね。……あれ？気のせいかな）
　胸を洗いながら真白は気づいた。
（おっぱいがまたおっきくなってるような気が……そういえば確かにブラの締め付けが少しきつくなってるような気がしないでも……）
　年の割に身長が低すぎる真白は、それとは逆に胸が大きいギャップが若干コンプレックスになっている。
　胸はもういいから背が伸びてほしいのだが、ままならないものだ。
　まだブラを新調しなくても大丈夫だよね、と考えないことにして、身体を洗い終え湯船でゆったりと体を伸ばした。
「はふぅ……気持ちいい……」
　そして明日のことを考えた。
（みんな元気にしてるかなぁ。私は休みの前と大して変わってないけど大きく変わってる子とかもいるのかな?）
　変わるって、例えばどんなことだろう？
（恋人ができた子とか？）
　そんなのも含めて明日皆と会うの楽しみだなぁ、と、真白は思うのだった。