私がいっぱい！　コレクション｜リアクション

私がいっぱい！　コレクション

●一人より二人のほうが楽しい

八神修にとって七夜あおいとの関係は、愛で恋（想いの押し付けはしないが行動は積極的）だろうか。
　アニマル♡ウェディング撮影会で、あおいが選んだお相手は修が飼っている白猫のミルクだった。
　ミルクに嫉妬しながらの写真撮影はきつかったが、あおいが一緒に撮影しようと誘ったくれたので、それは一瞬にして吹き飛んだ。
　一緒に撮影したのは、思いがけない幸運だった。

　シーサイドタウンの一角にて営業中のシネマカフェでは、日本が誇る大怪獣活劇の初期モノクロ作品で、巨大なカピバラ型怪獣との激闘を描く映画。
　伝説の魔法使いの娘に降りかかる不思議な出来事を描いたベストセラーの記念すべき映画化第一作を鑑賞。

クリスマスには、猫のぬいぐるみをプレゼント。
　あおいからシュトーレンを貰ったが、その時、修へのプレゼントは悩むと言われたので気を遣わせてしまったかな？　と思った。

　今日は、あおいと一緒にパンを作ることに。
　パン作りは時間がかかるので、星ヶ丘寮の厨房を借りては作りにくい。
　そういったこともあり、修の家で作ることになった。
「こんにちは、修くん。パン作り、頑張ろうね」
　勉強や調理で、あおいは時々、修の家に遊びに来ることがある。
「いらっしゃい。あおいの力になれて嬉しいよ」
　二人が挑戦するのはコルネ。チョコとカスタード、二種類の味を作る。

　お揃いのエプロンをつけ、手を洗ってから材料を揃える。
　正確に分量を量り、注意して作っていく。
　分量を量る時は真剣だが、一次発酵の間のクリーム作りは和気藹々。不慣れな作業はカバーしあい、協力して作っていく。
　熱心にチョコクリームを作るあおいの様子を時々見ていた修は、あることに気づいた。
　カスタードクリームを作っている手を休め、あおいに近づく。

「あおい、ほっぺたにチョコがついているよ」

「え？　どこ？」
「ちょっと待ってて。今、綺麗にするから」
　修はエプロンのポケットからハンカチを取り出すと、あおいの頬についているチョコクリームを拭きとった。
「ありがとう。いつの間についたのかな？」
「一生懸命作っていたから、気が付かなくても不思議じゃないよ」

　クリームが出来上がったので、次はパンの二次発酵。
「パン生地もクリームも、砂糖やバター超控えめなんだ」
「どうして？」
　あおいが聞くので、男でもそこは気になるよと修は答えた。
「あおいだって、ぽっこりお腹の俺なんて嫌だろ？」
　それを聞き、そんなことを気にしているなんて意外、と、あおいはクスリと笑った。

　二次発酵の間は、居間で猫達とのんびり過ごす。
　この時間がパン作りの醍醐味だね、と猫達と遊んだり、触れ合ったり。
　猫達と触れ合っている間、修は、あおいと会うまでは、料理とかしなかったと思った。
　自分で作るのもいいが、誰かと一緒に作るのもいい。あおいと一緒に作るようになってから、そう思えて仕方がない。
「料理を自分で作るって、素敵なことだね。あおいもそう思わないか？」

　黒猫のブラックを肩に載せてから、あおいに言った。
「そうだね。私も素敵なことだと思うよ。一人で作るより、誰かと作るほうが楽しいかな？」
　ミルクと猫じゃらしで遊びながら言うあおいに、そうだね、と修は微笑む。
「俺も楽しいよ。今日は二人だから、倍楽しい」
　もし多少の失敗はあっても、二人が力合わせて作ったパンはすごく美味しいだろう。
　心という最高の調味料が籠もっているから。

　出来上がったコルネは、持って帰る分は可愛い袋に入れてからリボンをかける。
「そのリボン、どこで買ったの？」
　なんて寮の友達に聞かれるかもな、と思っていたら、あおいに先に聞かれた。
　内緒、と誤魔化し、修は残りの袋にリボンをかけていく。
「はい、これ。あおいの分。友達と一緒に食べて。また作ろうな」
「うん、また一緒に作ろう」

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あとがき

担当マスター：カターレ
ファンレターはマスターページから！

カターレです。
「私がいっぱい！　コレクション」にご参加してくださり、ありがとうございました。

皆様のアクションを元にアルバムを拝見し、何枚かのイラストを掲載しました。
掲載数が異なっている点は、マスターコメントに記載してありますのでご理解願います。

予定を考えたり、いろいろ想像したり、思い出を振り返ったり、楽しく過ごしたり。
さまざまなシチュエーションが書けて、とても楽しかったです。
アルバムは、皆様の思い出や想像といったいろいろなものがありましたので、選ぶのが楽しかったです。

今後の活動で、コレクションが増えるといいですね。では。

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