古今東西スーパーレキシ的ジンブツかるた大戦｜リアクション

古今東西スーパーレキシ的ジンブツかるた大戦

　茶話会には、優勝した「万国騎士」チームの姿もある。
「さすがにプレートアーマーは外して参加させて！」
　というわけで、志波武道は鎧と兜を外した姿だ。
「鎧の下って、こうなってるんだな」
　桐野正也が武道の着ているフカフカした綿のシャツを指して言う。
「うん、俺も実際に着てみて初めて知ったよ。薄いシャツだと鎧が当たって痛いもんな」
「……俺は楽な格好でよかったわ。走り回ったら暑くなったけど、この衣装ならちょうどいいくらいだな」
　高梨煉がリラックスした様子で言った。
「武道と正也の健闘のおかげで優勝までできたし」
　煉は満足そうに、にぎわうファッションショーのステージを眺めていた。

「……続いては、第二ラウンドで一番多くの札を獲得した、チーム『水戸黄門』の皆さんです！」
　遠海に紹介されて、雨宮草太郎校長の水戸黄門、佐藤英二の格さん、野々ののこの助さんがステージに登場する。誰もが知っている時代劇のあのシーンを、舞台で再現するのだ。ののこが葵の紋入りの印籠を取り出す。
「控えよ！　この葵の紋が目に入らぬか～！」
　すかさず英二も口上を述べる。
「ここにあらせられるは、天下の副将軍でござる！」
　今度はちゃんと言えた。そこに校長が締めのセリフで持っていく。
「ほっほっほ。これにて一件落着じゃ」
　会場の笑いと拍手を受けながら、英二はそっとののこの表情をうかがう。
（第二ラウンドで活躍できたのもうれしいけど。野々さんが良い思い出を作るのに協力できたなら、僕は満足だ）
　そう考えながら、英二は彼女の屈託のない笑顔を眺めていた。

「本日のファッションショー、最後は『姫君の茶話会』チームの三人です！」
　白雪姫の佐和崎紗月は、舞台袖で少し緊張していた。
「まさかショーにまで出るとは思わなかったな……」
　そんな紗月の肩を、初瀬川理緒がたたいて励ます。
「大丈夫、セリフはあたしが言うから！」
　眠り姫の串田美弥子を先頭に、童話の三人のお姫様が舞台に登場した。少し動きづらい人魚姫の理緒の背中を、紗月がさりげなく支える。
　試合でちょっと疲れてはいたが、紗月の気持ちは穏やかだった。大切な理緒とともに、高校生活最後の思い出を、また一つ作ることができたから――

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