古今東西スーパーレキシ的ジンブツかるた大戦｜リアクション

古今東西スーパーレキシ的ジンブツかるた大戦

　勝負が終わった後はノーサイド……ということで、大会後は選手・スタッフたちが講堂に集まり、茶話会を楽しんでいる。
　楡宮遠海は、ステージの下手でファッションショーの司会をしている。十二単の衣装のためずっと暑いままだが、もうひと頑張りだ。
「最初に登場するのは、３年の森篠琳子さんのチームです！　仮装のコンセプトはなんでしょうか？」
　マイクを向けられた琳子が答える。演劇祭で着た衣装でもあるし、それほど緊張はしていない。
「チームは海賊の衣装で統一しています。むかし、寝子島にもいた水軍をイメージしました」
　参加のきっかけはほとんど成り行きだったが、高校生活の最後にいい思い出ができた。参加してよかった――と琳子はしみじみ感じた。

「お疲れ様。おかげで楽しかったよ」
　パーティーの最中、御剣刀はチームメイトに感謝の言葉を口にした。自分はファッションショーには出ず、みんなの様子を見ながら飲み食いをしている。
　響タルトが答える。
「お疲れ様！　ずいぶん走り回ってたから疲れたでしょ」
「ああ、楽しかったけどな。準優勝もできたし」
　巫部紫苑もほほ笑んで応じた。
「こちらこそありがとうございます。パーティーも楽しみましょう。どの料理もおいしそうですよ」
　そうしているうち、ファッションショーのスタッフが紫苑を呼びに来た。
「そういえば、私エントリーしてましたね」
　急いでステージに向かう紫苑を、刀とタルトが見送った。
「みんなのコスプレ見るの、すごく楽しみなんだよね～」
　コスプレも好きなタルトは、上機嫌で言った。

「紫苑さん、衣装の解説をいただけますか？」
　司会者の遠海に聞かれて、紫苑はマイクを受け取った。ただし、本人もそれほどわかってはいない。
「えっと……妖精の女王様らしいですけど、それくらいしかわからないんですよねぇ」
　紫苑がのほほんと笑うと、周囲も「まあいいか」という空気になってしまう。紫苑はギャラリーに優しく笑いかけると、本物の女王のごとく優雅に一礼して舞台を下がった。

　茶話会の間、冬樹闇はテーブルを回り、参加者に声をかけている。冬樹神社でいつも出している日本茶とお茶菓子をふるまっているのだ。
「実況と解説、お疲れ様……えっと、玄武の焼印した、おまんじゅう……食べる？」
　歌留多倶楽部の八重崎五郎八と大田原いいなが、お礼を言って受け取る。実況・解説の役目は終えたが、衣装はそのままで茶話会に参加している。
「……お口に……合うかな？」
　闇はおずおずと、味の感想を求める。
「ええ。お茶もお菓子もとってもおいしいわ」
「絶品じゃ！　ぜひ土産にしたいのう」
　評判は上々だ。闇ははにかみながらほほ笑んだ。

このページにイラストを設定する