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寮生の日常 ~猫~
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そして1週間が経ち、また日曜日――。
早朝の菜園で蓮と
藤堂 月乃
が汗を流している。ドラム缶風呂の残り湯をハーブと寄せ植えした野菜に与え終わると、蓮は首からかけたてぬぐいで額の汗をぬぐった。
「今日もいい天気ですね、月乃さん」
「ええ。体を動かすのにちょうどいい天気」
月乃はふわりと微笑み、見るからに殺傷能力の高そうな重量感のある斧を持ち上げ振り下ろす。スコーンといい音が響いた。本日は予定がないため薪割りでもしようかと風呂場に向かったところ蓮と出会ったため、せっかくなので一緒に作業をしていた。
「この寮も士さんの尽力で、だいぶ住みやすくなりましたね。女性が増えたせいか寮内を掃除してくださる方が増えた気もします」
蓮自身は寝る場所さえあれば細かいことは気にならないのだろうが……。他の住人が快適ならそれに越したことはなかった。
「確かに郡さんや花風さんたちが来てくれて雰囲気も変わったかも。女の子増えると私も嬉しいな~」
薪を割る手を休め、山ガールTシャツの首元をパタパタとさせる月乃。水筒に入れていたお茶を飲んで一息ついた。
「森さん、そっち手伝う?」
「よろしいですか? では、農具の手入れをお願いします。収穫時期までに鎌や鋤を綺麗にしましょう」
「任せて。斧の手入れは慣れているもの」
それはそれで怖い。
……と、突っ込む人間がこの場にはいないのが悔やまれる。
月乃が鎌を研いでいる間、蓮は土の栄養を枯渇させないよう栄養のある土をまいている。賞味期限切れの食品を発酵させたものだった。
互いの作業が終わると荷物を持って寮に引き上げる。農作業後は腹が減るためふたりで台所に向かった。朝食がまだだったのだ。
台所では
穂積 通
が図書館で借りた本を見ながら鍋で何かを煮込んでいた。朝食の時間が過ぎた台所には彼女しかいない。おそらく、台所が開く時間を狙ってここに来たのだろう。
「おはようございます。通さん」
「おはよう。穂積さん」
「あっ。おふたりとも、おはようなのですよー!」
振り向きながら通が明るい声を出す。蓮と月乃は小柄な通の肩越しに、ロウソクとクレヨンが並んでいるのを見つけた。視線に気づき、通が読んでいた本を見せる。
「アロマキャンドルを作っているのです。一度作ってみたかったのですよー」
通が挑戦しているのはケーキの形のキャンドルだった。ロウソクを湯煎にかけて茶色のクレヨンで色を付けている。先ほど精油を垂らしたため、台所は甘いにおいが漂っていた。
「バニラみたいなにおいがするね」
「ですよねー。これ、ベンゾインってお名前らしいのですが、おいしそうなにおいなのですー」
にへら、と通の顔がゆるむ。蓮はなるほど、と頷いた。
「もしハーブなどをご希望でしたらいつでもおっしゃってください。菜園で育てているものがあればお譲りしますので」
「わあ。いいんですか!」
「ええ。勿論ですよ」
通が嬉しそうにぴょんとはねた。
カモミールやセージがあれば石鹸作りもできそうだ。通の喜ぶ顔を見ると、蓮は満足そうに笑って大部屋に向かった。台所で作った塩むすびを食べるのだろう。
月乃も冷蔵庫からだれかが作ってくれた焼うどんを温め終わると、大部屋に持って行って食べようとする。その背中に通が声をかけた。
「あ、あの月乃ちゃん。上手にできたらキャンドル貰ってくれますか……?」
「え。いいの? 作るの大変そうなのに」
「ももも、貰ってくれると嬉しいですですー!」
「ありがとう。じゃ、私はこれあげる♪」
両手の指を絡めながらもじもじとする通にイチゴ味のアメを渡した。そのまま、がんばってねと言って大部屋に向かう。
「はわわ……」
絶対きれいに作らなければ!
と、気合を入れる通だった。
花風 冴来
は猫鳴館の廊下を歩きながら本日の過ごし方を考えていた。たまには静かに過ごすのもいいが、無意味な時間の浪費は嫌だった。歌と絵の練習でもして過ごそうかと思いついたとき、遠くから鶏の声がして眉をひそめる。
「やれやれね」
彼女は鶏の声が嫌いらしい。てば崎とささ美は卵をうむから雌鶏だろうが、外見もひよこ時代に比べればずいぶんかわいくなくなってしまったと感じている。
いっそ、絵の具で可愛らしくお着替えさせてあげようかしら?
そうしたら、多少の愛着もわくかもしれない。
実際にそんなことをしたらストレスで卵をうまなくなるかもしれないし、今日のところは想像に留めておく。
結局やることは未だ決まらず、冴来は退屈そうに目を細めた。
瓢は自室でワルダクミに使用する二重帳簿を製作中だ。
会長に怒られてもどこふく風でのんべんだらりと自分のペースで行動基準を決めていた。
「事務も飽きたねぇ」
大きなあくびをして、ばたーんと床に転がる。先ほど庚が作った食事をとったばかりで腹は膨れていた。満腹時に数字の羅列を追いかけて眠気がひどい。うとうとしながら地下帝国繁栄のための計画を立てるが……眠くてうまくまとまらなかった。
大部屋で大道芸の練習でもしようかねぇ。
瓢は普段、食後には運動も兼ねて玉乗りやお手玉の練習をしているようだ。
「こんにちは。瓢君のお部屋はここですか……?」
部屋の外から少女の声がする。この声に瓢は聞き覚えがあった。
「そうだよぃ。あがっていいよぅ」
「お邪魔します……」
入った来たのは
花風 もも
である。長いまつげに縁どられた大きな瞳が特徴的な少女だった。
ももは猫鳴館に住んではいないのだが、今日は休日なので遊びに来たらしい。はじめは暗くて恐ろしく感じた猫鳴館だが、今はいると安心するようだ。瓢以外の寮生といるときも幸せな気持ちになるらしい。
「適当に場所つくって座っておくれぃ」
「う、うん」
散らばっていた書類をわきに寄せて正座をした。
瓢との距離が近くなり、ももの鼓動がせわしなくなる。ももにとって瓢は、大好きな猫鳴館の寮生の中でも特別な存在だった。
「今日はあっしに用事かねぇ」
瓢の質問に、ももはふるふると首を横に振った。
「今日はみんなと美味しいご飯が食べたくて。よかったら僕が作ろうと思うんだけど」
断られたらどうしよう、と不安な気持ちを笑顔で隠して提案してみた。
「そりゃいいねぇ。オカンの飯も美味いけど、もも嬢の飯なら他の野郎どもも喜ぶってもんさぁ」
「ほんと……? よかった!」
ももの表情がぱっと華やぐ。時刻はまだ昼を過ぎて間が無い。彼女が腕を振るうのはもう少し日が落ちてからになるだろう。
もう少し瓢と話してみたい。そう考えたももは話題を探した。
……そういえば、百合や薔薇や菊には自分の知らない種類があるらしい。
姉に聞いても詳しくは教えてもらえなかった。自分は知らなくてもいいことだ、と言われたが気になってしまう。知らないことがあるのは不安になった。
「瓢君、あのね」
「なんだぃ」
「こういうお話知ってる?」
ももが瓢に花の種類を尋ねると、瓢はにやりと口の端を吊りあげた。
「あぁ、その話ならよく知ってるよぃ。お教えしようじゃないかぃ」
――そして90分。
瓢はももに、夜に関連する花の種類や類語、意味も合わせて懇切丁寧に指導してやった。
「ひ、瓢君……! 僕、僕もうわかったからっ……! だからもう、それ以上は……!」
「なんでぇ。こっからがいいとこなのによぅ」
赤面するももの顔を見て、瓢はケラケラと笑った。
「うぅ」
ももはうつむいて小さくなってしまう。瓢とこの後、どんな顔をして話せばいいのか分からなかった。
「きゃー!!」
突然女の声が寮に響いて、ももはハッと声の方向に顔を向ける。
姉さまの声だ……!
「どうやら、台所から聞こえたようだねぃ。もも嬢、行くかぃ?」
「うん!」
ももは迷わず頷き、先を走る瓢の背中を追って台所に急いだ。
台所では冴来が怒りで拳をわなわなとふるわせていた。
「姉様。大丈夫……!?」
「可愛いもも……。来ていたの」
愛する妹の顔を見て冴来はうっすらと微笑んだ。煮えたぎっていた胸の内がわずかに落ち着く。
「何があったんだぃ。そんなに大声だして、珍しいじゃないかぃ」
「……あの黒い魔生物が出たのよ。本当にけがらわしい。口にするのも嫌!」
先ほど遭遇した場面を思い出し、冴来は自分で自分を抱きしめるようにして寒気を堪える。
「部屋置きの殺虫剤で根絶やしにできないかしら」
「花風はん。倒すにしても、隙間風絶えないここじゃぁ殺虫剤は効果半減だよぃ」
「……確かにそうね、愛しい瓢。何か策があれば教えてくれない?」
「簡単さぁ。本当に倒したけりゃ火を投げこむべきだよぉ!」
「火、ね」
冴来は一考の価値アリ、と殺虫剤の情報を思い出す。確か可燃性のものがあったはずだ。
「ま、待って姉様。瓢君」
後ろで静かに話を聞いていたももがおずおずと声をかける。
「寮に火をつけるなんてよくないよ。まずは他の人にも相談してみよう? もっといい案が出るかもしれないよ」
「それは、そうかもしれないけれど……」
あの虫を野放しにしておくのは面白くない、そう言いたげに冴来は唇を尖らせる。が――。
「あぁ、そういやぁ、もも嬢は今日、料理を作りに来たんだっけねぇ」
思い出したように呟く瓢の言葉に、あら、と目を丸くした。
「まぁ、そうだったの? 早く言ってくれればよかったのに!」
「あっしらに美味い飯をくわせてくれるそうだよぃ」
ももは瓢の言葉にこくりと頷いた。
「そうだったの。なら、今日はここを燃やすわけにはいかないわね。徹底的にお掃除するだけにしておかないと」
「ありがとう、姉さま。……って言っても、今日はお掃除で全部終わっちゃいそうだね。お料理を作るのは別に日になるかも」
台所回りは冴来が虫を仕留めようと格闘したあとが目立っていた。今日はこれを片付け、水回りを綺麗にしたら終わりになってしまうだろう。
「もも嬢もオカンの飯を食って行けばいいよぃ。話はあっしが通しておくさぁ」
「いいの? ふふ、それも楽しみ」
庚の料理がおいしいのは猫鳴館の住民なら全員知っていることだ。本日の夕食のにぎわいを想像して、ももはにこにこと微笑んだ。
荒太郎は鶯色の野良着姿でかごを背負って山を登った。カラスの幼鳥、ちぎりのリハビリも兼ねているらしい。童謡を口ずさみながら腰をかがめて山菜を探す。山菜は食べられる時期が決まっており、貧乏な寮のみんなが楽しめる旬のごちそうだ。
「ちぎりには兄弟何羽いたでがんすかー」
話しかけると、ちぎりは片羽を持ち上げて小さく鳴いた。
「僕には兄弟がいっぱいいるんだよー」
いつか、ちぎりは自分の手を離れ空に戻っていく。そのときが来たとき笑って送り出せるよう、荒太郎は毎日少しずつ思い出を積み重ねていた。
寮に戻り台所に向かうと、庚がいつものように何を作ろうか冷蔵庫前で頭を悩ませていた。
「ただいまでがんすー。これ、お土産ー」
「お。たらの芽か。今夜は天ぷらに決まりだな」
冷蔵庫にはちくわやノリもあった気がする。人の多い猫鳴館。白いごはんと相性のいいおかずは喜ばれるだろう。炊飯器が鳴るタイミングと合わせて天ぷらを出したい。揚げたての天ぷらに、炊き立てのご飯。考えただけでよだれが出てしまう。
「一仕事した後は、しょっぱいものがおいしいよねー」
「だな……そういえば、これ。有精卵だと」
庚がひとつの卵を渡す。先日鶏舎を掃除したときに見つけた卵だった。ひよこがうまれるなら食べるのはやめておこう。荒太郎は卵を受け取ると、孵す方法を考え始めた。
やがて、油のはねる音につられて寮生たちが食堂に集まりだす。にぎやかな夕食の始まりだった。
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あとがき
担当マスター:
相馬 円
ファンレターはマスターページから!
ご参加ありがとうございます。相馬です。
猫鳴館の日常、お楽しみいただけたでしょうか?
猫鳴館の人々はみなさん仲がいいですね。
改めて書かせてもらうと意外と不良がいないなぁと思いました。
たくましく生きてくだされ。
【追記(運営部より)】
リアクションの一部に不適切な箇所があったため、最終ページが改訂されました。
ご迷惑をおかけしまして誠に申し訳ございませんでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
相馬 円
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
冒険
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月13日
参加申し込みの期限
2013年09月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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