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寮生の日常 ~猫~
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「館内の改修リストは初島に渡したな……。ウツボカズラ事件の被害損額は……」
大部屋では
邪衣 士
がうずたかく積まれた書類と睨みあっている。自治会長の士は常に過労気味であり、先日はボランティアに参加した先で倒れたらしい。寝不足の様で濃いクマができていた。獣の毛皮を被っているうえに死相が出ているので危険人物にしか見えない。
「士殿~。地下帝国の件について相談なのじゃが……今話しても大丈夫かの?」
「構わないが。どうしたんだ」
温かいドクダミ茶を差し入れしながら
大田原 いいな
が声をかけた。ドクダミはその辺に自生していたものである。士はいいなに礼を言ってお茶に手を伸ばした。
「話は落盤事故についてじゃ。あの一件で猫鳴館住人外にどこまで、地下帝国のことが知られてしまったかが気になっての」
いいなが心配しているのは地下帝国の存在が理事長の耳に入った時のことである。取り壊しの話が年中もちあがるため油断ができない。猫鳴館の日常を守るために心配事は極力減らしておきたかった。
「理事長に地下通路ってことで話をつけたいんだが……機会がなくて言えてないのが現状だな」
せっかくだし陛下に謁見するか? と、地下帝国皇帝ホネソギウス13世(
骨削 瓢
)の姿を探す。
……いない。先ほどまで破損報告書を書かせていたのに。
「どうりで静かだと思った……」
放火未遂の件は報告書の作成で水に流そうと思っていたのに。無力感から体重が減った気がした。どんよりした顔の士の肩を、いいなが叩く。
「まあ、そう気を落とさずに……。いないなら仕方がない。現在の掘削状況を把握しつつ、むやみやたらと掘り進めるのはやめてほしいと伝えてくれるかのう?」
「掘削状況か。採掘状況は参謀がまとめているはずだ。少し前までは俺がやっていたんだがな」
よほど信頼できる参謀らしい。人に仕事を任せられるようになり士の負担が少し減った。猫鳴館の別の問題に集中できるようになり、相当助かっているようだ。
「そうか。では、計画的な掘削をこころがけるように進言しておくれな。資料をそろえておいたから参考にしてほしいのう。最新の地図は常に用意するのをすすめるのじゃ。では、邪魔したな」
「ああ。色々考えてくれてありがとう」
いいなは大型書店で購入した地形図を渡した。高校生という立場上、これ以上の資料は入手が難しいだろう。
男性とサシで話すのが苦手なため、報告が終わったいいなは大部屋を後にした。そのまま猫鳴館の階段新館下の一角に陣取る。地下帝国にわいた源泉サンプルを『寝子島高校化学部・大田原いいな』名義で分析機関に手紙を書いた。
高校生からの依頼を分析機関が受けてくれるかはわからないが、九夜山にある井戸の底で湧いている源泉の泉質を特定したいらしい。必要事項は記入済み。あとはポストに出して、返事が来るのを待つばかりだ。
「あれ、寮の人?」
箒を持った
郡 トモエ
がいいなに話しかける。トモエは今年島に来たばかりで顔見知りが少なかった。
「儂は
大田原 いいな
。この寮には用があって来ただけじゃ」
「そうなんだ。うちはトモエ。よろしくね」
「掃除なら儂も手伝おう。トモエ殿だけではこの寮は広すぎじゃろうて」
「ほんと? 助かるー」
いいなはトモエの視界の影に封筒を置くと、掃除を手伝うべく雑巾とバケツを取りに行った。
再び大部屋――。
「士くん、いるかな?」
「ん、北原か。今日は客が続くな……よっと」
部屋の入口に立っている気弱そうな少女・
北原 みゆき
の姿をみとめ、士はよいしょと立ち上がる。背中に手を当てて筋肉を伸ばすと、みゆきのために座布団とお茶を用意する。
「あ、気をつかわせてごめんね」
「いいさ、これくらい。まぁのんびりしていくといい」
「ありがとう……。これ、差し入れ」
士がみゆきがから差し入れの飲み物や菓子を受け取る。みゆきは知り合いの天野や真央たちのためにあれこれと用意してきたようだ。
「みんなでいただこう。今日はどうしたんだ?」
「んと。お散歩のついでによってみようかな、って……。もしよかったらお掃除していこうと思うんだけど、いいかな?」
みゆきは以前から猫鳴館に顔を出す約束をしていたそうだ。以前配られた新聞に、同じ探検部の士の記事があり興味を持ったらしい。寮への偏見をなくすために勇気を出して遊びに来ていた。
「掃除か。助かる、なかなか手が回らなくてな。地下に郡がいるはずだから、手伝ってくれるか?」
夕食の出費の確認や鳥たちの世話など雑事がたまっている。士には埃を気にしても綺麗にする時間がなかった。
「ありがとう。じゃあ行ってくるね。お仕事お疲れ様、無理はしないでね」
長くいると邪魔になるかもしれないと考え、みゆきは挨拶を終えると地下階段を目指した。階段を下りるとトモエといいなが掃除をしている。挨拶と自己紹介をするとすぐに仲良くなれた。
「みゆきちゃん。掃除道具もってくるなんて、準備いいねー」
トモエがおっとりと褒める。みゆきはマスクをつけ、持参した雑巾で埃っぽい机の上を水拭きしている。手際がいいわけではないが丁寧に掃除をしていた。
「そ、そうかな? 私、心配性だから」
「いやいや。みゆき殿はいい嫁さんになりそうじゃ」
いいなにも褒められ、みゆきは長いまつげをそっと伏せた。マスクの下の白い肌は朱に染まっているだろう。
「そんなこと……。えと、猫鳴館ってやっぱり歴史があるのね。60年も使われているなんてすごいなぁ」
ごまかそうとして別の話題をふるみゆき。
掃除をしてわかったが、猫鳴館の中は外見と同じくおんぼろだ。しかし寮生はどの人も話しかけやすい。
「もう少ししたら私の部屋でおしゃべりしない? この前の休みに掃除したからわりと綺麗だよ」
トモエの提案にいいなとみゆきが頷く。
「名案じゃのう。では、儂はドクダミ茶を持って行こう。冷蔵庫に入れたものがいい具合に冷えてるじゃろうて」
「私もお菓子を持ってきたの。お茶に合いそうなもの、大部屋から持ってくるね」
掃除の後に食べるお菓子はさぞ甘いだろう。新しい友達の部屋にお呼ばれされ、みゆきはくすぐったいような気持ちになった。
そして夜――台所にて。
伊賀 解理
が人目を忍ぶようにして現れた。シマリス書店で購入した本を見ながら小麦粉や砂糖を計量している。どうやらクッキーを作るようだ。
「あら。伊賀じゃない。料理をしているなんて珍しいわね」
「な、なな!
鞍掛宮 雅
!」
「驚き過ぎよ」
雅に声をかけられると解理が何センチか飛び跳ねた。雅は短剣を突き刺して飛び出す海賊のおもちゃを思い出す。隠れて作っていたのが丸わかりだ。
「……君こそ、この時間に外にいるなんて珍しいな。夜風にでもあたりに来たのか?」
「そうね、そんなところよ。気分転換ね」
雅は絵を描くために授業をしばしばさぼるタイプで、生活のほとんどを創作のために費やしている。今も懐中電灯とキャンパスを手に持ち、ポケットには木炭が入っているのだ。
「忙しいようだから私は行くわ」
「ああ。足元に気を付けて」
解理とわかれると雅は器用に梯子を上り、寮の屋上から夜空を眺めた。雅はここからの景色を気に入っていた。最近は抽象画を描くことが多いが、創作に詰まると風景画にもよく手を出す。
意外なことに猫鳴館には楽器のできる生徒が多く、耳を澄ますと蓮のヴィオラと瓢の三味線が聞こえてきた。ちぐはぐな感じが猫鳴館らしい。
夜空をぼんやり見つめていると、星がひとつ流れる。
「気づいてくれますように、気づいてくれますように、気づいてくれますように」
雅の足元から
雨崎 荒太郎
の声がする。どうやらここは彼の部屋の真上らしい。大事な願い事なのを察して雅は動きを止める。流石に人に聞かれていたと知ったら、おっとりした荒太郎も気まずいだろうから。
「はぁ……この寮から見上げると、夜空が本当にきれいでがんすー」
まずい。ポエムみたいなこと言い出した。
「君もこの空を、見ているのかしらー」
そこから一時間、荒太郎の尺八の情熱的な演奏がはじまる。雅は無表情で演奏を聞きつづけ、荒太郎が部屋に戻ったのを確認するとはしごを下りた。
一方、解理は雅が去ったのち再びクッキーの制作に取り掛かっていた。白衣の彼女が台所に立っていると理科の実験をほうふつとさせる。
本日作るのはラング・ド・シャー。猫の舌という意味を持つ薄い生地のクッキーだ。
「基本に忠実に作るべし……」
初心者にありがちなオリジナルアレンジで自爆するようなマネは全力で避ける! 食べてもらう相手がいるのだ。
「彼にまずいものを食わせるわけにはいかないからな。って、別に彼に食わせるつもりじゃないし。あくまで僕のだし。ただ、多く作りすぎたら無駄になってしまうのはもったいないからってだけで、だから――」
「ひとりごとが多いわね」
「むぎゃああああああ!!」
背後から雅の声がして、再び解理が垂直にとんだ。雅に驚かす意図はないのだが。
「な、なな。何なんだ君は! 小腹がすいているのか!? もしそうなら早く言いたまえ!!」
「小腹……確かに私は飢えている。けど、それは食欲に関することじゃないの」
「は?」
「私はモチーフに飢えていた。そして出会った。片思いという名の甘い果実に。これほど抽象的で普遍的な感情はない。感謝しているわ。あなたの恋路がうまくいくことを祈ってる。では失礼」
一方的に言葉を連ねると、雅はさっさと部屋に戻ってしまった。残された解理はしばらく呆然自失としたのちに、言葉にならない悲鳴を上げた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
相馬 円
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
冒険
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月13日
参加申し込みの期限
2013年09月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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