決めろ！　必殺ポーズ！！　―戦隊ヒーローは君だ―｜リアクション

決めろ！　必殺ポーズ！！　―戦隊ヒーローは君だ―

結：続く明日の日の為に

「すまない。どうやらクロウクィーンの所為だ……」
　ジャックドサンタが苦笑した。そして、ずぅうん、と姿を現したのは……お菓子を纏ったパンケーキの巨大怪物だった。
「どういうこと？」
「説明してもらおうかな？」
　ピンクとゴールドが詰め寄ると、ジャックドサンタは帽子で顔を隠しながら説明する。
「彼女が、万が一に備え準備していたみたいだ。そして、僕のお菓子やパンケーキを取り込んでしまったらしい。……五十嵐博士が目を覚ましたら、提供する予定だったのだが」
「とことんお菓子だね……」
　ジャックドサンタがあちゃー、と苦笑を強めピンクがつっこむ。そこによろよろのネコバンジョーが現れ、一同に言った。
「この近くに、丁度いいスペースがあるんだ！　五十嵐博士を避難させるにはちょうどいい！」
「……それは本当？」
　警戒したシルバーが問うも、ネコバンジョーは頷いた。
「クロウクィーンも倒されちゃったし、俺の中のもやもやも晴れた。転職ついでに五十嵐博士の護衛するよ」
「なら、僕もお供しよう。カマエルンジャー、あの怪物をどうにかできないか？　僕が準備する予定のは、クロウクィーンの置き土産にのっとられてしまったからね……」
　恥ずかしながら制御できない、と申し訳なさそうに言う。レッドたちは顔を見合わせ……力強く頷いた。

　あんぎゃあああ！

　パンケーキ巨大怪物は、叫びながら暴れまわる。だが、その腕を止める者がいた。微妙にカプセルギアっぽい巨大ロボである。

　――カマエルニャオウ！

「ヒーロー戦隊のお約束は巨大ロボでの戦いッス！　さあ、張り切るっすよー！」
「おーっ！」
　のりのりのレッドとグリーン。ピンクも「いくわよ！」と気合十分だ。一方、覚醒したばかりのゴールドは「どうやってやるんだろう？」と操縦席であたふた。しかし、シルバーは言い切った。
「操縦席のパーツに触れれば、きっと自ずとわかるわ！」
「――？！　凄いっ！　手に取るようにわかるよ！」
　２人も操縦席であれこれと触れ、３人と共にカマエルニャオウを操縦する。パンケーキ巨大怪物が生クリームボムを放てば盾で防ぎ、お菓子でつぶそうとすればパワーで振り落とす。
　巨大怪物がシロップのビームを放ってくれば、グリーンが縫いぐるみをどこからともなく持ってきて構える。
「んー、これもつかえるんじゃないかなぁ？」
　一同が首をかしげている中、グリーンだけが好奇心旺盛な眼差しで縫いぐるみを掲げる。

　――ゆるふわぁ……にゃんこビィィィィム！

　縫いぐるみから飛び出たビームが、巨人にヒット！　膨大なお菓子を叩き落とす！　その痛みに鳴き声をあげて突撃する巨大怪物に、レッドは鼻を鳴らした。
「ふんっ！　五十嵐博士の最終兵器は負けないっすよ！」
　がっしりと取っ組み合うロボと巨大怪物。力押しにも負けず、えいや、と投げ飛ばす。だが、巨大怪物も負けてはいない。お菓子の塊を次々に投げてくるのだ。
　数発辺り、たたらを踏む巨大ロボ。だが、こちらも負けてはいない。
「僕に」「私に」「「まかせて！！」」

このページにイラストを設定する