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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
月曜日の屋上
「レディース＆ジェントルメン！」
陽気に登場する信彦に、即席バンドの凛、深雪、響也は、きょとんと見ていた。
何しろ、信彦は得体の知れない紐状のものを延ばしてきていた。
「レディは１人だが……？」
と訝しがる深雪に、信彦はマイペースを崩さない。
「そのゲリラライブ、俺といいなっちが全面協力しよう！ オープニングを派手にぶちかまそうじゃないか！」
「わしは何も言っておらんのじゃがな……」
ぼやくいいなを制して、信彦は咄嗟に用意した装置の説明を行った。
信彦は二つにまとめたロケット花火の束それぞれに、導火線となるマグネシウムリボンを結びつけ、限界まで延ばしていた。
そこで火を付ければ、マグネシウムリボンは火を噴きながら、光り輝きながら進み、最後にロケット花火に点火してとべば、それはライブ開宴の合図となる……というわけだった。
にゃーにゃーコンビの千鳥 雅人と維都月 茉菜も話を聞いていた。
みんながバンドと花火に注目している間に、ある危険が迫っていたが、誰も気づかなかった。
「あ」
みんなとは別の北校舎にいた修は、気がついていた。
塔屋から大きな獣が出てきたことに！
即席バンドのセットは、塔屋から離れている。
バンドのいる所から導火線のマグネシウムリボンがのびて、その終点であるロケット花火は、塔屋の近くに設置されていた。
「消火用か？」
近くには砂のようなものが置いてあったが、消火に使うにはあまりにも少ない。
「こんなもんで危険はないとでも言うつもりか。まったく！」
「砂」の器を手にすると、熊吉はゆっくりと歩き始めた。盛り上がって自分の登場にも気づいていない生徒たちに向かって。
「あ！」
修はハッとした。
テ、テルミットだ！
あれは実験に使っていた、テルミットに違いない。点火すると爆発して3000℃にもなる。
さすがに危険すぎると判断した修が慌てて声をあげるが、いかんせん遠かった……。
南校舎側では、修の声をかき消すように、凛の元気いっぱいの声が響き渡る。
「よーし、準備オーケー！ ゲリラライブ、スターーートッ！」
「オーケー！」
信彦は二本のマグネシウムリボンにササッと火を付ける。
「ボケ彦、待て、もしや……」
ようやく熊吉に気づいたいいなが止める――
が、遅かった。
しっかりと点火され、ロケット花火に向かってじわじわと光が激しく美しく、近づいていった。
「ああ……」
修は小さくため息をついた。
とはいえ、いいスクープになりそうなチャンスを逃す手はない。しっかりシャッターを切りながらだ。
「きゃー！」
「いやっほー！」
「にゃーーーーっ！」
無邪気にはしゃぐバンドメンバーやにゃーにゃーコンビとは反対に、青ざめたいいなが叫ぶ。
「『てるみっと』じゃ！ 先生殿！ その粉末は非常に危険じゃ！ 火に近づけてはいかん！」
「こんなもので消火できると思うのか、試してみればわかるんだぞ！ バカタコがあっ！」
雄叫びをあげている熊に人間語は通じない。
しかし、そこで、信彦がスッと前に出た。
「いーなっち、俺に任せな」
ろっこんを使えば熊吉を落ち着かせることができると考えた信彦だが、そのために必要なクレジットカードがなかなか出てこない。慌ててポケットから出てくるのは、女性の電話番号やデートに適したレストランのショップカードだった。
あれでもこれでもない、とやってるうちに熊吉はどんどん迫ってくる。
「ボケ彦ー！」
「あった。もう大丈夫だ」
信彦はようやくクレジットカードを見つけて、ビシッと掲げた。
――Ｍｏｎｅｙ Ｉｎ Ｔｈｅ Ｂａｎｋ
カードを見るものに信頼感を与えるろっこんだ。
「熊吉先生、ご安心ください。これは化学の実験です」
「ううううがああああああ！」
熊にクレジットカードは見えてなかった。
信彦は大切なことを忘れていた。クレジットカードは人間が使うものなのだ。
「あれ？ おかしいな……」
いいなは素早く決断する。
「ボケ彦！ 走れ！ まぐねしうむりぼんに粉末がかかるとまずい！」
「え？ え？ あ、ああ！」
言われるがまま走り、熊の脇をすり抜けていく二人。
ロケット花火の束をひとつずつ持つと、一気に走り出す。
二人は熊から離れるべく駆けるが、道はひとつしかない！
「進むのじゃー！」
「わ、わ、ええ、おおーーっ！？」
燃えさかるマグネシウムリボンを新体操のリボンのようにはためかせて、塔屋を駆け下りていく。
「危険じゃー！ 皆、階段から離れるのじゃー！」
「はーい、そこのレディ。俺に近づくと火傷するぜー？」
「ボケ彦！ 冗談を言ってる場合じゃない！」
「いやいや、冗談のようで本当なのよこれ～」
２人は、凄まじい勢いで１階まで駆け下りていった。
陽気に登場する信彦に、即席バンドの凛、深雪、響也は、きょとんと見ていた。
何しろ、信彦は得体の知れない紐状のものを延ばしてきていた。
「レディは１人だが……？」
と訝しがる深雪に、信彦はマイペースを崩さない。
「そのゲリラライブ、俺といいなっちが全面協力しよう！ オープニングを派手にぶちかまそうじゃないか！」
「わしは何も言っておらんのじゃがな……」
ぼやくいいなを制して、信彦は咄嗟に用意した装置の説明を行った。
信彦は二つにまとめたロケット花火の束それぞれに、導火線となるマグネシウムリボンを結びつけ、限界まで延ばしていた。
そこで火を付ければ、マグネシウムリボンは火を噴きながら、光り輝きながら進み、最後にロケット花火に点火してとべば、それはライブ開宴の合図となる……というわけだった。
にゃーにゃーコンビの千鳥 雅人と維都月 茉菜も話を聞いていた。
みんながバンドと花火に注目している間に、ある危険が迫っていたが、誰も気づかなかった。
「あ」
みんなとは別の北校舎にいた修は、気がついていた。
塔屋から大きな獣が出てきたことに！
即席バンドのセットは、塔屋から離れている。
バンドのいる所から導火線のマグネシウムリボンがのびて、その終点であるロケット花火は、塔屋の近くに設置されていた。
「消火用か？」
近くには砂のようなものが置いてあったが、消火に使うにはあまりにも少ない。
「こんなもんで危険はないとでも言うつもりか。まったく！」
「砂」の器を手にすると、熊吉はゆっくりと歩き始めた。盛り上がって自分の登場にも気づいていない生徒たちに向かって。
「あ！」
修はハッとした。
テ、テルミットだ！
あれは実験に使っていた、テルミットに違いない。点火すると爆発して3000℃にもなる。
さすがに危険すぎると判断した修が慌てて声をあげるが、いかんせん遠かった……。
南校舎側では、修の声をかき消すように、凛の元気いっぱいの声が響き渡る。
「よーし、準備オーケー！ ゲリラライブ、スターーートッ！」
「オーケー！」
信彦は二本のマグネシウムリボンにササッと火を付ける。
「ボケ彦、待て、もしや……」
ようやく熊吉に気づいたいいなが止める――
が、遅かった。
しっかりと点火され、ロケット花火に向かってじわじわと光が激しく美しく、近づいていった。
「ああ……」
修は小さくため息をついた。
とはいえ、いいスクープになりそうなチャンスを逃す手はない。しっかりシャッターを切りながらだ。
「きゃー！」
「いやっほー！」
「にゃーーーーっ！」
無邪気にはしゃぐバンドメンバーやにゃーにゃーコンビとは反対に、青ざめたいいなが叫ぶ。
「『てるみっと』じゃ！ 先生殿！ その粉末は非常に危険じゃ！ 火に近づけてはいかん！」
「こんなもので消火できると思うのか、試してみればわかるんだぞ！ バカタコがあっ！」
雄叫びをあげている熊に人間語は通じない。
しかし、そこで、信彦がスッと前に出た。
「いーなっち、俺に任せな」
ろっこんを使えば熊吉を落ち着かせることができると考えた信彦だが、そのために必要なクレジットカードがなかなか出てこない。慌ててポケットから出てくるのは、女性の電話番号やデートに適したレストランのショップカードだった。
あれでもこれでもない、とやってるうちに熊吉はどんどん迫ってくる。
「ボケ彦ー！」
「あった。もう大丈夫だ」
信彦はようやくクレジットカードを見つけて、ビシッと掲げた。
――Ｍｏｎｅｙ Ｉｎ Ｔｈｅ Ｂａｎｋ
カードを見るものに信頼感を与えるろっこんだ。
「熊吉先生、ご安心ください。これは化学の実験です」
「ううううがああああああ！」
熊にクレジットカードは見えてなかった。
信彦は大切なことを忘れていた。クレジットカードは人間が使うものなのだ。
「あれ？ おかしいな……」
いいなは素早く決断する。
「ボケ彦！ 走れ！ まぐねしうむりぼんに粉末がかかるとまずい！」
「え？ え？ あ、ああ！」
言われるがまま走り、熊の脇をすり抜けていく二人。
ロケット花火の束をひとつずつ持つと、一気に走り出す。
二人は熊から離れるべく駆けるが、道はひとつしかない！
「進むのじゃー！」
「わ、わ、ええ、おおーーっ！？」
燃えさかるマグネシウムリボンを新体操のリボンのようにはためかせて、塔屋を駆け下りていく。
「危険じゃー！ 皆、階段から離れるのじゃー！」
「はーい、そこのレディ。俺に近づくと火傷するぜー？」
「ボケ彦！ 冗談を言ってる場合じゃない！」
「いやいや、冗談のようで本当なのよこれ～」
２人は、凄まじい勢いで１階まで駆け下りていった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年09月09日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年09月16日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年09月16日 11時00分
