１２月の☆ハッピーバースデー｜リアクション

１２月の☆ハッピーバースデー

☆１２月某日

（あー、忙しい）
　寝子島町役場勤務の三折部朝衣は、１２月に入り忙しくなってきた。
　年末も近くなると、住民課の窓口での各種の手続きなどで応援に駆り出される。
　総務課勤務の彼女ですら窓口で各種手続きの案内や受付をして、それはそれはもうてんてこ舞いだったりする。
　幸いやってくる町民も忙しいからか、そこまでしつこい人は少ないのは救いだが。
　とはいえ次から次へやってくる町民への窓口対応はいつ終わるとも知れない。
　表面は疲れた様子など全く見せず、明るく振舞う朝衣。
　クリスマスのデート──今年の夏に出会った恋人の住沢遥人とのデートを心待ちに、ひたすら我慢して過ごす。
　そこに、中沢リッカルド町長が現れた。
「朝衣君、ちょっと手伝ってほしいことがあるんですが」
「えっ？」
　忙しい彼女に、さらに町長の仕事の手伝い、という突発的な事態が起きた。
　採用後２年目の彼女は、今年に入ってなぜかリッカルド町長に気に入られて（？）各種町おこしイベントのプロジェクトリーダーを任されたりしている。
（なんであたしなのかしら……）
　噂によると、来年の人事異動では地域振興課か観光課が最有力視されているらしい。
　とりあえず、窓口対応から離れられるのはありがたい。
　ただしほぼ定時に終われる窓口と違い、町長の手伝いは残業があるのだった。

　クリスマスまであと数日というある日の夜。
　朝衣は今日も町長の手伝いで残業していた。
　その仕事も終え、帰り支度……する前に。
　朝衣は町長に近づき声をかけた。
「あ、おつかれさま朝衣君。どうかしましたか？」
　こちらを向いた町長に包みを差し出す。
　中身はバンビーナ寝子島のマスコットキャラのストラップだった。
　町長はなでねこリーグ（女子サッカー）のバンビーナ寝子島のファンなのだ。
「少し早いですが、お誕生日おめでとうございます」
「えっ、私に？　モルト・グラッツェ！　ありがとう！」
　町長は立ち上がり、朝衣の手を握り締めて感謝を伝えた。
「ど、どういたしまして」
　その喜びように朝衣のほうが恐縮してしまったが。
「町長、クリスマス当日は用事があるので定時で帰らせていただきますね」
　笑顔でそう告げるのを忘れなかった。
　

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あとがき

担当マスター：天村花海
ファンレターはマスターページから！

１２月生まれの皆さん、お誕生日おめでとうございます♪

お誕生日の方も祝う側の方も、ご参加ありがとうございました。
クリスマスの賑わいで目立たなくなりがちかもしれませんが、なんとなく心浮き立つ月のお誕生日は素敵だと思います。

クリスマスイベントや年越しなど、１２月はイベントが盛りだくさん。
ぜひ他のシナリオも楽しんでいただけたらと思います。
それではまた、ご縁がありましたら。

▼運営部より

１２月生まれのキャラクターの年齢加算は、らっかみ！タイムが１月に移行する際に行われます。
もうしばらく１２月のクリスマスと年の瀬の雰囲気をお楽しみください。

　→おしらせ「クリスマスシナリオ公開！イラスト作って特典プレゼントも♪」

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