推理ゲーム『ねこじま人狼』6th｜リアクション

推理ゲーム『ねこじま人狼』6th

●占い師ふたり

「ところで、神野さん」と梢が言った。
「先ほど占い内容のCOはギリギリまで待ちたいと思っていたと言っていましたが、どうしてそう考えたんですか？　確かに『相手を怪しい』と印象づけるには良いですが……」
「何かおかしかったかしら？」
「私なら、黒を占ったなら先手を打って占い結果を示すかなー。確実に騙る相手の結果を後出しって、説得力を捨ててる感じじゃないですか？　職被りの一方を『狐と仮定するだけ』でも可能ですよね、神野さんのした事」
「そんな」
　美野梨はゴクリと唾を飲み込む。
「思い切って、占い師カミングアウトしようと思ったのは、ほかの役と違って占い師は誰を占ったか伏せて情報を小出しにできると思ったから……」
　梢は目を閉じ、美野梨の言葉を遮った。
「そこが怪しいんですよ。まあ、島民的には私が狐かどうかあまり関係ない話だと思います。騎士が確定した今、狼を吊らないと数調整されますし狙うべきは狼でしょーね」

「うーん」
　サキリは顎に指を当て思案顔だった。
「夜海霧はＣＯする気はないんだね？」
　楓はノーと手をひらひら振る。
「まさかこの状況で騎士に被せてくる人はいないよね？」
　それはいなかった。
「良かった。一応伝えておくと、僕がCOしたのは先に言ったとおり余計な混乱を避ける為。島民が下手な騙りをすると意図せず狂人ロールになってしまう。一番困る展開は……神野が占い騙りで自分の立場を悪くするリスクさえも恐れない場合かな」
　ポーカーフェイスを保とうとしていた美野梨であったが、サキリの言葉に周りのみんなの顔色を窺った。
「私が疑われているの？」
「屋敷野のこともね」
　やれやれ、と目を閉じた梢に、サキリはチクリ。
「下手すると状況が拗れて以前のように全員死亡で島民勝利を狙う、みたいな話になりかねない。まあそれはそれで楽しいかもしれないけどね」
「どうも」
　梢はクールに答える。
　甘いものをつまみながら考えていた拓郎はが訥々と言った。
「人狼と妖狐がソロ陣営なぶん、示し合わせがないから……整理しやすくは、ある、かな？　けど……うーん、シンプルな分、なやましい、かも。……まさか、パン屋対抗はないだろうけど改めて主張しておきたい……な」