推理ゲーム『ねこじま人狼』6th｜リアクション

推理ゲーム『ねこじま人狼』6th

●らっかみふたり

　楓の言葉は皆の視線を、梢と桐子に向けさせた。

「うちは、人外が騙るなら占いからっかみと予想してたので、あのタイミングでＣＯして罠にかかるのをまってたッス。らっかみＣＯなのに白で狐判定の梢はどう考えても怪しいッス！」
　立ち上がって梢をびしっと指さす。元気いっぱいの彼女は常にオーバーアクションだ。
「ちょっと待っていただけますか？」
　梢が胸の前に手を挙げた。
　一同は一斉に梢を見た。
　なにしろ、疑惑の的の彼女である。
　その発言に注目が集まる。
　梢は申し訳なさそうに――先ほど美野梨に向かってではあったが、フェイクについて釘を刺したサキリにはとくに恐縮した様子で――言った。
「えーと、トラップ破壊してごめんなさい……そして、」

「らっかみCO撤回。占いCOです。古尾さんは真らっかみです」

　桐子は目を見開いた。
　拓郎も言葉に詰まる。
　楓はキャップを目深に被ったままで表情がわからない。
　美野梨は梢を見つめつつも、敢えてポーカーフェイスを保っているようだ。
　サキリは刃物の如く眼光をギラリと光らせて梢に「それで？」と促した。
「占い結果は特に意味のない志波さん白でしたー」
　拓郎は、自分……？　というようにおのれを指さしてきょとんとしている。
「速攻でらっかみＣＯした理由と占いの白狐判定はどういうことッスか？」
　桐子がみんなを代表して訊ねる。
「らっかみ騙りの理由は『占いの次に騙られやすそうだから』と『黒を1職にあつめるため』。神野さんが占いCOをしたので迷いましたが、結果をすぐに出さなかったので作戦通り決行しました。らっかみに2人いれば、危険人物は占いに集まるでしょうし、簡単に炙り出せるかなーと思った次第です。その後3人を2人と1人で吊ってほしいというお願いです」
　ひと息に言って、肩をすくめる。
「全員揃ってからじゃないと作戦の意味なかったので撤回できませんでしたが、撤回は確実にしましたよ。真に対して対向してないのはせめてものポーズです。で、その結果が……」
　梢は楓を見た。
「占いに集結してないどころか、謎の保留者がいます！　ゴメンナサイ」
　悪いが、と楓は飄々としている。
「今回はどの役職も１人しかいない訳で、ならさっさと占い師に自分を占ってもらいその結果を相手に突き付けてどういう事か聞いた方が早い。ま、実際に誰を占うかを判断するのは占い師で、状況が変わらない限り暫くは進行させやすく、正体不明の役職の方が逆に情報が割れると思う。――現時点で俺が言えるのはこの位だ」
　楓はそれきり深く椅子に凭れて黙り込んだ。

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