推理ゲーム『ねこじま人狼』6th｜リアクション

推理ゲーム『ねこじま人狼』6th

●美野梨の占い結果についての審議

「ええ」と美野梨は頷く。
　役職主張の最期の瞬間、美野梨は、
「私が占ったのは屋敷野梢さん。結果『島民だが狐くさい』だったわ」
　と主張したのだ。
　サキリが釘を刺す。
「敵の反応を見る為のフェイクとかだったら引っ張りすぎないよう注意してね。行き過ぎた騙り芸は利敵行為になってしまう」
「そんなつもりはないわ」
　美野梨はあまり表情を変えずポーカーフェースで答えた。

「挨拶を聞いても何も分からなかったから、素直に知り合いを占おうと思って屋敷野さんを占ったの。もっと激しく応酬があるものかと思っていたから、占い内容のCOはギリギリまで待ちたいと思っていたんだけれど、結局あのタイミングになってしまったわ。……狼はわからないけど、いちおう狐は敵になるのかしら？」
「そうだね。狐が生き残っていたら、狐の勝利になってしまうからね」
　サキリは紅茶を一口含み、美野梨を見つめる。
「発言が真実なら値千金の情報だ。加えて夜海霧のCOが占い師以外であればめでたく真占いと狐が確定する。これで島民が負けたら恥ずかしいね」
「私としては、梢さんがらっかみCOして、すぐに桐子さんがCO。屋敷野さんが狐だから、桐子さんは信じていいのかしら。そうなると夜海霧さんが人狼？　と思っているけれど」
　美野梨が楓を見ると、その視線を追うように、拓郎も楓を見た。
「うーん……神野さんが本物の占いなら、屋敷野さんが妖狐で……でもこの場合、古尾さんが本物のらっかみかはまだわからない、んだよな。夜海霧さんの役職次第、かな？　もし占い師なら……神野さんが人狼、古尾さんが、偽占いの結果にのっかった、らっかみに擬態した妖狐の……可能性も、出てくるし」
　サキリも何か期待をするような目で楓を見つめる。
「うん。夜海霧が真占いの可能性も無くはないし、君の役職を是非この場でCOして欲しいと思うが？」
　しかし楓は１度帽子を被り直して黙考したのち、言った。
「黙秘する」
「なんでッスか？」
　桐子が噛みつく。
「現状役職を名乗っていないのは自分だけだが、あくまで現時点での話な。状況が変わればCOする必要はあると思ってる。ただ、占い師　騎士　パン屋　らっかみと、各１人しかいないはずの役職が既にCOされてる。俺は１人は確実に嘘をついてると知ってる立場にいる。嘘をついている以上、そいつが恐らく人狼だとは思うが……」
　楓はこめかみを２，３回叩いて深く考えながら言った。
「それを確実に証明する術を持たないんでね。そこのらっかみCO２人の騒動がひと段落するまでは正直にCOしても余計に場が混乱するだけだと判断した訳だ」

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