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妖精の三兄弟
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学校の帰り道を誰かと一緒に歩くという事は、その関係性を如実に表していると言えるだろう。何故なら嫌いな相手やどうでも良い相手とは帰り道を共にするなんて誰もしようとは思わないのだから。
しかし、帰り道を共にしている
北里 雅樹
と
椎井 莉鳥
の間に流れている空気はとても奇妙なものであった。険悪とも違う、何とも言えない気まずい空気だ。
秋のナイトプールでの一時はすっかり二人の間に壁を作ってしまっていた。元々二人の間に距離はできていたが、それはただ離れているだけのものであり、一時的に縮めようと思えば縮める事ができていた。例えば雅樹が馬鹿な事を言えばそれに対して莉鳥が淡々と容赦もなくツッコムというような風に。
だけど、今二人の間にあるのは壁だ。それもまるで底なし沼のように手応えのない壁だ。
この壁によって彼氏彼女の関係が終わっても続いていた腐れ縁の関係が消えようとしている。来年、受験の為に寝子島を出る雅樹の卒業を待たずして。
ただ無言で歩く。見えない壁を間に置いてただ二人で並んで歩く。そうしてお互いを見ないようにして歩いていた二人は気づかなかった。自分達が歩いている前方に何だか妙な存在がいる事に。
「お前達、さてはカップルだな! 僕にイチャイチャするところを見せろ!」
「……は?」
「……え?」
突然の事に固まる雅樹と莉鳥。だが、そんな二人の様子など知った事ではないというように黄色い帽子を被った妖精は騒ぎ続ける。
「さぁ早くしろ、さっさと早くしろ! 僕にイチャイチャするところを見せるんだよ!」
「いや……。イチャイチャしろって……」
呆然として呟くように答える雅樹。あまりに突然の事にすっかり動揺してしまっている雅樹だが、それでも言葉を返す事ができただけ莉鳥よりはまだマシと言えるかもしれない。
莉鳥は動揺のあまり顔面を蒼白にしたまま凍ってしまっている。普段から表情が豊かではない莉鳥だがそれでも彼女を知る人が今の莉鳥を見れば驚いてしまう事だろう。
そもそもの話、イチャイチャしろと言われてもこの二人は恋人関係にある頃でもそういう事はした事がないのだ。
恋人らしい事をした事がない、というわけではない。莉鳥の十六の誕生日の夜に身体の熱を交じり合ったようにする事はしている。相手の事を想っていたのだから当然だ。あくまでも世間一般の恋人達がするようなイチャイチャをした事がないというだけなのだ。
(ちょっと、どういうことなんだ?)
動揺に染まった頭でそれでもできるだけ状況を把握しようと雅樹は考える。
隣に立つ莉鳥へと視線を向ければそこには表情を凍らせた彼女の姿がある。むりもないと雅樹は思っていた。自分とてこれだけ混乱しているのだ。ぶっきらぼうで無愛想なところがある莉鳥だが、感性は普通なのだ。元彼氏であるからこそ知っている事だ。
(こんな莉鳥相手にイチャイチャしろとか、できるわけないだろ……。でも、どうすりゃ良いんだ……)
二人の様子を見ても変わらずやれと騒いでいる妖精にありのままを告げても意味はないだろう。きっと、無理にでもやらなければ明らかにいけない状況であるのは雅樹にも理解できていた。
しかし、だからと言ってできるかと言えばそれはまた別の話である。
「あー、もう! イチャイチャしろって言ってるのに何さっきから無視してんのさ! もう良い! やらないんだったらやらせてやる!」
「えっ、ちょ、待ってくれっ」
一向に動く気配のない二人に業を煮やしたのか黄色い帽子の妖精は雅樹を指差す。すると、指先から黄色い光の輪が広がって消えた。
「うわっ、何だっ!?」
「っ!?」
くるりと突如として莉鳥へと向いて彼女を抱きしめる雅樹。莉鳥も雅樹本人もビックリするのは当然の事だ。雅樹の反応からするとどうやら本人の意思ではないのだろう。
いきなりの事に莉鳥の混乱にますますの拍車がかかり、何とか脱しようと抵抗するものの雅樹の腕はビクともしない。莉鳥にとってこうして抱き締められるのは別に初めての経験というわけではない。寧ろ、男らしい雅樹の腕の中にいるのは懐かしささえ感じていた。確かに互いが生きていると感じる事ができる温かさ。それを感じる事に僅かながらの安心感があったが、混乱と驚きで染まっている莉鳥がその感情に気付く事はない。嘗てとは状況が違いすぎるのだ。
「うんうん、良いね良いね! ほらほら、女の子の方もちゃんと応えなきゃ!」
黄色い帽子の要請が楽しそうに言うと、今度は莉鳥が雅樹の背中へと手を回して身体を密着させる。自分の背中に感じる女の子らしい手と正面から感じる良い匂いに柔らかさ。その柔らかさは女の子の象徴とも言える膨らみによるものだ。莉鳥はスレンダーではあるものの胸が全くないというわけではない。こうして密着して抱き合えばその存在を感じる事はできる。
こうして莉鳥の女の子らしさを嫌という程全身で感じてしまうと、身体を重ねた夜の事を雅樹はどうしても思い出してしまっていた。
暗闇の中、月と星の明かりで浮かび上がるのは美しい裸体。スレンダーだが手足が長いその身体はまるでメスの獣を思わせるものだった。
(何で、今更こんな事を、思い出してるんだ……)
避けれない別れが確定している二人。いや、そもそも彼氏彼女としてはとっくに別れているのだ。なのに、何故。雅樹の思考がぐるぐると巡る。そして、それは莉鳥もまた同様だった。
雅樹と莉鳥はより互いを密着させる。正常な思考状態にない為に本能が強く出ているのだろうか。何も言わずに二人は互いに見つめあう。
いつの間にか黄色い帽子の妖精は姿を消している。この場から去ったわけではない。もう何もしなくても自らが望むものが見れそうだと判断しただけだ。
思考の熱と共に体温が上がる。だけど、互いの温もりを交換し合う事に心地良さを感じていた。
その内、お互いを求めあうようにキスを交わす。最初は微かに触れる程度に。そして、その次の瞬間、深く深く。
一体どれだけの時間が過ぎた事だろうか。長いキスが終わり、唇を離せばそれを惜しむように糸が引く。
しかし、莉鳥が身体を反転させて走り去っていく。何かに耐えるように口元を抑え、涙を残して。そうして後に残ったのは、熱の余韻を身体に感じ呆然としたままの雅樹だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
昂祈
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
お色気
定員
10人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年03月09日
参加申し込みの期限
2020年03月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年03月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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