雨の日の探しもの｜リアクション

雨の日の探しもの

「あまくん、お菓子もらうよ～。アマタロウくんも食べるといいよ、って、名前似てるねえ」
　伸幸がへにゃりと笑う。
「あ、あたしのプリンとクッキーも良かったら食べて」
　澄佳がお菓子を差し出す。
　みんなも楽しそうにお菓子やカッパ巻きをつまむ。
「河童を子分にしてみたい気もしたが、ほんとに子供っぽいな……」
　士がつぶやく。
「なあ、河童って秘薬の塗り薬を持ってるんじゃないか？」
　修は尋ねた。
「……ムカシ　ジジガツクッテタ。デモイマハニンゲンハホシガラナイッテ」
「どんなものか、製法だけでも知りたいな。もしくれたら、俺の大事な英語の参考書をやろう。枕にするもよし、バイリンガルカッパを目指すもよしだ」
「ゴメン、シラナイ」
「そうか……」

　キーンコーン　カーンコーン

　どこからか鐘が聞こえてきた。
　時計を見ると５時だ。
　いつの間にか雨はやんでいたが、あたりは暗くなっていた。
「名残惜しいがそろそろ帰ろうか」
　ロベルトが言う。
「マタアソビニ　キテ」
　アマタロウが言った。
「わかった、きっと来るよ！」
　カケルとケンが口をそろえる。
「ああ、また遊ぼう」
　刀も言う。
　みんなが手を振った。
　アマタロウはしばらく手を振っていたが、川に飛び込んで見えなくなった。
「楽しかったね」
「また来ようよ」
「みんな、今日はありがとう」
　美弥子が礼を言った。
　カケルとケンも言う。
「ありがとう、また遊ぼう！」
　いつの間にかロベルトにも、カケルたちは自然な笑顔を見せていた。

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あとがき

担当マスター：天村花海
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ご参加ありがとうございました。
リアクションを書いていたらきゅうりが食べたくなりました、天村です。

都会化した町の中でも川はいつ暴れだすかわからない自然の象徴です。
アマタロウはおとなしい子だったので人間とは仲良くなれたようです。
でも他の河童とはどうでしょうか？
機会があればまたアマタロウを登場させてみたいです。

それでは、次回もよろしくお願いいたします。

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