とある雨の放課後。寝子高の近くで。
レインコートを着たやんちゃそうな小学校低学年くらいの男の子たちが、声を上げました。
「なあ、カッパに会いに行こうぜ!」
「カッパ?」
たまたま通りがかった
串田 美弥子は驚いて、それからクスッと笑いました。
(誰かのあだ名かな?)
そう思いつつも気になって聞き耳を立てます。
「なんだよカッパって?」
「頭にこーんな皿があって、背中にコウラがあって、緑色で」
おとなしそうに見える目の大きな子が、身振り手振りを交えて説明します。
「えー、ウソだ~! そんなのいるわけないじゃん!」
眼鏡の男の子が反論します。
「ウソじゃないよ、オレ、天宵川で会ったんだ。ミニカーとられたんだもん」
「マジか~! ミニカー取られたってどういうことだよ?」
「オレ、カッパとしゃべったんだ。雨だしカッパが出てくると思う。今日こそ取り返しに行くチャンスだ!」
「マジかよー」
「ウソだと思うならこれから行ってみようぜ!」
微笑ましいと思いながらも、美弥子はだんだん心配になってきました。
(ほんとに川に行っちゃうのかな?)
美弥子は思い切って子供たちに声をかけたのです。
「ねえ、君たち……雨の川はあぶないよ? 子供だけでいっちゃだめだよ」
「平気だよ! 何度も行ってるもん。カッパは雨の日に出てくるんだ」
「ほんとにカッパを見たの?」
心配してるはずが、つい好奇心がうずいてしまう美弥子。
「見たよ! おねえさんもいっしょに来てみたら?」
「うーん……」
美弥子は携帯を出してねこったーにこう書き込みました。
『子供たちが、天宵川にカッパを探しにいくらしいの。雨だし、危ないと思う。
あたしついてってみるけど、誰か一緒に来てくれない?』
こんにちは、または初めまして。天村です。
小さい子の言うことなので要領を得ませんが、天宵川には不思議な生き物の噂があります。
河童の目撃例はけっこう多く、中にはしゃべるカタツムリがいたなんて話も。
河童は人間とカタコトの会話ができます。
いきなり川に引きずり込んだりはしませんが、人と相撲をとったりして遊ぶのが好きです。
しゃべるカタツムリは、見た目は普通のカタツムリです。
河童が現れる前に突然「カエレ!」などと声を上げるそうです。
あまり人の多いところでは目撃されないので、上流のほうがいいかもしれません。
はたして河童やしゃべるカタツムリに出会えるでしょうか?
子供たちは小学二年生です。
・カケル
河童にミニカーを取られたという、目の大きなおとなしそうな子。寝子島生まれ。
・ケン
河童なんてウソだという眼鏡の子。この春都会から引っ越してきた。
今のところ大雨注意報などは出ておらず、高校生なら川へ行っても危険というほどではないかもしれません。
河童関係なく川を見に行っても構いません。
それでは、ご参加お待ちしております♪