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- 00月00日生 00歳
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らっかみ！新春☆初夢宝船フェア２０２０！ ～白編～
夜の街を彩るネオンはローズピンクの流線形。
ウィンクするウサギちゃんのセクシーな太腿が、行き交う人々を誘っている。
お待ちしてま～す、の甘い声がリフレインするこの街は、地上最大のカジノシティ『ニャスベガス』。
私が働くお店は、セレブや著名人もお忍びで訪れる名店で、ルーレットにスロット、ポーカー、ブラックジャック……お金さえあればなんでも楽しめる。
「アヤ」
名を呼ばれ、私――青山 絢は振り返った。
「ご指名よ。このグラスをいつものお客様へ」
そう言ってルージュの唇を妖艶に笑ませているのは、黒いウサギ耳のカチューシャをつけた先輩のお姉さま。黒レザーのハイレグコスチュームの上に燕尾服の上着を羽織り、お尻にはまあるく白いウサギのふわふわしっぽが揺れている。
いわゆるバニーガールの恰好で、私も同じだ。胸を寄せて谷間を作り、首元は純白の付け襟と黒い蝶ネクタイでアクセント。もともと黒髪で柔和な顔立ちなのだが、網タイツに包まれた太腿は男を誘う艶っぽさがあるらしく、そのアンバランスさが堪らないとお客様におっしゃっていただくことも多い。
私は先輩に渡されたトレーに、泡立つシャンパングラスを載せて、勝った負けたと嬌声を上げるお客様の間を縫ってどこだかの社長さんだというお髭のオジサマへ運び、そのまま乞われて隣に座る。彼は常連で、私のことを気に入ってくれている。
「ああ、来てくれたねアヤ。君がいるとツキが来るんだ」
「はい。頑張ってくださいね」
言葉は少なくていい。微笑んでいるのが私の仕事。
彼が遊んでいるのはカジノの女王様と言われるルーレット。円形のルーレット盤の縁には赤と黒に色分けされた３６個の数字とグリーンのダブルゼロ。客の前にあるグリーンのベッドエリアには、ルーレット盤に対応した数字が書かれており、客はどの数字にボールが止まるか予想してチップをかける。
彼は、しばらく当たる確率の高いコラム（１２個の数字から１つ当てる）やシックスライン（６個の数字から１つ当てる）に賭けて稼ぎ、いよいよチップが山になってきたころを見計らって私を見た。
「アヤ、君なら何に賭ける？」
「そうね。……赤の１９……かしら」
根拠何てなにもない。ただ惹かれる数字だというそれだけの理由だ。
「ベット、プリーズ」
ディーラーの声。他の客が、片手で足りる程度のチップを想い想いの数字の上に置いていく中、彼はここまで稼いだチップの山を一気にディーラーへ押しやり告げる。
「赤の１９」
ポーカーフェイスを訓練しているディーラーですら、僅かに眉を上げたのを私は見た。
テーブルの客たちはもっとあからさまにどよめき、彼の成功と失敗を同時に願うような複雑な眼差しを向けてくる。
「あらあらまあまあ」
「あの客大きく出たわね」
「当たったらすごいわよ」
「んふふ……アヤのツキが彼に加護を与えるか、見守りましょ」
ほかの客や、バニーガールのお姉さまたちも集まってきてくすくす。この夜一番の大勝負だ。
ディーラーは小さく頷き、回るルーレットに銀のボールを放り込んだ。
カラカラカラカラ、音を立てて回るウィール。
ボールは時に跳ねるようにして数字の上をかけめぐり、徐々にそのスピードを落としていく。
「いけいけ！」
「赤、赤！」
「いや黒だ！」
「お願い！」
固唾を呑んで祈る客たち。
ボールはゆっくり黒の８のゾーンに入り……
「！」
かた、と音を立てて、もうひとつ隣へ動き、赤の１９で止まった！
「うそ、でしょ……」
私は思わず口元を押さえ、彼は私を強くハグした。
「アヤ！ やっぱり君は僕の女神だ！」
彼はこの夜、店の歴史上一番の勝利者になった。
背後からバニーな姉さまが近づいてきて、そっと私に耳打ちする。
「アヤ、そろそろ仕事に戻って」
「はーい」
じゃあまたね、とアヤは彼に投げキッスしてルーレットテーブルを去る。
仕事仲間たちは、すれ違いざまに秘密めいた笑みを浮かべて囁いてゆく。
「やるじゃないアヤ」
「お店は大損だけど」
「気にしなくていいのよ。どうせギャンブルだもの」
「そうよ。たまには大勝ちするやつも必要。そうしないと他の客も夢を見れないじゃない？」
「ふふ……あ、ほら。彼の大勝ちにつられて客たちの雰囲気が変わったわ」
「どんどん賭けて頂戴。……最後は親が勝つんだけどね」
ここは『ニャスベガス』。
一夜にして億万長者になることを夢見る人々が集う、地上最大のカジノシティ。
強い光の裏には濃い闇が出来るってことを一瞬だけ、忘れさせてくれる場所。
一筋縄じゃいきっこない。お越しの際は、どうぞお気をつけて――？
ウィンクするウサギちゃんのセクシーな太腿が、行き交う人々を誘っている。
お待ちしてま～す、の甘い声がリフレインするこの街は、地上最大のカジノシティ『ニャスベガス』。
私が働くお店は、セレブや著名人もお忍びで訪れる名店で、ルーレットにスロット、ポーカー、ブラックジャック……お金さえあればなんでも楽しめる。
「アヤ」
名を呼ばれ、私――青山 絢は振り返った。
「ご指名よ。このグラスをいつものお客様へ」
そう言ってルージュの唇を妖艶に笑ませているのは、黒いウサギ耳のカチューシャをつけた先輩のお姉さま。黒レザーのハイレグコスチュームの上に燕尾服の上着を羽織り、お尻にはまあるく白いウサギのふわふわしっぽが揺れている。
いわゆるバニーガールの恰好で、私も同じだ。胸を寄せて谷間を作り、首元は純白の付け襟と黒い蝶ネクタイでアクセント。もともと黒髪で柔和な顔立ちなのだが、網タイツに包まれた太腿は男を誘う艶っぽさがあるらしく、そのアンバランスさが堪らないとお客様におっしゃっていただくことも多い。
私は先輩に渡されたトレーに、泡立つシャンパングラスを載せて、勝った負けたと嬌声を上げるお客様の間を縫ってどこだかの社長さんだというお髭のオジサマへ運び、そのまま乞われて隣に座る。彼は常連で、私のことを気に入ってくれている。
「ああ、来てくれたねアヤ。君がいるとツキが来るんだ」
「はい。頑張ってくださいね」
言葉は少なくていい。微笑んでいるのが私の仕事。
彼が遊んでいるのはカジノの女王様と言われるルーレット。円形のルーレット盤の縁には赤と黒に色分けされた３６個の数字とグリーンのダブルゼロ。客の前にあるグリーンのベッドエリアには、ルーレット盤に対応した数字が書かれており、客はどの数字にボールが止まるか予想してチップをかける。
彼は、しばらく当たる確率の高いコラム（１２個の数字から１つ当てる）やシックスライン（６個の数字から１つ当てる）に賭けて稼ぎ、いよいよチップが山になってきたころを見計らって私を見た。
「アヤ、君なら何に賭ける？」
「そうね。……赤の１９……かしら」
根拠何てなにもない。ただ惹かれる数字だというそれだけの理由だ。
「ベット、プリーズ」
ディーラーの声。他の客が、片手で足りる程度のチップを想い想いの数字の上に置いていく中、彼はここまで稼いだチップの山を一気にディーラーへ押しやり告げる。
「赤の１９」
ポーカーフェイスを訓練しているディーラーですら、僅かに眉を上げたのを私は見た。
テーブルの客たちはもっとあからさまにどよめき、彼の成功と失敗を同時に願うような複雑な眼差しを向けてくる。
「あらあらまあまあ」
「あの客大きく出たわね」
「当たったらすごいわよ」
「んふふ……アヤのツキが彼に加護を与えるか、見守りましょ」
ほかの客や、バニーガールのお姉さまたちも集まってきてくすくす。この夜一番の大勝負だ。
ディーラーは小さく頷き、回るルーレットに銀のボールを放り込んだ。
カラカラカラカラ、音を立てて回るウィール。
ボールは時に跳ねるようにして数字の上をかけめぐり、徐々にそのスピードを落としていく。
「いけいけ！」
「赤、赤！」
「いや黒だ！」
「お願い！」
固唾を呑んで祈る客たち。
ボールはゆっくり黒の８のゾーンに入り……
「！」
かた、と音を立てて、もうひとつ隣へ動き、赤の１９で止まった！
「うそ、でしょ……」
私は思わず口元を押さえ、彼は私を強くハグした。
「アヤ！ やっぱり君は僕の女神だ！」
彼はこの夜、店の歴史上一番の勝利者になった。
背後からバニーな姉さまが近づいてきて、そっと私に耳打ちする。
「アヤ、そろそろ仕事に戻って」
「はーい」
じゃあまたね、とアヤは彼に投げキッスしてルーレットテーブルを去る。
仕事仲間たちは、すれ違いざまに秘密めいた笑みを浮かべて囁いてゆく。
「やるじゃないアヤ」
「お店は大損だけど」
「気にしなくていいのよ。どうせギャンブルだもの」
「そうよ。たまには大勝ちするやつも必要。そうしないと他の客も夢を見れないじゃない？」
「ふふ……あ、ほら。彼の大勝ちにつられて客たちの雰囲気が変わったわ」
「どんどん賭けて頂戴。……最後は親が勝つんだけどね」
ここは『ニャスベガス』。
一夜にして億万長者になることを夢見る人々が集う、地上最大のカジノシティ。
強い光の裏には濃い闇が出来るってことを一瞬だけ、忘れさせてくれる場所。
一筋縄じゃいきっこない。お越しの際は、どうぞお気をつけて――？
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2020年01月02日
- 参加申し込みの期限
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- 2020年01月09日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2020年01月09日 11時00分
