【期末テスト】赤点？満点？？寒風、四日間の死線＜物語編＞｜リアクション

【期末テスト】赤点？満点？？寒風、四日間の死線＜物語編＞

〇二日目

　夢宮瑠奈はアイドルグループ「CitrusCat's」の一員です。
　しかしそれ以前に、寝子高の学生です。
　そんなわけで今日もテストを頑張っていました。
（いつも通り、音楽はそれなりにわかるかなって）
　幸い今は得意教科の音楽です。
（最近はいろんなお仕事でたいへんなことになってるけど、勉強はおろそかにしたくないよねえ……）
　とか思いながら、それでもちょっとやばそうな気がして。
（しかし、やばいです）
　テストはできているのですが、別な問題が瑠奈に降りかかっていました。
（おなかがすきました）
　エアコンが効き過ぎて暑かった昨日と違い、今日はやたら寒く、そのせいかひどくおなかがすくのでした。
（気を抜くとおなかがなってしまいそうです。それは避けないとです、です）
　アイドルでなくても、乙女にとってお腹の音は切実な問題です。
（人知れず戦い続けましょう。寒いよりも強い敵です。耐えて、耐えて……）
　瑠奈はお腹に力を入れて頑張りました。
　しかし。
　きゅるるるる……
（あー、だめでした、おなかがなっちゃいました）
　がっくり。
　幸い誰も反応しませんでしたが、瑠奈は心に誓いました。
（お昼は学食で多めに食べよう、そうしよう）

　長かったテストの時間が終わり、これ以上お腹が鳴らないうちにと瑠奈は教室を飛び出しました。
　そして学食に向かいましたが。
「……えっかき氷？」
　なぜかかき氷を勧められ。
　早く食べたいし断るのも面倒で、勧められるままに注文したわけですが。
「……えっでっかい」
　出てきたかき氷に、思わず目が点になります。
　そして臆することなく、瑠奈は食べ始めました。
（ええ、アイドルは体力資本だから、食べる量は多くしなきゃなのです！）
　小柄な瑠奈は、決して大食いキャラではないのですが。
（熱いとか冷たいのもお腹にやばいけど、でも出されたならもったいないから……）
　気合で食べきって、おなかをあっためることにしよう、と瑠奈は決意します。
（でも熱いお茶はダメ。逆になんか壊れます。そんなきがする）

　どうにか食べきって、学食を出た瑠奈は明日のことを考えます。
　しかし頭に浮かぶのは勉強のことではなく。
（残り教科、空腹回避がんばらないといけないですね。朝にたくさん食べる？　飲み物を持っておいて、休み時間に飲もうか）
　最早、テストより大事になってるような乙女の腹の虫問題なのでした。