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【寝子祭2nd】メイド喫茶で秘密の時間を
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「じき開店ですわ」
と告げて、
マーガレット・ライカー
が厨房側の扉をからりと開けた。
「わあ、いい匂いですこと」
今日の空のように澄んだ眼を輝かせる。
両手を胸の前で握りあわせて、
「加減はいかがかしら? 不足しているものがあればなんでもおっしゃって」
「いえ、十分です」
十分すぎるくらいです、という意味の微笑をイルマは浮かべた。
「聞こえる? ほら、放送」
マーガレットの背後から、
神野 美野梨
が姿を見せた。
りんりんと鐘の音が鳴り、放送担当によるナレーションが、寝子祭開始十五分前となったことを告げたのだった。
「いよいよね」
「いよいよですわね」
美野梨とマーガレットは顔を見合わせる。
耳を澄ませるまでもない。校舎が、いや、寝子高全体が、とろ火が入ったかのように静かにしかし着実ににぎわいはじめた。
「メイド服で人前に出るのは、この前、劇で演じたメイド役以来ですわ」
いささか緊張しているのか、マーガレットの声はかすかにうわずっている。
「あのお芝居のころ、マーガレットさんのことはまだよく知らなかったけど、メイド役の印象は強く残ってるよ。とっても可愛かった」
美野梨が言うと、
「まぁ、ほかならぬ私ですからね、見栄えして当然ですけど」
とマーガレットは胸を反らせる。少し緊張がほぐれたようだ。
美野梨もマーガレットもメイドの扮装だ。もちろん、イルマも。しかし、おなじメイドであってもコンセプトは異なる。美野梨とマーガレットがいわゆるコスプレ的な、見せることを主目的とした華美な雰囲気であることに比べれば、イルマのそれはもっとずっと動きやすく機能的だ。生地にしたって、かろやかなポリエステル主体と、しっとりしたサテン地という差がある。
「イルマさんは」
美野梨がイルマに顔を向けた。
「去年の寝子祭でもメイドをしてくれたよね、本職がいれば安心よ」
指導をお願いね、と美野梨は言う。
たしかに私――とイルマは思った。
学業のかたわらメイド業もしてはいますが、メイド喫茶のメイドと本物のメイドは、まったく似て非なる別物な気はするのですが――しかしそのようなこと、指摘するのも無粋というものですね。
なので頭をかすめた言葉をしまい、イルマはこう告げるにとどめた。
「いえ、美野梨さんには特に指導する必要はない気がします。むしろ慣れていらっしゃるようにも」
「慣れ? そんなことないよ」
美野梨は両の手を頬にあてた。
「それに、今日はマーガレットさんのおかげで開店にこぎつけたようなものだし」
厨房スペースと続きになっている通路を抜け、美野梨は店内に足を踏み入れる。
まるで別世界。
基調は落ち着いたダークブラウン、煉瓦壁に暖炉、テーブルクロスにいたるまで、十九世紀末の英国趣味で統一した店内だ。壁に掛かる海洋画はレプリカだが、イギリスのロマン主義画家、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの作品。その額縁はもちろん、骨董品のようなシャンデリア、オリエンタル模様の緋絨毯にいたるまで、貴族のサロンを思わせる格調高い空間なのだった。
よく見れば煉瓦壁も暖炉も壁紙を貼ったものにすぎず、テーブルだってめくってみれば学校の教室机なのである。それでも大抵の人は、ドアをくぐった途端、ワープでもしたのではないかと錯覚するはずだ。
「こんなに素敵なんだもの……イギリスってあまり貴族のイメージがなかったけど、すごいわね」
ふふん、とマーガレットは腕組みした。
「私、母方が英男爵家の出ですの。せっかくですので、英国風というコンセプトを徹底させていただきましたわ」
「ブリティッシュ・ライフ研究会だったわね。食器や食材だってすごいし」
内装にあわせてマーガレットは食器、それに食材も一流のものを用意させていた。スコーン作りにつかうグラニュー糖などは、「こればかりは英国メーカーのものでないと」と、わざわざ空輸で取り寄せたほどだ。
「備品が豪華なら、メニューもそれなりにしないと安っぽくなってしまうもんね」
とまで言って、美野梨は素朴な疑問を口にした。
「でも豪華過ぎじゃ……採算取れるの?」
「え? 採算?」
ぎくっ、とマーガレットが肩を強張らせたのがイルマにはわかった。
「だ、大丈夫ですよ、美野梨さん、採算のことを考えてなかったなんて、そんなことないですよ」
語尾が上がっている。価格は学祭相応に押さえている以上もしかしたら、いや、もしかしなくてもこの店は、客が入るほどに赤字になるのではなかろうか。
「ああ、まあ、学祭限りのお店ですし、そのようなことは後で考えることにいたしませんこと?」
それよりも私、とマーガレットは言う。
「メイド業というものを実はよく知らないのですよ。だから私も、実際にメイド業にも従事しておられるイルマさんに指導してもらえたら幸いですわ」
また指導を請われたものの、イルマは内心の困惑を表にせぬよう努めていた。
マーガレット様は、人に仕えるという行為そのものに慣れていらっしゃらない、むしろ仕えられることに慣れた者のオーラが全体からにじみ出ている気も――。
いや、そんなことばかり考えていても仕方がない、物事はいいほうを見ようとイルマは考えなおす。目を細めて告げた。
「マーガレット様は物覚えの早い方とお見受けしました。形はなかなか様になっていますね。形だけでもらしくあるだけで、実のほうが追いつくと思いますよ」
また鐘が鳴った。いよいよ開始五分前だという。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
学校生活
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年12月08日
参加申し込みの期限
2019年12月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年12月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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