お猫様パタパタ、寝子島神社お掃除大作戦！｜リアクション

お猫様パタパタ、寝子島神社お掃除大作戦！

○パタパタ！

「絢ちゃんどこに行ったんだろ？」
　猫耳姿のまま待っている真優理の元へ、猫耳をつけた子供たちがやってきました。
「こんにちは、パタパタさせてもらっていいですか？」
「……はい、どうぞ」
　にっこり答えて身をかがめた真優理に、子供たちは嬉しそうに猫しっぽハタキを向けパタパタさせます。
　そして、何か期待するように真優理を見つめました。
「パタパタさせてもらってもいい？」
　察した真優理が問いかけると、
「どうぞ！」
　と子供たちは手を広げるのでした。
　ほっこりしながらパタパタし終わった子供たちを見送ると、絢が戻ってきました。
　手には猫じゃらしのおもちゃを持っています。　
「さすが絢ちゃん、これで猫をおびき寄せるのね」
「うまくいくといいけど」
　さっき猫が入っていった縁の下あたりにそっと近づき、猫じゃらしをぱたぱたさせます。
　しばらく待つと、縁の下に猫の瞳がきらきら光るのが見えました。
　絢は焦らずゆっくりと、猫じゃらしを近づけては遠ざけます。
　うずうずした猫が、ぴょん！　と飛び出してきました。　
「やった！」
　すかさず真優理がはたきでパタパタ。
　一旦パタパタされると、猫は逃げることもなく、今までのそっけなさはなんだったのというくらい愛想よくゴロゴロするのでした。
「パタパタできてよかったー」
　見回すと、周囲には猫耳をつけた人たちがたくさん集まってきていました。
「人をパタパタしてもご利益があるって言ってたね」
「やりましょう！」
　そこへさっそく近づいてきた人影がありました。
「チャオ♪」
　猫の着ぐるみをしっかり着込んで声をかけてきたのは、なんと寝子高の雨宮草太郎校長先生でした。
「こ、こんにちは……
　パタパタしながらも、何となく後ろめたい気持ちになる絢です。
　校長先生は全く知らないことなのですが、実はループ世界の入学式で、絢は校長先生を泣かせてしまったことがあるのです。
　パタパタされた校長先生は、細い目を絢に向けると思いがけないことを言いました。
「何か気になることがあるのかな？　厄はもう落ちたから大丈夫だよ」
「えっ……」
　校長先生は、絢と真優理の頭をパタパタして去って行ったのでした。
「絢ちゃん、いこ。少しでも運気が上がることを願って」
「あっ、待って」
　歩きだした真優理の後を、絢は急いで追うのでした。
　
　絢が土産物店を去った後、夏朝は、もう一つ買いものをしていました。
「猫さんをおびきよせてみよう」
　おもちゃにつられて出てきた猫に出してあげたのは、にゃおにゅ～る（猫おやつ）！
　匂いにつられたか、他の猫もやってきました。
　美味しそうにたいらげたのを見はからい、夏朝は再び猫おもちゃを取り出します。
　猫おもちゃで一緒に遊んであげるのが楽しくて、本来の目的を忘れそうになりましたが。
（あ、パタパタするんだった）
　思いだして、おもちゃをハタキに持ち替えます。
「ごめんね、パタパタするよ……」
　と言いつつそっと、しっぽハタキでパタパタしました。
「他の猫さん達にも、パタパタさせてくれたらそれで終わるから、って伝えてくれると嬉しいな」
　近くで見ていた白猫のミラが、にゃあと鳴きました。
　すると、猫たちが少しずつ夏朝の元に集まってくるのでした。
　猫を追いかけて、集まってきた参拝客の輪もできました。

　ほんわかとした空気の中、気がつけば日は傾いていました。
「皆さまのおかげで無事にお祭りを終えることができました」
　帰って行く参拝客を見送りながら、舞が満足そうにつぶやきます。　

　帰途につく夏朝は名残惜しそうに言いました。
「本当にありがとう、猫さん達……来年もそれから先も幸あれー！」

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あとがき

担当マスター：茄子りんこ
ファンレターはマスターページから！

ご参加ありがとうございました。
神社もお猫様の像も綺麗になりました。
らっかみ！タイムは１１月ですが、ちょうど暮れの大掃除と合う時期になりましたね。
綺麗になった神社と猫たちは、来年もたくさんの福を招いてくれることでしょう。

次回のシナリオでもご縁がありましたらお待ちしております。
メリークリスマス！　そして皆さまよいお年を。

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