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寝子島の風にのって、ぱーたぱた
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しとしとしとしと。6月の雨は寝子島を柔らかく包み込む。いつもの学校へと続く道は、何だか磨り硝子の向こうのような不思議な世界。ぼんやりとしているのに艶やかに濡れた濃い色彩。香り立つ緑。紫陽花は美しく咲き誇り、雨の中元気に登校する寝子高生達の心を彩るのだ。
「あ、彰尋君おはよー!」
柔らかな雨の音にふわりと乗った
七夜 あおい
の声に、
鴻上 彰尋
は振り返った。
「あおいさん。おはよう」
「朝から雨だねー」
「梅雨って感じだよね」
そう言いつつ彰尋は少し歩みを遅める。「ねー」と言いながら近付くあおいを待って、共に歩き出した。傘を少し傾けて、あおいに自分の傘の雫が当たらないようにして。
「そうそう、今日頑張ってお弁当作ってきたんだよ」
隣りを歩くあおいが言い、一瞬だけ彰尋の息が止まった。それでもそれを気取られないように彰尋は辛うじて唇に笑みを乗せた。
「へぇ、凄いね! 何作ってきたの?」
「えへへ、あのね……」
卵焼きにーと言葉を続けるあおいに笑顔で頷きながらも彰尋は自分自身を窘めていた。―――自分に作ってくれたかもなんて思うなよ、俺!
厳しく自分にツッコむ彰尋の視界に、ひょい、とツインテールが入ってきた。あおいがこちらを青い瞳で覗き込んでいる。
「でね、ちょーっと味見してくれないかな? 彰尋君」
「え?」
今度こそ息が止まった。笑みを作る余裕はない。恐らく今俺は馬鹿みたいにぽかんとしているだろう。
「自分じゃ自信作なんだけど、やっぱ不安で……ダメですか、彰尋先生!」
片目を閉じ、拝むような仕草をするあおい。漸く彰尋が我に返った。
「ううん! そんな事ないよ! ぜひ!」
「よかった~」
ほっとあおいが胸を撫で下ろす。じゃあ昼休みどうしようかと話す2人。雨が優しく包んでいる。
その後ろを眠そうな瞳のお嬢さんがスマホ片手にのんびりと歩いていた。
千歳飴 楓子
。
重課金のゲーマーだ。
彼女が季節を意識する事はあまりないかもしれない。あるとしたらゲーム内のイベントで水着やXmasグッズ集めに奔走する時だろう。という訳で、今朝も登校中から絶賛ポイント集めだ。
(ね、眠い……しかしイベントが……)
メンテは本日13時。それまでは倒れてでも走らなければ。
ぽちぽちぽちぽち。機械作業のように画面を見ながらタップする。そこにポトンと水滴が垂れた。
「ん……?」
ここで初めて楓子は顔を上げ、周囲を見た。
「お、もうこんな所か」
実は楓子、自分がどう歩いてきたかとか、全く覚えていなかった。彼女は己の全てをスマホの向こうに飛ばしていて。今ようやく現実世界に帰って来たのである。
(ふむ、雨だったのか)
周囲には傘の花。そして。
「紫陽花が咲いている」
目が覚めたようにぱちりと瞬きをした。そうか、6月だったな……。
「……いかんいかん!」
ふるりと首を振ると、艶やかな髪を靡かせ楓子はまた歩き出した。ぽちぽちと指を動かしながら。
―――彼女が紫陽花の美しさに気付くのは、きっと下校の時。
(傘の落とし物です……)
御巫 時子
は歩みを止め自分の傘を下げると、落ちていた傘を手に取り小首を傾げた。だって不思議だったのだ。開かれた傘。今は雨が降っている。……持ち主の方はどうしているのでしょう?
きょろりと周囲を見渡す。そして仰天した。
「尚輝先生!」
視線の先には寝子高教師の
五十嵐 尚輝
の姿。傘もささずに木の根元の地面をいじっている。時子は自分の傘は放り出し、落ちていた傘をそのままさしながら慌てて駆け寄った。
「先生、何なさっているんですか!? 濡れてしまいますよ」
そう言ってすぐに傘を差し出す。尚輝が立ち上がり申し訳なさそうに濡れた頭を擦った。
「いや、今微生物の採取をしてまして……ここら辺の土は採っていなかったものですから」
「駄目ですよ、先生。お体は大切にしないと」
時子はハンカチを出し尚輝の濡れた頭を拭いてやる。「いや大丈夫ですよ」と言っていた尚輝が「あ」とその口を止めた。
「御巫さん」
「はい?」
「おはようございます」
時子は拭く手を止め、一瞬きょとん。けれどすぐにその頬を朱に染めながら極上の笑顔を見せた。
「おはようございます、尚輝先生」
―――結局。傘はやっぱり尚輝の物で、2人は暫くその傘をさしながら歩くのだが……今度は時子が自分の傘を置き忘れたのを思い出すのは、もう少し先だ。
(ふむ。紫陽花が雨に濡れるのはやはりいいな)
朝から真剣な顔でスケッチをするのは
旅鴉 月詠
だ。外野は何だか賑やかだが、彼女は全くもって頓着していない。シャッシャッと鮮やかに手を走らせている。
色を付ける。淡く。濃く。自身の感性の赴くまま。6月の美しい紫陽花が、彼女を通して再構築され、もう1度絵の中で咲き誇るのだ。
「よし」
自分のスケッチブックを見て満足そうに頷くと月詠は立ち上がる。そして学校へと続く道に視線を移すと、その紅い瞳が愉快そうに輝いた。
寄り添いながら楽しそうに話す者。雨も気にせず黙々とスマホを弄る者。傘をさしながら相手を慈しむように拭いてやる者。
それぞれの傘の下、それぞれの世界。だからこそこの世界は面白い。
月詠は悠然とスケッチブックを構えると、また手を走らせ始めた。留めなくては。この瞬間を。
自身の白衣が濡れ始めるのにも気付かず、月詠はスケッチを続ける。寝子島の6月が今、月詠の手の中にある。
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担当ゲームマスター
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グリーンシナリオ(0)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
64人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年11月30日
参加申し込みの期限
2019年12月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年12月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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