【中間テスト】居眠り厳禁！　ペンを離すな！｜リアクション

【中間テスト】居眠り厳禁！　ペンを離すな！

●楡宮遠海の場合
　中間テスト。四日目。家庭科。
　楡宮遠海は方向音痴だ。それも、ただの方向音痴ではない。絶望的なほどの方向音痴なのである。
　ゆえに、彼女は一学期の中間テストでは道に迷って遅刻しかけた。
　さらに言うと、期末テストでは奇妙な出来事のせいで、夏休みに補習を受ける羽目にもなった。
　なので、今回は無事に試験を受けられているだけでも進歩とは言えるが――。
（今回の試験は一学期のリベンジよ……！　絶対に赤点なんて取らないわ……！）
　遠海は、いつになく気合を入れて、今回の中間試験に挑んでいた。
（勉強のし過ぎで、この三日間も何度も居眠りしかけたけど、なんとか乗り切った……！）
　残すところは、あと今日一日のみ。
　そう思うと、俄然、気合も入ってくる。
　しかも、家庭科はハッキリ言って得意教科だった。
　実際、これまで以上に解答もスラスラと頭に浮かび、徐々に遠海の心に油断が生まれてくる。
　だが、それがいけなかった。
（……あ……れ……なん……だか……眠……く……）
　ここに来て、最大級の眠気が遠海を襲ってきた。
　平素であれば、答えはすぐに浮かぶはずなのに、眠気が邪魔をして答えをなかなか思い出せない。
（ぐ……駄目よ……ここまで来たら……あと少し……）
　それでも、なんとか遠海は全ての問題に気合で解答してみせた。
　その気合は、年頃の少女のものにしては、規格外というべきものだった。
　寝ぼけまなこで回答した後半は自信がなかったが、前半は自信があるので赤点ということはないだろう。
　残り時間15分。
（……もう……だめ……ぐぅ……）
　遠海は、死んだように机に腕を突っ伏し、残り15分の間、つかの間の惰眠を全力で貪るのだった。

　余談だが、この後、まだ眠たかった遠海は軽めの食事をとるために、食堂でかけそばと素うどんを各々５杯ずつ食べた。
　遠海の本当に『規格外さ』は、気合ではなく、その食欲にあったようである。

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あとがき

担当マスター：水月鏡花
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というわけで、試験お疲れ様でした。MSの水月鏡花です。

いやはや。中間試験、懐かしい響きですよね。

高校の中間試験など、かれこれウン十年前の話である水月にとっては、すでに記憶も薄れて想像による部分がほとんどだったのですが、無事にお楽しみいただけたでしょうか。

今回も、試験に対する、PL・PCの皆さんの熱い想いが伝わってくる素晴らしいアクションでした。試験中、試験休みに何のゲームで遊ぶかしか考えてなかった水月とは大違いです。皆さん真面目！

だいたいそんな感じ。

では、最後になりましたが、ご参加頂いた皆様と「らっかみ！」に関わる全ての皆様に感謝を。

それでは、また次回のあとがきでお会いできることを祈って。

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