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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
dive into …… ～いざ、絵の中の世界へ！～
★彼女の世界を知りたくて（月影 欠る）
絵の中に入れると聞いて、「じゃあこれがいいな」と欠るが取り出したのは１枚の画用紙。
「ねえ、これなんの絵かわかる？」
欠るに問われて、睦（むつ）は頭に大きなクエスチョンマークを浮かべ、首を傾けた。
「地面に、棒が沢山刺さっているように見えますが……正解は何ですか？ 欠る殿」
「……やあ、ぼくもよくわかんないけど……」
表情の変化は殆ど窺えないが、欠る的には、苦笑いをしたつもり。
何せ欠るが広げた絵は、何を描いたのか推察することすら難しいような出来なのだった。
「どなたが描かれた絵なんですか？」
「これはね、さっきひろったんだ。だから、だれが描いたのかもわかんないや」
でもね、と欠るは続ける。
「この絵、妹がかく絵になんとなく似てるんだ」
「……この絵が、ですか？」
「そうだよ。双子だからわかるでしょって言われて、時々こまるんだよね……」
「それは……大変ですね」
「うん。だから調べようとおもって」
似た絵のことがわかれば、妹の絵のことも何かわかるかもしれない。
見目には無表情＆ローテンションだが、欠るは、そんな想いを胸に抱いていた。
睦が、ふふりと笑う。
「欠る殿は妹想いなんですね。では早速、絵の中の世界にご案内いたします！」
◇
「わあ、全部絵のまんまだあ。すごい」
語尾にエクスクラメーションマークこそ付かないものの、欠るの感嘆は本物だ。
へんてこな世界をきょろきょろと見渡していると、棒みたいな何かが欠るに近寄ってきた。
（こうしてよく見るとけっこうカラフルなんだ）
なんて、棒的なものを観察していると、
「……ちは」
と、棒的なものから声が聞こえた、ような気がした。
「え？ なんか言ってる……？」
じっと黙って、耳を澄ませてみる。棒的なものは、
「こんにちは」
と言っているようだった。
「あいさつしてる……じゃあこの棒は、にんげん？」
この棒的なものが人間を表しているのなら、絵の中の世界に詳しいかもしれない。
そう思った欠るは、少し離れたところにある、動かない別の棒を指差した。
「あっちの動かない棒はなんだろ？ ねえきみ、あれはなに？」
「こんにちは。こんにちは」
「……もしかして、『こんにちは』としかしゃべれないの？」
返る言葉は、やっぱり、「こんにちは」だ。
仕方がないと、欠るは、動かない棒に近付いてみた。
「この棒は動かないし、話しかけてもこないなあ……ねえ、きみは何なの？」
駄目で元々と話しかけてみれば、
「木だよ」
と、どっしりとした声で棒が言った。
「しゃべった。木……木かあ……」
まじまじと『木』を眺めながら、欠るは思う。
（やっぱり、妹の絵に似てるや。この世界のことがわかったら、妹の絵のこともわかる気がする）
ならば、冒険あるのみ！ だ。
欠るは、世界の中に棒を見つけては、そちらへ向かい、声をかけてみた。
例えば、短い棒達がわちゃわちゃしているのに、
「きみたちは何？」
と尋ねてみれば、「猫だよ」と返る声。
「ねこ……たしかに、色合いはねこっぽい……かも……？」
はたまた、地面に横たわる青色の長い長い棒に、
「きみって何なの？」
と声を投げれば、「川だよ」と棒は応じる。
「川……言われてみたら、わからなくはない……かなあ？」
そういう具合で、欠るはどんどんと棒達の謎を解き明かしていった。
「いっぱい色んなものを描いてるんだなあ」
色合いは妹の絵の方が好きだけれど、彼女もこんなふうに世界を描いているんだろうな、と思う。
妹が懸命に絵を描く姿を思い浮かべると、何だか、心がふわふわとあたたまるような気がした。
（あと話してない棒はどれだろ？ あ、そういえば……）
最初の棒が近寄ってきた時、隣にもう一本棒があったのを、欠るは思い出す。
「あれがさいごかな。ん、いたいた」
その棒は、やっぱり、最初の棒と一緒にいた。
欠るの目元が、ごくごく仄かに、和らぐ。
「ねえ、ぼく、きみがなんなのかはわかるよ」
「……」
棒は、まだ答えない。
「きみは、さいしょの棒とともだちか、おやこか、きょうだいか……とにかく、なかよしなんだよね？」
「いつも、一緒！」
棒が言う。
欠るは少し、胸を張った。
「ほらね、やっぱりそうだった。これでこの絵にかいてあるもの、ぜんぶわかったよ」
帰ったら、妹に絵を見せてもらおう、と欠るは、彼だけの笑い方でふわりと微笑む。
（きっと、びっくりするだろな）
その時の妹の顔を見るのが、今からとても、楽しみに思えた。
絵の中に入れると聞いて、「じゃあこれがいいな」と欠るが取り出したのは１枚の画用紙。
「ねえ、これなんの絵かわかる？」
欠るに問われて、睦（むつ）は頭に大きなクエスチョンマークを浮かべ、首を傾けた。
「地面に、棒が沢山刺さっているように見えますが……正解は何ですか？ 欠る殿」
「……やあ、ぼくもよくわかんないけど……」
表情の変化は殆ど窺えないが、欠る的には、苦笑いをしたつもり。
何せ欠るが広げた絵は、何を描いたのか推察することすら難しいような出来なのだった。
「どなたが描かれた絵なんですか？」
「これはね、さっきひろったんだ。だから、だれが描いたのかもわかんないや」
でもね、と欠るは続ける。
「この絵、妹がかく絵になんとなく似てるんだ」
「……この絵が、ですか？」
「そうだよ。双子だからわかるでしょって言われて、時々こまるんだよね……」
「それは……大変ですね」
「うん。だから調べようとおもって」
似た絵のことがわかれば、妹の絵のことも何かわかるかもしれない。
見目には無表情＆ローテンションだが、欠るは、そんな想いを胸に抱いていた。
睦が、ふふりと笑う。
「欠る殿は妹想いなんですね。では早速、絵の中の世界にご案内いたします！」
◇
「わあ、全部絵のまんまだあ。すごい」
語尾にエクスクラメーションマークこそ付かないものの、欠るの感嘆は本物だ。
へんてこな世界をきょろきょろと見渡していると、棒みたいな何かが欠るに近寄ってきた。
（こうしてよく見るとけっこうカラフルなんだ）
なんて、棒的なものを観察していると、
「……ちは」
と、棒的なものから声が聞こえた、ような気がした。
「え？ なんか言ってる……？」
じっと黙って、耳を澄ませてみる。棒的なものは、
「こんにちは」
と言っているようだった。
「あいさつしてる……じゃあこの棒は、にんげん？」
この棒的なものが人間を表しているのなら、絵の中の世界に詳しいかもしれない。
そう思った欠るは、少し離れたところにある、動かない別の棒を指差した。
「あっちの動かない棒はなんだろ？ ねえきみ、あれはなに？」
「こんにちは。こんにちは」
「……もしかして、『こんにちは』としかしゃべれないの？」
返る言葉は、やっぱり、「こんにちは」だ。
仕方がないと、欠るは、動かない棒に近付いてみた。
「この棒は動かないし、話しかけてもこないなあ……ねえ、きみは何なの？」
駄目で元々と話しかけてみれば、
「木だよ」
と、どっしりとした声で棒が言った。
「しゃべった。木……木かあ……」
まじまじと『木』を眺めながら、欠るは思う。
（やっぱり、妹の絵に似てるや。この世界のことがわかったら、妹の絵のこともわかる気がする）
ならば、冒険あるのみ！ だ。
欠るは、世界の中に棒を見つけては、そちらへ向かい、声をかけてみた。
例えば、短い棒達がわちゃわちゃしているのに、
「きみたちは何？」
と尋ねてみれば、「猫だよ」と返る声。
「ねこ……たしかに、色合いはねこっぽい……かも……？」
はたまた、地面に横たわる青色の長い長い棒に、
「きみって何なの？」
と声を投げれば、「川だよ」と棒は応じる。
「川……言われてみたら、わからなくはない……かなあ？」
そういう具合で、欠るはどんどんと棒達の謎を解き明かしていった。
「いっぱい色んなものを描いてるんだなあ」
色合いは妹の絵の方が好きだけれど、彼女もこんなふうに世界を描いているんだろうな、と思う。
妹が懸命に絵を描く姿を思い浮かべると、何だか、心がふわふわとあたたまるような気がした。
（あと話してない棒はどれだろ？ あ、そういえば……）
最初の棒が近寄ってきた時、隣にもう一本棒があったのを、欠るは思い出す。
「あれがさいごかな。ん、いたいた」
その棒は、やっぱり、最初の棒と一緒にいた。
欠るの目元が、ごくごく仄かに、和らぐ。
「ねえ、ぼく、きみがなんなのかはわかるよ」
「……」
棒は、まだ答えない。
「きみは、さいしょの棒とともだちか、おやこか、きょうだいか……とにかく、なかよしなんだよね？」
「いつも、一緒！」
棒が言う。
欠るは少し、胸を張った。
「ほらね、やっぱりそうだった。これでこの絵にかいてあるもの、ぜんぶわかったよ」
帰ったら、妹に絵を見せてもらおう、と欠るは、彼だけの笑い方でふわりと微笑む。
（きっと、びっくりするだろな）
その時の妹の顔を見るのが、今からとても、楽しみに思えた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年09月30日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年10月07日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年10月07日 11時00分
