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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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dive into …… ～いざ、絵の中の世界へ！～
★私のホワイト・ナイト（御巫 時子）
「妖術の鍛錬大変ですね。私で良ければ協力しますよ」
おっとりと笑んでの時子の言葉に、
「時子殿、ありがとうございます！」
と、睦（むつ）が明るい笑みを零す。
「えっと、では、ダイブしたい絵を……」
「あっ、睦さん」
「？ 何ですか？」
首を傾けて、きょとり、瞳を瞬かせる睦。そんな睦へと、
「実は……一緒に、絵の中の世界にダイブしたい人がいるんです」
と、時子は、はにかむような微笑をかんばせに乗せて、言った。
◇
「本当に、すごいマジックですね」
長閑な丘の上、五十嵐 尚輝先生は、ほうと感嘆混じりの息を吐く。
「……いや、もしかしなくてもこれは、白昼夢というやつでしょうか。でも、一体どこから……」
「どうでしょうね。いずれにしても、私は、先生とこの場所に来られて嬉しいです」
首を捻る五十嵐先生に、時子は、ふんわりと笑みを向けた。
睦と共に、実験室に残っているはずの五十嵐先生の元へと向かった時子。
不思議な現象に疎い五十嵐先生を、時子と睦は、
――この睦さんは、イリュージョンの名手なんです。ご一緒にいかがですか？
――えっと、はい！ 夢のような世界へとご案内しますっ！
という具合で、絵の中の世界へと誘ったのだった。
そして、時子が選んだ絵は――、
「きゃ……」
「っ、大丈夫ですか、御巫さん！？」
不意に、赤と白の薔薇の花弁が、嵐となって２人を包んだ。
発生と同じく突然に、花の嵐が止む。すると、
「あら？ この服装は……」
「……『不思議の国のアリス』、或いは、『鏡の国のアリス』の少女アリス、ですね」
時子が瞳を瞬かせ、五十嵐先生が言及した通り、時子はアリスに大変身。
そう、時子が用意したのは、かの有名なアリスの絵だ。
「御巫さん、よく似合っていますよ」
「ふふ、ありがとうございます。そういう尚樹先生も、よくお似合いですよ」
「……え？」
時子に指摘されて初めて、己の様子を検める五十嵐先生。
「白い甲冑……。御巫さんがアリスということは、」
「『鏡の国のアリス』の白の騎士、ですね」
「まあ、僕らしいと言えばらしいかもしれません。発明と実験は近しいところもあるような気がしますし」
そう言ったあとで五十嵐先生は、
「……確か、すごくドジな男だった気がしますが……」
と、ぽそぽそと付け足した。
「でも、決闘をしてまでアリスを助けてくれる人ですよ」
時子がにっこりとした、その時。
２人のすぐ近くを、時計を手にしたウサギが、「遅刻だ遅刻だ！」と駆けて行った。
五十嵐先生が、またぽそり。
「……２つの作品が、見事に混ざってしまっていますね」
「ええと、一応、追いかけるべきでしょうか……？」
「そう、ですね……。他に当てもないですし、行ってみましょうか」
絵の中の世界を『白昼夢』だと思っているからか、与えられた役柄がそうさせるのか。
五十嵐先生は、時子の手をごく自然に、柔らかく包んだ。
繋がれた手の温度が、時子の胸をどきどきとさせる。
「ほら、こっちです」
「は、はい……！」
やがて辿り着いたのは、立派なお城。
「これは……ハートの女王のお城でしょうか？」
時子が言えば、五十嵐先生は、時子の手を握る力をきゅっと強くした。
「？ 尚樹先生？」
「ああ、すいません。ハートの女王の城だとしたら、その、物語の通りだと……」
剣呑なことになるかもしれないと思いまして、という声を、殺到する怒号が飲み込んだ。
「首をはねろ！ 首をはねろ！ 首をはねろ！」
「女王様のご命令だ！」
「アリスの首をはねてしまえ！」
トランプの兵士達が、それぞれに武器を手にして、ドタバタと駆けてくる。
「っ、御巫さん！」
五十嵐先生の声を耳にすると同時、時子は、ふわりと自分の身体が浮くのを感じた。
五十嵐先生が、時子を姫抱きにしたのだ。
「な、尚樹先生……！？」
「逃げますよ、御巫さん。夢とはいえ、生徒に危害を加えさせるわけにはいきませんから」
耳元で聞こえる声音が、凛としている。
時子がその響きにうっとりとしているうちに、五十嵐先生は時子を抱いたまま森へととび込んだ。
時子をそっと地面に降ろして、五十嵐先生が眉を下げる。
「……中々に散々な夢ですね。何だかすみません、巻き込んでしまって」
「いえ、あの……ありがとうございます、助けてくださって」
時子がぺこりと頭を下げれば、
「今の僕は、これでもアリスの――御巫さんの白の騎士ですから」
と、五十嵐先生は、ふっと口元を緩めた。
「妖術の鍛錬大変ですね。私で良ければ協力しますよ」
おっとりと笑んでの時子の言葉に、
「時子殿、ありがとうございます！」
と、睦（むつ）が明るい笑みを零す。
「えっと、では、ダイブしたい絵を……」
「あっ、睦さん」
「？ 何ですか？」
首を傾けて、きょとり、瞳を瞬かせる睦。そんな睦へと、
「実は……一緒に、絵の中の世界にダイブしたい人がいるんです」
と、時子は、はにかむような微笑をかんばせに乗せて、言った。
◇
「本当に、すごいマジックですね」
長閑な丘の上、五十嵐 尚輝先生は、ほうと感嘆混じりの息を吐く。
「……いや、もしかしなくてもこれは、白昼夢というやつでしょうか。でも、一体どこから……」
「どうでしょうね。いずれにしても、私は、先生とこの場所に来られて嬉しいです」
首を捻る五十嵐先生に、時子は、ふんわりと笑みを向けた。
睦と共に、実験室に残っているはずの五十嵐先生の元へと向かった時子。
不思議な現象に疎い五十嵐先生を、時子と睦は、
――この睦さんは、イリュージョンの名手なんです。ご一緒にいかがですか？
――えっと、はい！ 夢のような世界へとご案内しますっ！
という具合で、絵の中の世界へと誘ったのだった。
そして、時子が選んだ絵は――、
「きゃ……」
「っ、大丈夫ですか、御巫さん！？」
不意に、赤と白の薔薇の花弁が、嵐となって２人を包んだ。
発生と同じく突然に、花の嵐が止む。すると、
「……『不思議の国のアリス』、或いは、『鏡の国のアリス』の少女アリス、ですね」
時子が瞳を瞬かせ、五十嵐先生が言及した通り、時子はアリスに大変身。
そう、時子が用意したのは、かの有名なアリスの絵だ。
「御巫さん、よく似合っていますよ」
「ふふ、ありがとうございます。そういう尚樹先生も、よくお似合いですよ」
「……え？」
時子に指摘されて初めて、己の様子を検める五十嵐先生。
「白い甲冑……。御巫さんがアリスということは、」
「『鏡の国のアリス』の白の騎士、ですね」
「まあ、僕らしいと言えばらしいかもしれません。発明と実験は近しいところもあるような気がしますし」
そう言ったあとで五十嵐先生は、
「……確か、すごくドジな男だった気がしますが……」
と、ぽそぽそと付け足した。
「でも、決闘をしてまでアリスを助けてくれる人ですよ」
時子がにっこりとした、その時。
２人のすぐ近くを、時計を手にしたウサギが、「遅刻だ遅刻だ！」と駆けて行った。
五十嵐先生が、またぽそり。
「……２つの作品が、見事に混ざってしまっていますね」
「ええと、一応、追いかけるべきでしょうか……？」
「そう、ですね……。他に当てもないですし、行ってみましょうか」
絵の中の世界を『白昼夢』だと思っているからか、与えられた役柄がそうさせるのか。
五十嵐先生は、時子の手をごく自然に、柔らかく包んだ。
繋がれた手の温度が、時子の胸をどきどきとさせる。
「ほら、こっちです」
「は、はい……！」
やがて辿り着いたのは、立派なお城。
「これは……ハートの女王のお城でしょうか？」
時子が言えば、五十嵐先生は、時子の手を握る力をきゅっと強くした。
「？ 尚樹先生？」
「ああ、すいません。ハートの女王の城だとしたら、その、物語の通りだと……」
剣呑なことになるかもしれないと思いまして、という声を、殺到する怒号が飲み込んだ。
「首をはねろ！ 首をはねろ！ 首をはねろ！」
「女王様のご命令だ！」
「アリスの首をはねてしまえ！」
トランプの兵士達が、それぞれに武器を手にして、ドタバタと駆けてくる。
「っ、御巫さん！」
五十嵐先生の声を耳にすると同時、時子は、ふわりと自分の身体が浮くのを感じた。
五十嵐先生が、時子を姫抱きにしたのだ。
「な、尚樹先生……！？」
「逃げますよ、御巫さん。夢とはいえ、生徒に危害を加えさせるわけにはいきませんから」
耳元で聞こえる声音が、凛としている。
時子がその響きにうっとりとしているうちに、五十嵐先生は時子を抱いたまま森へととび込んだ。
時子をそっと地面に降ろして、五十嵐先生が眉を下げる。
「……中々に散々な夢ですね。何だかすみません、巻き込んでしまって」
「いえ、あの……ありがとうございます、助けてくださって」
時子がぺこりと頭を下げれば、
「今の僕は、これでもアリスの――御巫さんの白の騎士ですから」
と、五十嵐先生は、ふっと口元を緩めた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2019年09月30日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年10月07日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2019年10月07日 11時00分
