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【演劇祭】劇団・鰤梨蒼人「招猫館殺人事件」
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●開演
多くの人々が住む街から少し離れた場所にその屋敷はあった。招猫館。藤堂寅太郎という家主が住む邸宅である。
その日は特別な日だった。
寅太郎の令嬢が女学校へ進学したことを祝うパーティーが催されていた。地元の有力者や著名人も招かれ、賑わいを見せている。頃合をみて寅太郎は皆の前に姿を現した。
「このたびは我が娘、舞のためにお越しいただき、誠にありがとうございます」
大きな拍手が起こる。
「ほら、舞。こちらに来てご挨拶を」
そう手招かれて、舞は寅太郎に近づく。ただ歩いているだけなのに気品を感じさせる。白を基調とした衣装が今日の主役であることを殊更に印象づける。
「本日は私の進学祝いに集まっていただき、感謝しかありません。どうぞ楽しい時間をお過ごしください」
ふたたびステージは拍手に包まれる。その様子を蒼留人や美野梨も眺めていた。蒼留人は書生として最低限失礼の無い格好なのに対して、美野梨は赤を基調とした衣装を身にまとっている。ただ全体的に地味な印象で、舞を際立たせている。2人の挨拶を終え、パーティーは和やかな雰囲気のまま続いた。
そして楽しい時間は流れ、午後8時を過ぎるころに終わりを迎えた。皆が帰る支度を始める。しかし外は雨が降っており、濡れはしないかと気にしているようだ。ブリジットは家の者が迎えに来るまでの間、舞と一階のホールで談笑していた。
「進学本当におめでとう。これから新しい生活ね」
「ええ、藤堂の名に恥じない生活を心がけるわ」
そんなことを話していたら二階からメイド姿のマーガレットがひどく焦った様子で駆け下りてきた。何事かと思っていると今度は何かに強くぶつかる音が聞こえてきた。音の出所はおそらく二階。2人は心配になり、階段を駆け上る。すると書斎のドアが開いており、そのなかを確かめようと覗き込んだ。
そこには、血を流して倒れている寅太郎と、ペーパーナイフを握って佇む蒼留人の姿があった。
目の前に広がるあまりに非現実的な光景に、舞はその場で気を失ってしまった。同じように集まってきた人々も言葉が出てこない。そのなかには美野梨の姿もあった。
パーティーの華やかさから一転。館は殺人事件の現場となってしまった。
ここからでは連絡手段が限られている上に、外の雨ゆえに警察の到着はしばらくかかりそうだ。ひとまず残った全員を一階のホールに集めて、事件現場から遠ざける。ブリジットが探偵としての名声から、一時的に現場の指揮を執った。
まず第一発見者であるマーガレットと蒼留人から話を聞く。
「ご主人様は書斎に戻る際に『何か飲み物を頼む』とおっしゃられて。それを持っていったら、うめき声が聞こえました。ノックしても反応がなく、ドアの鍵も開きませんでした」
そう語りながらマーガレットはどこか具合が悪そうだった。館の主人が殺されたのだから仕方がないのかもしれない。そこに蒼留人が助け舟を出すように補足を入れる。
「鍵がかかっていることは俺も確認しました。それで鍵穴を覗いたら、寅太郎氏が安楽椅子でぐったりしていて……。すぐにメイドに合鍵を持ってくるように頼んだんですが、待ちきれずドアを壊しました」
「そこで寅太郎氏の死体を発見した、ということですね?」
「はい」
「そして、凶器であるペーパーナイフを手にしているところを舞たちに発見された」
「それは誤解です! 咄嗟に拾い上げただけです!」
彼はカーペットを指差しながら声を荒げた。このペーパーナイフは蒼留人の私物であることは確認できている。また、舞とその友人も血の付いたナイフを持っている蒼留人を目撃した。舞はショックのあまりその場で卒倒してしまったほどだ。その後寝室で目を覚ました彼女はここまで来たものの、椅子に座ったまま状況についていくのに精一杯のようだ。
ブリジットは見落としがないように情報収集や人々の観察を行っていた。
そうしているうちに、この館にまつわる様々な事情を垣間見ることができた。
寅太郎と蒼留人の間で諍いが起こっていたこと。舞と蒼留人の仲が良すぎることに寅太郎は不快に思っていたこと。それが原因で、蒼留人への援助を打ち切り館から追い出すのではないかという噂が立っていたこと。これらの話から蒼留人への疑惑が一層深まる。
「やはり君が犯人なのだろう?」
「だから違います!」
「雨が止んだら警察に……」
もうその場に居る人々は蒼留人が犯人であることに疑念を抱いていない。ただ一人を除いて。
「それは、ちょっとおかしいんじゃないかしら?」
ブリジットは一歩前に踏み出すと、そう切り出した。周囲の視線が彼女に集中する。
「何が違うっていうのかね!?」
「この男がナイフを持っていたんだろ!?」
思わず来客たちはそう反応した。その声に対して、ブリジットは冷静に言葉を続ける。
「詳しいことは現場を見ながら説明しましょう」
そう言うと、先導するように全員で現場近くへ移動する。そこは最初に発見されたときのまま、寅太郎が安楽椅子に静かに座っている。
「そもそも、自分しか持ってないナイフで犯行に及ぶかしら? まるで自分が犯人ですと自白しているようなものだわ。それに、彼には返り血を浴びた様子が見られない。これは不自然よ」
ブリジットは彼に近づくと服を見ながらそう話す。そして悠々と歩きながら、今度はマーガレットの前に立つ。
「ところでメイドさん。確認したいのだけど、寅太郎氏は何か病気を患っていたのでは?」
「え、ええ……。ご主人様は心臓を悪くしておられて、常に薬を携帯されていました。どこで発作が起きてもすぐに飲めるように」
「なるほど。ありがとう」
すると安楽椅子の近くまで歩いていく。そしてある一点を指差した。
「ここに何かの粒が落ちているのが分かるかしら? 血で赤くなっているけれど」
「たしかにありますが……それはいったい……?」
「これは薬よ。おそらく発作が起きたときに落としたんでしょう」
「ではご主人様は殺されたのではなく、病死したと……?」
「死因はそうかもしれないわ。でも、その体にナイフを突き立てた人物がいる。つまり犯人はナイフの持ち主である彼に罪を着せようとしたのね。この事件の真犯人は、そう……」
言葉を溜めてから、ある人物を指差した。
「メイドさん、貴女よ!」
「わ、私!? ちょ、ちょっと待ってください」
「貴女は寅太郎氏を殺害した後、あらかじめ持っていた合鍵で外から鍵を掛けた。そして書生にうめき声が聞こえたと言って、いちど一階へ駆け下りた。そうすることで異変が起きたことを印象付けたのよ」
メイドのマーガレットはブリジットの指摘に反論する。
「違います! 私じゃありません! いい加減無いこといわないでください、このへっぽこ探偵!」
「へ、へっぽこ!? 誰がへっぽこよ!!」
(そんなセリフないでしょ!!)
このままだと緩慢な空気になりそうな状況で、ふと舞が思ったことを口にした。
「あの、探偵さん。父は病死していたのですよね? でしたらうめき声は聞こえないのでは……」
一瞬、場が静まる。
発作が起こっていたことは遅かれ早かれ判明しただろう。そう考えると、メイドがそんな行動を取る理由がない。
「こほん……真相はこうよ」
ブリジットはわざとらしく咳払いをすると話を切り替えるように口を開いた。
「犯人は寅太郎氏を殺害した後、書生に罪を着せる為に偽装工作をしていたはず。もちろん内側から鍵をかけてね」
かつかつと足音を立てながら、ステージ上でゆっくり移動する。
「しかし予想外に難儀してしまい、その途中でメイドが来てしまった。メイドが聞いたといううめき声はおそらく犯人の声。脱出の機会を失った犯人は部屋で息を潜め、書斎に人が集まり混乱するなかに、自分も今来たように紛れ込んだ」
そしてマーガレットはある人物の前で立ち止まる。そして高々と腕を掲げると、その指先を突きつけた。
「何か違うかしら、美野梨さん」
ステージ上の視線が美野梨に集中する。彼女を含めた全員が戸惑いをあらわにする。
「まさか、美野梨様が……?」
「違います! 言いがかりはやめてください!」
「言いがかりではないわ。証拠もあるの」
話しながら寅太郎の遺体にブリジットは近づいた。
「寅太郎氏が刺されたとき、当然彼の血が飛んだはず」
「でもご主人様は病死なのでしょう? それなら血は止まっているのでは……」
「メイドさん、少し違うわ。もし発作の直後に刺されたとしたら? そんな短い間に全身を巡る血が完全に止まるとは考えにくい。だから犯人は返り血を浴びたはず。もちろんその対策はしていたでしょうけど」
ブリジットは歩みを進めると、美野梨の着ている衣装に目を向ける。
「貴方の衣装、静かな赤で綺麗ね」
「え?」
「だけど、どこか地味な印象だわ。
おそらく主役の舞さんを際立たせつつ、寅太郎氏の娘として相応しいものを選んだんでしょう」
「そうですけど、それがなにか……?」
「先ほども言ったけれど、犯人は偽装工作に難儀した。その結果、あることを見落としたのよ」
「あること?」
「そう。……美野梨さん、貴方の衣装、分かりにくいけれど裾の一部が黒ずんでいるわね」
「え?」
そこに視線を向けようとするが、確認できず大きく布地を動かした。すると確かに黒ずんだ部分があった。普通に過ごしていたら見えない死角に。
「貴方がパーティーにいたときには、そんな染みはなかった。刺したときに衣装が翻ったんでしょう。さて、その染みの正体、答えてもらえるかしら?」
「こ、これは……」
「それはおそらく寅太郎氏の返り血。他に弁明があるかしら? 調べればわかることよ」
「……うぅ……」
美野梨はその場にへたりこんだ。そして、ゆっくりと上を向きながら口を開いた。
「そうよ、私よ。私が刺したの」
その声は、諦めを含んだ切ないものだった。
「お父様は私と母のことなど、なんとも思っていなかったわ……母が、どれほど苦労したことか」
言葉の端々に無念と怨恨が込められている。沈み気味な表情のまま、蒼留人のほうを見つめる。
「響だって、仲間だと思っていたのに舞に見とれて、私のことなど……」
彼女は嗚咽を押さえ込むように話を続けた。彼女は蒼留人の過去を父に告げ口したところ、彼はむしろその行為に激昂した。その際に発作を起こし、すぐに薬を飲んだ。しかし薬は効かず美野梨はそのまま見殺しに。
あとは探偵の読み通り、ペーパーナイフで刺した後、偽装工作を行っていたがメイドが来た為に急遽部屋の中に身を潜めて、混乱に乗じて合流したという。
「詳しいことは警察で話してもらうわ」
「……ええ」
雨は降り続ける。まるで美野梨の心を代弁するように。
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星織遥
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
推理・サスペンス
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年09月17日
参加申し込みの期限
2019年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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