ずばっと解決！　生徒会疾風伝！｜リアクション

ずばっと解決！　生徒会疾風伝！

◆ずばっと解決開始！

　生徒会室では、呉井陽太、志波武道、八神修、八重崎五郎八の四人が集まって目安箱を囲んでいた。

「先ずは御開帳と行きますか」

　五郎八が音頭を取って目安箱を開ける。すると中から封筒がざーっと滑り落ちていった。それを開封しながら、武道、修、陽太は口元を緩めた。

「嬉しいね、こうして入れてくれるのって」
「俺達を頼ってくれるのは嬉しいな」
「だねぃ。で、どうしよっか」

　その中身が一つ一つ読み上げられると、書記である五郎八が内容をボードに書き連ねる。一通りまとめ終えると、今度は分担を決めることになった。

「俺は出来る限り解決したいな。持ち越し案件がないようにしたい」
「さすが。私に出来そうなのは……この辺かな？」

　修は全てに関わると決め、五郎八は何個かに絞る。相談を聞くだけでなく、現実的な解決も必要だ。武道はボードを俯瞰して唸った。

「幾つか調整が必要なのもあるか……」

　それから解決のためにある程度手続きが必要なものを見つけると、そのために書類を書き始める。具体的にどうするか、生徒会の面々は頭を悩ませた。

「ちょっと休憩しようよぅ」

　陽太の一声で、全員がふっと息を吐いた。お茶を淹れてほっとしていると、五郎八がカバンから可愛らしい包みを取り出す。

「あ、これ差し入れの金平糖」

　パカっと容器を開くと、中でころころと砂糖でできた星がぶつかり合う。

「実家から送って来たやつだけどよかったら食べてねー」
「ありがとありがとっ！」

　金平糖をつまみながら方針を固めると、最初に修が立ち上がった。

「それじゃあ俺、行ってきます」
「オレもいくわー」
「いってらっしゃい！　俺はお手紙に……」

　続いて陽太も後を追う。武道は手を振りながらペンを執ったが、その瞬間、出て行ったはずの陽太がひょっこりと戸から顔を出した。

「講堂か体育館……無理なら空き教室を借りられないか聞いといてー」
「了解だぜぃ！」

　武道の声の後にがらりと音がして扉が閉まる。忙しくなりそうだ。

『俺もお財布ピンチ☆』

　昼休みの教室でお腹を鳴らした野菜原ユウが封筒を開く。小銭か紙幣が入っていないか期待に膨らんだ心は、中のお茶目な文面を見て一気に萎んだ。ユウは顔をしわしわにして空腹の胃を押さえる。

「そんな！」
「まあまあ。食堂でユウ君の好きな定食注文していいよぅ」

　が、すかさず挟まれた陽太の提案にしわしわの顔が戻った。食堂でＡ定食をもぐもぐ食べると、満足そうに腹をさする。ユウは暫し満足したが、ふとあることを思い出してまたしわしわ顔に戻る。

「明日どうしよう……」
「俺の弁当あげるよ」

　今度は修が写真を見せる。昼食にするには豪勢なサンドイッチの写真だった。ユウはそれに目を輝かせ、ごそごそとポケットを探る。

「すげー！　あ、お、お礼……」
「お礼？　じゃあ放課後付き合って」

　それからユウはぺこぺこと頭を下げ、礼の言葉を言っている。これでユウの願いは解決だ。陽太と修はユウと別れ、職員室へ向かった。

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