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クリスマスを阻止!? ハロウィンの逆襲
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また一人、世界に取り込まれた。
旅鴉 月詠
は被ったカボチャで素顔を隠している。釣り目のような切れ込みの奥にある、赤い眼で周辺を眺めた。それでいて白くて長い髪を無造作に出していた。
「クリスマス成分が足りていないようダナ。作り出せる環境にはある、カッ」
身なりに相応しい口調で緑のマントを翻す。
落ちていたリースを手に取った。飾りも拾って手早く取り付ける。
「あれダナ」
横倒しのクリスマスツリーを起こした。適当な枝にリースを吊るす。ベルや星を取り付けた。クリスマス一色に染まらないようにカボチャや幽霊を添えた。
少し離れたところで全体を眺める。
「ハロウィンとクリスマスの共存ダネ」
次に大きな円卓に向かう。倒れていた椅子を順に起こしてゆく。その過程で置かれたアドベントカレンダーに目がいった。全ての窓が開いていた。
「空っぽダナ」
月詠は大地を眺める。散乱した菓子の種類を見定めるような目付きとなった。
目が一点で止まる。足早に行くとマントの端を掴んで持ち上げた。簡易的な袋として利用。選び出した菓子を収めていった。
十分な数を揃えると円卓に引き返した。開いた窓にコウモリ型のキャンディやテディベア型のチョコレートを一緒に詰め込んでいく。
「お菓子もいいけど、メインの料理がないとネ」
今度は大型冷蔵庫の元に走る。左右の扉を同時に開けると圧倒的な量の食材が露わになった。白い霧のような冷気が溢れ出る。
一瞬、身を震わせた。視線が下方に向かう。本体から伸びた挿し込みプラグは大地に突き刺さっていた。
「なんでもアリカー」
その言葉の通り、ありとあらゆる物が揃っていた。
システムキッチンがあった。ドーム型の石窯は少し離れたところに見える。ミシンの傍にはロール状の生地が山のように積まれていた。空箱が集まるところには菓子や玩具が出番を待っている。
月詠は軽く袖を捲って、やるゾー、と気合を入れた。
大きな円卓に完成した料理が並ぶ。フライドチキンは三枚の皿に収まった。大皿にはローストされたターキーが鎮座してソテーした野菜が取り囲む。
ジャガイモを原料にしたパンケーキは何枚も重ねられた。一個のリンゴを丸ごと使ったキャラメルアップルは中心に棒が刺してあり、中程の小さなリボンの飾りが愛らしい。
マルゲリータは石窯で作った。鮮やかなトマトと蕩けたチーズが絶妙に混ざり合う。
飲み物も用意した。濃い紫色のコップはグレープジュース。他にはオレンジジュース、トマトジュースと幅広い。
プレゼントの箱は一カ所に集めた。リボンでラッピングして見た目は華やかである。
「幾つかはびっくり箱だけどネ」
「あー、カボチャさんだぁ」
曖浜 瑠樹
がウサギの耳を弾ませて走ってきた。追い掛けるようにして
白 真白
が続く。被っていたフードに付いた耳は同様のウサギであった。
「コンニチハ。ジャックドサンタです」
被っていた赤いとんがり帽子を脱いで一礼した。
「カボチャさんじゃないの?」
「どう見てもカボチャさんなんだけど」
遅れてきた真白は瑠樹と同じように月詠の姿を見詰めた。
「お探しのカボチャヘッドではなくて別カボチャです。ここで出会ったのも何かの縁、ハロウィンとクリスマスを合わせたパーティーを始めましょう」
「揚げ物があるよぉ」
円卓を見て瑠樹の口元が緩む。
その時、真白は別の方向を見ていた。
「……あれってミシンだよね。サンタの衣装を作りたいんだけど、いいかな」
「お手伝いしましょうかね。色は?」
「赤と白だとハロウィンらしくないから、茶色と黒はどうかな」
「オ、オレも、やるよぉ」
瑠樹は円卓から目を引き剥がし、柔らかそうな頬をプルプルと震わせた。
早速、作業に取り掛かる。月詠は型紙を使わず、いきなり生地を裁断した。それを真白がミシンで縫い合わせる。瑠樹はカボチャのアップリケを作った。
最後の仕上げは月詠で瞬く間に人数分の衣装を完成させた。茶色と黒のハロウィン仕様のサンタ服を着て三人は円卓を囲んだ。
「パーティーを始めよう!」
月詠の一言に二人は興奮した様子で応える。
「どちらのお祭りも楽しむんだよぉ!」
「そうよ。楽しんだ者勝ちよ!」
真白は切り分けられたピザを摘まんで齧る。伸びるチーズを吸うようにして食べた。
「美味しい!」
「そりゃ、どーも」
月詠はギザギザに切り取られた口の部分に一口大のパンケーキを入れた。飲み物は長いストローで対応した。
「リンゴ飴も甘酸っぱくておいしいよぉ」
「言い方が和風だ」
月詠はパンケーキを小皿に載せた。すっと真白に差し出す。
「よくわかったね」
「視線を感じたもので」
「あー、カボチャさんだぁ」
瑠樹の声を受けて月詠は、別カボチャです、と再び答えた。
耳に入っていないのか。瑠樹は椅子から立つと、ゆっくり手招きをした。
「一緒に、ハロウィンも……クリスマスも楽しもう?」
月詠と真白は一方に目をやる。そこにジャックオランタンが浮いていた。
「ハロウィンなら……してもいいデス」
答えたものの、そこから動かない。月詠と真白は目を合わせた。
「歓迎しよう」
「私の横が空いてるよ」
真白はにこやかに言った。
ジャックオランタンはぷかぷかと流されるようにして加わった。
「遠慮はいらないネ」
月詠は数々の料理を前にして両手を広げた。
「いただくのデス」
浮いた状態でパンケーキを齧る。お、と声を上げた。近くにあったストローを咥えると一気に空になった。
「愚民にしては良いお味なのデス!」
「実は今、カボチャパイを焼いている途中でネ」
「カボチャパイ、最高なのデス!」
月詠に向かってジャックオランタンは叫んだ。
「共食いにならないのかな」
不思議そうな声で真白は最後のパンケーキを口にした。
一同は賑やかに食事を楽しむ。料理よりも甘い物に手が伸びた。
結果としてデザートが不足した。すると真白が立ち上がる。カボチャのクリームを使って簡単なケーキを作った。
「ほんのり甘くて美味しいねぇ」
「そうなのデス!」
瑠樹とジャックオランタンは競うように食べた。
真白は切り分けたターキーを野菜と一緒に口に入れる。何気なく横目でジャックオランタンを見た。全体が微かに光っている。
「カボチャさんが、輝いている?」
「そうなのデス?」
本人に自覚はなかった。穏やかな口調を耳にした真白はいきなり行動を起こした。一カ所に集められたプレゼントの箱の一つを手に取り、ジャックオランタンに差し出した。
「カボチャさん、トリックオアプレゼント!」
「ありがとうデス」
ジャックオランタンはリボンの端を咥えて引っ張った。瞬間、玩具が飛び出した。
「ちょ、なんデス!?」
「当たりダヨ」
月詠は口の辺りをナプキンで拭きながら言った。飛び出した玩具の先端には赤いとんがり帽子を被ったカボチャがプラカードを持っていた。『当たり』と書かれている。
「びっくりしたデス! でも、ハロウィンらしくて良いデス。食事も楽しくて、これで思い残すことはない、デス」
ジャックオランタンの輝きが強くなる。瑠樹は眩しそうに目を細めた。
真白は少し驚いた顔で早口となる。
「カボチャさん、どういうこと? ハロウィンは日本のお盆みたいなもので、もう帰っちゃうってこと?」
月詠は椅子から立ち上がった。円卓を回り込むようにしてジャックオランタンと向き合った。
「ハロウィンは秋の収穫祭みたいなものだ。翌日は万霊節で日本のお盆に当たる。ジャック、君はハロウィンが終わったあとにこの地に来たんだね」
「……そう、私が来た時には終わっていたのデス。この世を去って初めてのハロウィンを楽しみにしていたのに、皆はクリスマスの話で盛り上がって」
「クリスマスも初めてになるから、そっちも楽しみたかったんだよねぇ」
瑠樹の言葉にジャックオランタンは頷いた。輝きが一層、強くなる。
「最後は皆で楽しめたんだから良かったよね」
真白は笑顔で言った。
「そう、良かった。本当にありがとう」
光り輝くカボチャから半透明の少女が抜け出した。抜け殻となった器は大地に転がる。
白いワンピースも透けていた。スカートが波のように揺れている。その姿のまま、空へと昇ってゆく。
「皆さん、楽しいハロウィンとクリスマスをありがとう……」
「カボチャさん、また一緒に遊ぼうなぁー!」
瑠樹は空に向かって大きく手を振った。
少女は高々と昇り、太陽を凌駕する光で世界を染めた。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
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定員
10人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年03月02日
参加申し込みの期限
2020年03月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年03月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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