シナリオ「クリスマスを阻止！？ ハロウィンの逆襲」

クリスマスを阻止！？　ハロウィンの逆襲

　12月の楽しみの１つ、アドベントカレンダー。
　クリスマスまであと何日かを数えるため、毎日１つだけちいさな窓を開ける。
　中には小さなお菓子やおもちゃ、物語の一部なんかが入っていて、毎日開けるのがとってもわくわくするカレンダーだ。
　……そのはず、なのだが――。

「あれぇ……？　開かない……」　何かに引っかかってしまっているのか、窓を開くことが出来ない。
　曖浜瑠樹はアドベントカレンダーを壊さないように、そーっと、何度も引っ張ってみた。
「ダメだぁ……。うん、学校から帰ったら開けてみよぉ」
　毎朝の楽しみにしていたのに。
　瑠樹は少しだけ残念に思いながらも、すぐに帰ってからの楽しみが増えたと、元気に学校へ向かった。

「おい開けよ、開けってば……！」　滝原レオンも、アドベントカレンダーと戦っていた。
　どうやら自分の物では無く、弟である滝原カノンのために作ったアドベントカレンダーに、入れ忘れがなかったか気になって開けようとしたらしい。
　やはり、こちらのアドベントカレンダーも開かなくなってしまったようだ。
　なんとかカノンを言いくるめ、放課後まで時間を稼いだが、直すことが出来るだろうか。

「くくく、愚民共よ！　思い出すのデス！」

「あの、ハロウィンで浮かれた気持ちを！　カボチャの旬は、収穫して２～３ヶ月後だということを！」

「ほえー……そうなんだ？」　通学路に、不思議なカボチャが転がっている。
　なんだろうかと近づいたカノンは、ジャックオランタンの雄叫びに怯えるどころか、その豆知識に感心していた。どうやら可愛らしいフォルムに、お化けという認識が薄いらしい。
「なら、ハロウィンのカボチャのお菓子、今作ったほうが美味しいかなぁ？」
「そうとも！　まだまだハロウィンを続けようではないデスか！」
「わー、楽しそうっ!!　レオンにーちゃん、ニャーサーのクッキー作ってくれないかなぁ」

　そこへ、キュルビス・ラムズイヤーはカボチャの行方を聞いて、この現場に急いで向かってきた。

「キュルビスのカボチャヘッドが、１つ行方不明デス！　飛び出して行きやがったデス!?」
　また、ジャックオランタンがやってきた。けれど今度は手足が生えてるし、なんだか怒った様子だ。
　カノンはびっくりして思わずあとずさる。
「おお、主サマ！　ハロウィンの主サマがご健在デス！」
「主サマ……？　キュルビスのカボチャヘッドは喋らないのデス」
　突然喋るジャックオランタンに近づかれても、その見慣れたフォルムにキュルビスは驚かない――が、はたしてこれは捜し物のカボチャヘッドだろうか？
「クリスマスに沸く愚民ども、この手でハロウィンの虜にしてやるのデス！」
「!!　そういうことなら、歓迎なのデス！」
　通学路を歩いていた瑠樹の元に、悪の組織のような笑い声が聞こえ、声の主を探す。
　ぎゅっといつも一緒のラピちゃんを抱きしめて、二人の悪巧みを制すように話しかけた。
「だめだよぉ……クリスマスも、ハロウィンも、なかよくしよ？」
　ぱぁっとにこやかに微笑まれ、一瞬和やかな空気が場を包む。
　けれどもジャックオランタンは、懸命に流されそうになるのを堪えて威嚇してきた。
「クリスマスに、負けてなるものかデス!!」

　――そして。
　ジャックオランタンの力で、クリスマスをとても楽しみにしている人、まだまだハロウィンで遊び足りなかった人たちは、星幽塔のような不思議でファンタジーな……年中ハロウィンな世界へ飛ばされてしまったのです。

運営部より

【追記】７月２４日
大変お待たせしておりまして、誠に申し訳ございません。
都合により、本シナリオの担当は黒羽カラスマスターに変更させていただきます。
リアクションの公開は、８月中旬を予定しております。

ゲームマスターより

担当ゲームマスター

黒羽カラス／浅野悠希

マスターコメント

　テーマは、ハロウィン＆クリスマス！
　どうやら、クリスマスをライバル視するジャックオランタンが、不思議な力でクリスマスの開催を止めようとしている様子。
　このままでは、寝子島は年中ハロウィンとなってしまうかもしれません。

　……それもそれで楽しそうですが、クリスマスも開催できるようにジャックオランタンをどうにかしましょう。

　また、ガイドはあくまでイメージとなります。
　ご登場頂きました方は、ご参加の際には自由なアクションをしてくださいね！

：アドベントカレンダー：

　12月1日から、クリスマスのカウントに使用する24個の窓に仕掛けがあるカレンダーです。
　中には小さな贈り物が入っており、贈り物の内容も多種多様です。

　今回、皆さんがお持ちの、または大切な方へ贈ったアドベントカレンダーが、開けられなくなってしまいました。
　原因は、このジャックオランタンにあるようです。
　クリスマスへのライバル意識が強いこのジャックオランタンが落ち着けば、再び開けるようになるでしょう。

：舞台：

　星幽塔のような不思議でファンタジーな、年中ハロウィンな世界です。
　ハロウィンをまだまだ楽しみたかったり、とってもクリスマスを楽しみにしている人は、どこに居ても突然呼ばれてしまうことがあるようです。

※種族などを制限する物ではありませんので、お気軽にどうぞ！※

食べ物も飾り付けも、一見ハロウィンだらけですが、
・飾られていない、もみの木やリース
・空っぽのアドベントカレンダー

などが、不自然にあります。
もしかしたら、このジャックオランタンは……。

さあ、あなたならこのハロウィンな世界で何を楽しみますか？
もちろんハロウィン？　それともクリスマス？　それとも――？

：ペア参加について：

　カップルでのご参加で、とくに何も記載されてない場合、
　半歩～１歩進ませる描写をとることがあります。
　鈍感ロールや関係を進展させたくない場合は、その旨をお書き下さい。

：ＮＰＣについて：

※登録済みのＮＰＣであれば、特定のマスターさんが担当しているキャラクターを除き、ガイドに登場していなくても誰でも登場可能です。
※ＮＰＣは、事前に約束が必要となる明確な目的のあるデートにはお誘いできません。
しかし、どこかですれ違った際には、一緒に遊ぶことが可能となります。