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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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浜辺のマーメイド
【１】捜索開始
数日後の土曜日の午後。
三折部 朝衣と結城 萌子は、寝子ヶ浜海岸の西側の突堤にいた。
二人とも、ダイビング用の装備を身に着けている。
これから、海に潜ろうというのだ。
「夢宮さんの話だと、皆この海岸で被害に遭っているのよね」
突堤から浜を見渡して、萌子が言う。
募集の翌日、DMをくれた者たちと、この近くの喫茶店で会って対策を話し合った。その時、夢宮 瑠奈が学校で聞いた話をしたのだ。
「ええ。あたしも、ここで怖い目に遭ったのよ」
うなずく朝衣は、十月初旬の日曜日、この海岸でサーフィンを楽しんでいたところを、いきなり金髪の少女に海に引きずり込まれそうになり、危うく溺死しかけたのだ。
萌子の呟きを見た時は、「もしかすると……」と閃きに似たものを感じて、DMで連絡を取ったのだ。
喫茶店での会合で、瑠奈の話――夏の夜のクリスタとの出会いとその外見、そしてクラスメートたちが被害に遭った話を聞いて、朝衣はそれがまさに自分が会った少女だと確信したのだった。
そんな彼女が提案したのが、海に潜ってクリスタを探すことである。
「たぶん、普段は寝子ヶ浜海岸の隠れやすい場所に潜んでいるんじゃないかしら」
彼女は言った。
だから、場所を絞って海に潜り、クリスタを探してみてはどうかと。
その提案が受け入れられて、彼女は今こうしている。
ちなみに、隠れやすい場所として、ここに当たりをつけたのも、彼女だった。
そこに、夢宮 瑠奈とサキリ・デイジーカッターがやって来た。
「ずいぶんと本格的な装備だな」
二人の恰好を見やって、サキリが声をかける。
「レンタルよ」
朝衣が笑って返すと、今時分の海は水温が低いから、そう長くは潜れないのだと告げた。
二人は、短時間潜っては陸に上がって休憩を取ることを繰り返して、暗くなるまでクリスタを探す予定なのだった。
というのも、暗くなってから潜るのは危険な上に、海中で人を探すのは難しくなるからだ。
もしもこれでクリスタが見つからなかった場合、夜間に行う作戦も考えてあった。
そちらの発案者は、サキリである。
「明るいうちに、クリスタちゃんが見つかるといいなあ……」
瑠奈が、祈るように呟いた。
「期待してて」
朝衣がそれへ笑って言う。
やがて朝衣たちは、海に潜って行く。
ゆっくりと泳ぎながら、突堤の周辺や下など、人が隠れていそうな場所を慎重に調べて行った。
（それらしい姿はないわね。……昼間は、海の中に隠れてると読んだんだけど……）
胸に呟き、朝衣が方向を変えようとした時だった。
（あ……！）
前方に人影を見つけたのだ。
朝衣は、身振りで萌子にそちらを示す。
それに応じて、萌子が彼女の傍に近づいて来た。
うなずき合うと、二人はその人影を追って泳ぎ出す。
相手との距離が縮むと、閃く金髪が見えるようになった。
（やっぱり、クリスタだわ！）
朝衣が速度を上げる。
追いつき、その手を捕えた。
ふり返った相手は、朝衣を襲った少女と背格好も同じだった。
朝衣は、ボディーランゲージで敵ではないことを伝える。
だが少女は激しくもがき、朝衣の腹部を強く蹴った。
「……！」
その衝撃に、彼女は思わず手を離してしまう。
その隙に、少女は身をひるがえした。
そこに萌子が追いついて来た。
朝衣は萌子に、少女を追えと身振りで伝える。
だが、萌子が後を追おうとふり返った時には、すでに金髪が遠くに閃くだけになっていた。
その同じころ。
結城 三郎の部屋の前には、長い黒髪に化粧をし、清楚なベージュのワンピースに同色のショルダーバッグを提げた少女が立っていた。
恵御納 夏朝だ。
変装しているのである。
更に言うと、現在の彼女は、別人格『夏夜』の方だった。
先日、喫茶店に集まった時に、萌子の話を聞いて、夏朝――いや、夏夜は言ったのだ。
「その少女が無事帰れても、彼に召喚・監禁の手段がある限り、星幽塔の人たちの安全は脅かされ続けるってことだね。なら僕は、三郎さんの方に接触してみる。彼の能力が何なのかはわからないし、もしかしたら持ち物とかが元凶かもしれないし。とにかく、原因を探って、もう二度とこんなことができないように、対処する」
「わかったわ」
萌子がうなずく。
その時、軽く挙手したのは、虚栄 心だった。
「私も一緒に行くわ。……お兄さんの能力が、本当にろっこんなのかどうかに、興味があるから」
「いいよ。でもまずは、僕が一人で行って情報収集する。君は、少しあとから来てくれるかな」
「ええ……」
心はうなずいた。
――というわけで、今は夏夜一人なのだ。
彼女は小さく深呼吸すると、チャイムを鳴らした。
数日後の土曜日の午後。
三折部 朝衣と結城 萌子は、寝子ヶ浜海岸の西側の突堤にいた。
二人とも、ダイビング用の装備を身に着けている。
これから、海に潜ろうというのだ。
「夢宮さんの話だと、皆この海岸で被害に遭っているのよね」
突堤から浜を見渡して、萌子が言う。
募集の翌日、DMをくれた者たちと、この近くの喫茶店で会って対策を話し合った。その時、夢宮 瑠奈が学校で聞いた話をしたのだ。
「ええ。あたしも、ここで怖い目に遭ったのよ」
うなずく朝衣は、十月初旬の日曜日、この海岸でサーフィンを楽しんでいたところを、いきなり金髪の少女に海に引きずり込まれそうになり、危うく溺死しかけたのだ。
萌子の呟きを見た時は、「もしかすると……」と閃きに似たものを感じて、DMで連絡を取ったのだ。
喫茶店での会合で、瑠奈の話――夏の夜のクリスタとの出会いとその外見、そしてクラスメートたちが被害に遭った話を聞いて、朝衣はそれがまさに自分が会った少女だと確信したのだった。
そんな彼女が提案したのが、海に潜ってクリスタを探すことである。
「たぶん、普段は寝子ヶ浜海岸の隠れやすい場所に潜んでいるんじゃないかしら」
彼女は言った。
だから、場所を絞って海に潜り、クリスタを探してみてはどうかと。
その提案が受け入れられて、彼女は今こうしている。
ちなみに、隠れやすい場所として、ここに当たりをつけたのも、彼女だった。
そこに、夢宮 瑠奈とサキリ・デイジーカッターがやって来た。
「ずいぶんと本格的な装備だな」
二人の恰好を見やって、サキリが声をかける。
「レンタルよ」
朝衣が笑って返すと、今時分の海は水温が低いから、そう長くは潜れないのだと告げた。
二人は、短時間潜っては陸に上がって休憩を取ることを繰り返して、暗くなるまでクリスタを探す予定なのだった。
というのも、暗くなってから潜るのは危険な上に、海中で人を探すのは難しくなるからだ。
もしもこれでクリスタが見つからなかった場合、夜間に行う作戦も考えてあった。
そちらの発案者は、サキリである。
「明るいうちに、クリスタちゃんが見つかるといいなあ……」
瑠奈が、祈るように呟いた。
「期待してて」
朝衣がそれへ笑って言う。
やがて朝衣たちは、海に潜って行く。
ゆっくりと泳ぎながら、突堤の周辺や下など、人が隠れていそうな場所を慎重に調べて行った。
（それらしい姿はないわね。……昼間は、海の中に隠れてると読んだんだけど……）
胸に呟き、朝衣が方向を変えようとした時だった。
（あ……！）
前方に人影を見つけたのだ。
朝衣は、身振りで萌子にそちらを示す。
それに応じて、萌子が彼女の傍に近づいて来た。
うなずき合うと、二人はその人影を追って泳ぎ出す。
相手との距離が縮むと、閃く金髪が見えるようになった。
（やっぱり、クリスタだわ！）
朝衣が速度を上げる。
追いつき、その手を捕えた。
ふり返った相手は、朝衣を襲った少女と背格好も同じだった。
朝衣は、ボディーランゲージで敵ではないことを伝える。
だが少女は激しくもがき、朝衣の腹部を強く蹴った。
「……！」
その衝撃に、彼女は思わず手を離してしまう。
その隙に、少女は身をひるがえした。
そこに萌子が追いついて来た。
朝衣は萌子に、少女を追えと身振りで伝える。
だが、萌子が後を追おうとふり返った時には、すでに金髪が遠くに閃くだけになっていた。
その同じころ。
結城 三郎の部屋の前には、長い黒髪に化粧をし、清楚なベージュのワンピースに同色のショルダーバッグを提げた少女が立っていた。
恵御納 夏朝だ。
変装しているのである。
更に言うと、現在の彼女は、別人格『夏夜』の方だった。
先日、喫茶店に集まった時に、萌子の話を聞いて、夏朝――いや、夏夜は言ったのだ。
「その少女が無事帰れても、彼に召喚・監禁の手段がある限り、星幽塔の人たちの安全は脅かされ続けるってことだね。なら僕は、三郎さんの方に接触してみる。彼の能力が何なのかはわからないし、もしかしたら持ち物とかが元凶かもしれないし。とにかく、原因を探って、もう二度とこんなことができないように、対処する」
「わかったわ」
萌子がうなずく。
その時、軽く挙手したのは、虚栄 心だった。
「私も一緒に行くわ。……お兄さんの能力が、本当にろっこんなのかどうかに、興味があるから」
「いいよ。でもまずは、僕が一人で行って情報収集する。君は、少しあとから来てくれるかな」
「ええ……」
心はうなずいた。
――というわけで、今は夏夜一人なのだ。
彼女は小さく深呼吸すると、チャイムを鳴らした。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年08月18日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年08月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年08月25日 11時00分
