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浜辺のマーメイド
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【4】事態の収束
三郎の赤く燃える目が、夏夜と心を捕えた。
「我ハ悪魔いぽすナリ。オマエタチ、ヨクモ俺ノ邪魔ヲシタナ」
その口から、しゃがれた人間のものとは思えない声が放たれる。
「ガアーッ!」
立ち尽くす二人の前で三郎――いや、悪魔イポスは、両手を鉤のように曲げた。
すると爪が一気に伸びて、鋭いナイフのようになる。
それをふりかざして、二人に突進して来た。
「逃げよう!」
夏夜が叫ぶ。
「え、ええ……!」
心もうなずき、走り出した。
玄関へと向かう。
だが、玄関ドアは固く閉ざされたまま、開かなかった。
「ニゲテモムダダ。オマエタチハ、ココカラデラレナイ」
そこに、追いついて来たイポスの声がする。
「走って!」
夏夜が叫んだ。
二人はそのまま、台所へと駆け込む。
「来ないで!」
心が、手の届くところにある鍋やフライパンなどをつかんで、イポスに投げつけ始めた。
それでも彼はひるむことなく、向かって来る。
「来ないでったら!」
半狂乱になった心は、流しの隅にあった小さな壺を手にして、投げた。
壺は逆さまになって蓋がはずれ、中身が彼の頭上に降り注ぐ。
白い顆粒状のそれは、塩だった。
「ギャアアアアッ!!」
それとほぼ同時に、凄まじい悲鳴がイポスの口から上がる。
あたりに、肉の焼け焦げるような匂いが広がった。
彼は、そのまま床に倒れ、動かなくなった。
夏夜と心は、いったい何が起こったのか理解できないまま、その場にただ立ち尽くすばかりだった。
それより少し前。
寝子ヶ浜海岸では、瑠奈が歌い続けていた。
その歌を聞くうちに、クリスタの目から赤い光が消えて、涙が流れ始めた。
それに気づいて、瑠奈は歌い止めると、そちらに歩み寄る。
「あたしのこと、覚えてるかなぁ。夏に、この海岸で会ったよねぇ」
「覚えてる……。覚えてるわ」
問われて、クリスタは泣きながらうなずいた。
サキリが腕を離すと、彼女はそのまま砂浜に崩れ落ちる。
「だって、あなたは私が外で話した最後の人ですもの。……私、あのあとずっと、閉じ込められていたの。その間ずっと、海が恋しくて恋しくて。ようやく外に出られて、真っ直ぐにここに来たわ。でも、今度は寂しくて寂しくて。誰かに傍にいてほしくて、それで、ここで見かけた人たちを海に……」
「クリスタちゃん……。辛かったんだねぇ……」
泣き崩れる彼女の隣にしゃがみ込み、瑠奈はその背をそっと撫でた。
その二人を見やって、サキリが小さく息をつく。
「どうやら、正気に戻ったみたいだな」
「長い間監禁されてたせいで、おかしくなってたってことなのかしら。……私が助けた時は、ごく普通に見えたけど」
眉をひそめて、萌子が呟いた。
「ともかく、このあとどうするかは、彼女次第ね」
「なんとか、星幽塔に帰れればいいんだが……」
朝衣の言葉に呟いて、サキリはクリスタの方に歩み寄る。
「戻ることは、できないのか?」
「できないの」
クリスタが、小さくかぶりをふって答えた。
「ここに来てからずっと、願っているけれど戻れない。私を呼んだ人にもお願いしてみたけれど、彼は絶対に帰さないって……」
言いさして、彼女は再び顔をおおって泣き崩れる。
サキリと朝衣、萌子の三人は困って顔を見合わせた。
「クリスタちゃん、泣かないで……」
瑠奈が彼女の背を撫でながら、声をかける。
その時、ふいに。
どこかで、何かが壊れるような音が響いた。
クリスタが、小さく肩を震わせて顔を上げる。
「あ……」
その体が、突然光の粒子と化した。
粒子は急速に荒くなり、クリスタの姿は薄れ始める。
「私、帰れる……」
「クリスタちゃん……」
立ち上がり、呟くクリスタを、瑠奈は驚いて見上げた。
サキリと朝衣、萌子もやはり、目を見張っている。
その彼らに、クリスタは笑みを向けた。
「ありがとう、みなさん。私、星幽塔に帰ります」
言葉と共に、彼女の姿は静かに消えて行った。
四人はただそれを、呆然と見送るばかりだ。
と、突然、萌子のスマホの着信音が鳴った。
相手は、夏夜だ。
しばらくやりとりしたあと、電話を切ると、萌子は言った。
「兄さんに何かあったみたい。私、アパートの方に行ってみるわ。とりあえず、今日はこれで解散にしましょう。じゃあ」
そのまま、慌ただしく立ち去って行く。
それを見送り、残る三人もその夜は解散となった。
翌日。
一同は、以前と同じ喫茶店に集まっていた。
まずは、互いに昨日のことを報告し合う。
ちなみに三郎は、昨日萌子が病院に運んだ結果、極度の疲労で入院となった。
悪魔は塩で撃退されたものの、取り憑かれていた影響なのかもしれない。
クリスタが人を海に引きずり込もうとしていたのも、案外、悪魔に影響されていたのかもしれない――と、彼らは考えていた。二ヶ月もの間、三郎の傍にいたのだから、それもあるかもしれないと。
「にしても、三郎のような妄想こじらせた奴は、家から追い出して、現実を思い知らせた方がいいかと思うが」
互いの報告を終えて、サキリが辛辣に言う。
「そのとおりよね」
萌子が、溜息をついてうなずいた。
喫茶店を出ると、萌子は五人の前で改めて威儀を正した。
「今回は、本当にありがとう。あなたたちのおかげで、助かったわ」
そして、深々と一礼すると、立ち去って行く。
それを見送り、夏夜、サキリ、朝衣、瑠奈の四人もそれぞれ分かれて歩き出した。
心も歩き出そうとして、ふと足を止め、呟く。
「結城 三郎、みごとに化けの皮を剥がしてやったわ。そうよ。万能で強力な能力なんて、インチキに決まってるものね」
口元を小さく笑いにゆがめて、彼女は歩き出した。
こうして、星幽塔から召喚された少女は、故郷へと戻ることができたのである――。
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あとがき
担当マスター:
織人文
ファンレターはマスターページから!
マスターの織人文です。
参加いただき、ありがとうございました。
PCさまたちの活躍により、クリスタは無事に星幽塔に帰ることができました。
また、三郎に憑りついていた悪魔も、撃退できたようです。
というわけで、参加いただいたみなさまが、少しでも楽しんでいただければ、幸いです。
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担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年08月18日
参加申し込みの期限
2019年08月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年08月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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