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「元気になってくださいね……」
水を撒くだけでも、ペンタスの花壇は広い。
見頃の花へ植え替えたところだったのか、意味を持ってなのかはわからないが、時子は鳥たちに水の届いていない場所が無いか聞きながら、ホースの先を潰す力加減を変えて水が行き渡るようにする。
「器用なものね、私なら水浸しにしちゃいそう」
「……鳥さん達が、誘導してくれますから」
「へぇ、もしかして動物と仲良くなりやすいタイプ? なら猫はどう?」
「猫さん、ですか?」
きょとんとした顔で聞き返せば、「こっち」と手招きして呼び寄せる。時子は一旦水を止め、呼ばれるまま水樹の元へと向かった。
「さっき、雑草を抜いてる時に気づいたんだけどね」
縁石のズレ方がどうにもおかしい。そう言う水樹に、花壇がこうなってしまった理由があるのかと、時子はまじまじと見つめた。
「……猫さん、の足跡……のようですね」
「やっぱり、そうよね?」
もし人為的にズレたのなら、靴裏や指の跡がつきそうな物だが、まるで猫が押しのけたかのような足跡がある。それも、一つや二つではない。
「わざわざこんなもの押しのけて餌なんて探さないだろうし、爪とぎってわけでも無さそうだし……」
「上を歩いていて、グラグラと揺れてしまった……ということもなさそうですね」
まるで踏ん張ったかのようにしっかりした足跡が乾いて残っている。では、なぜ猫が縁石を押すのか。
それは、二人ですぐに答えが出せそうにもなかった。
ブーゲンビリアの手入れを終えた敦とヒューは、次にルリマツリの花壇へきていた。
ヒューが言っていたように、少々縁石の乱れはあるものの、吸い殻など目に余るゴミが捨ててあることもなく、順調に整えられていく。
「……っと、これくらいか? おーい、そっち側は終わったか?」
敦が作業のキリが良いところでヒューに呼びかけると、ヒューは真剣な表情で水樹を見ていた。
一場面を切り抜こうかというように両手でフレームを作り、けれどもそのフレームが合わないと言いたげに何度か構え直す。
「撮らないのか?」
「ん? ……うん、今日はね」
ファインダー越しに覗けば、どんな瞬間も残しておける。けれど、カメラばかりが水樹を覚えているなんて、悔しいではないか。
「ああ、泥だらけだから気を使ってんだな!」
想定外の言葉に驚いて敦を見れば、汗を拭おうとしたのか額まで泥だらけで、ついヒューは小さく吹き出した。
「ふふっ、それは君のことじゃない?」
「まあな! ここまできたら、泥遊びの気分で掃除が捗るってもんだぜ」
もし、水樹が土まみれになることを顧みずに熱心に作業をしていたら、その可愛らしい様子に写真を撮りたくなってしまうだろうが、機嫌を損ねてしまうだろうから、やっぱり自分の記憶として、きちんと思い出にしておきたい。
「……と、そうだ。俺、ちょっと追加のゴミ袋とってくるな」
「わかった。なら僕はここを確認したあと、一度水樹たちの様子を見てくるよ」
ペンタスの花壇に苦戦しているなら、集中して掃除するべきだったかもしれない。離れてしまったのは失敗だったかな、とヒューは思う。真摯な空気を纏い、視線が合わさることのない水樹を自分の全てに焼き付けるように、ヒューは暫くの間見つめていた。
一段落したところで顔を上げた水樹は、レオンが膝を付き蹲っていることに気づいた。
もしかして熱中症かと思い、水樹は時子に冷たい飲み物を買ってくるように頼む。慌てた様子に気づいた敦も、冷却材代わりに何本かいるだろうと、時子のあとを追うように走った。
「あとは、木陰に……でもこんな花壇の真ん中……ああもう、早く涼んでもらわなきゃ」
焦っているからか、大雑把な性格が災いしてか。水樹は手元にあったホースをひっ掴み、水道の栓まで急ぐとレオンに向かって水を飛ばす。
風に乗った水しぶきを浴びたヒューが不思議そうに風上を見て、その光景に一瞬目を疑った。
「ヒュー! 滝原君、熱中症かも!」
「なんだって!?」
勢いよく頭から水をかぶって、レオンは現実に引き戻された。
今は親代わりの祖母と弟との三人ぐらし。何不自由なく幸せな家庭で、大切な温かい場所。
だけど、見える世界が小さかった時、母に愛されたかったのも事実で――笑ってくれるかな、呆れないでくれるかな、怒らないでくれるかな……こっちをみてくれるかな。そんな頑張りに疲れ果てて、これが虐待なんだと認めなきゃいけない時、ようやく別離を選べると思ったのに。
寝子島へやってきて、忘れたように毎日を生きてたつもりでも、やっぱり家族という言葉を見ると思い出すのは母のことで。
「……今でも、あの人の愛を求めてるって言うのか?」
そんなわけはない。否定する気持ちの代わりなのか、祖母と弟を家族と真っ先に思わなかった後悔なのか、レオンはボロボロと涙した。水を被っている今なら、きっと、誰にもバレやしない。
「滝原君、大丈夫か?」
かけよってきたヒューに水がかからないよう、水樹は水道の栓を閉じる。水のせいにして涙を拭うレオンは、少し物悲しそうに笑った。
「悪いな、ちょっと暑くてボーッと……涼しかったぜ、城山さんもありがとな!」
水樹の方を見て手を振るレオンに、ヒューはホッとする。そこへ、飲み物を買ってきた時子と敦が戻ってきた。
「レオンさん、そんなにすぐ動いては……」
「だ、大丈夫だって。そんなぶっ倒れるほどじゃないし」
そうは言っても、と心配そうな時子に、敦は提案した。
「残暑もある中、いいペースで進んでると思うし、一旦休憩をいれるか?」
「それは賛成です。ちょうど飲み物を人数分買っていますので、冷たいうちに皆さんで休憩にしましょう」
「だな。水浴びがまだ気持ちいいくらいには、あっついし」
レオンはシャツの裾を絞りつつ、すぐに乾きそうだと笑ってみせた。
その笑顔につられ、安心した時子たちも、ゆるゆると笑いだした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年06月28日
参加申し込みの期限
2019年07月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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