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【寝子高夜市】夏の宵、きらきらめぐる
●【射的屋・白の魔弾】１
不届き者には白い魔弾（チョーク）を飛ばすことで有名な英語教師、ウォルター・ブラックウッド先生の夜店は彼の得意技を活かした【射的屋・白の魔弾】である。
「やー、先生のお店の準備間に合ってよかったです」
事前から手伝ってきた倉前 七瀬が、チョークを揃えながら先生に声を掛ける。
「倉前、あれこれ手伝ってくれたから助かったよ。本番もよろしく」
「ウォルター先生のためやったら、がんばりますよー」
教室風のブースには、射撃訓練に使うような黒い人型パネルが用意されている。これは、「先生が板書してる間にそろりと廊下に抜け出していく人型」の的で、この動く的にいくつチョークを当てられるか競うゲームだ。１ゲーム、チョークは５本、的は５体。チョークが当たった動く的はストップし、サボりを阻止したとして成功判定である。すべての的をストップできればサボり完全阻止ということで大成功。逆にすべての的を教室から出してしまったら、大失敗だ。
黒い人型パネルからは赤や白のコードが伸びており、八神 修が操作する機材と繋がっている。プログラミングが得意な修が、機械操作で自動的に的が動いたり引き返したりするプログラムを組んだのだ。チョークが当たったら白旗がピコン☆と頭上に上がってストップする仕組みもつけた。
「思ってたより本格的な仕上がりになったねぇ。で、八神も的として参加してくれる、と」
「人が居た方が盛り上がりますからね。体を張りますよ」
「楽しみだなぁ。ねえ、倉前？」
「僕も的をやります。当てられんように頑張って動きますね！」
「ねーちょっと、景品は？」
テストプレイしていた桜栄 あずさ理事長が唇を尖らせる。ウォルター先生は片眉を上げる。
「景品？ 僕から白の魔弾の指導を受けるだけでは不服なのかな？」
「不服よー！ 折角当てたんだからなんか欲しいじゃない！ そうだわ、これを景品にしなさい！」
あずさ理事長はそう言って、たまたま持っていたウミャカ棒（納豆味）の箱を押し付けた。
「当たったチョークの本数分、ウミャカ棒がもらえるの。いいでしょ？」
「まあ……いいけど」
そうこうしているとさっそくお客さんがやってきた。
「面白そうな出し物があるじゃあないか」
「何？ 射的屋・白の魔弾？ チョークを投げるの？」
「実は人生で一度はやってみたかったからね、はからずも夢が叶ってしまったよ」
夜店の前で会話を交わすのは、芸術科２年の眼鏡白衣女子・伊賀 解理と寝子高ＯＧで元風紀委員長の北風 貴子の二人組。解理が、今は木天蓼大学に通う貴子を誘ったようだ。
「さて、じゃあ貴子さん！ せっかくなので僕と勝負です！」
「勝負？」
「貴子さんもかつては眼鏡の似合う風紀委員長。つまりこういったスキルも得意だった可能性が微粒子レベルであったはず！ その時培った力と、現役高校生である僕の眼鏡越しに放たれる純粋な射撃力……最強の眼鏡決戦です！」
「なんだかよく分からないけれど……元風紀委員長としてその勝負、乗ったわ！」
ふたりの眼鏡女子はそれぞれチョークを５本ずつ受け取り、的を前に仁王立ちになる。
「それじゃあ……Ready go！」
ウォルター先生の合図でゲームスタート、修のプログラムで的が動き出す。
人間的の修と七瀬も、自動で動く人型の合間を縫うように進んでみたり、フェイントで引き返してみたり。
「行くぞ……僕は今日ここで貴子さんを超える眼鏡キャラになる！ えいっ！」
先にチャレンジした解理が２発、立て続けに人型の的に当てた。
３発目、４発目は外したものの、５発目はよくよく狙って、七瀬の肩に。
「……おぉ、上手かですね～」
「うーん、３点か。貴子さんの番だね」
「どうかしら……私、不器用だから」
そんなふうに謙遜したものの、貴子の腕はなかなか！
「そこよっ！」
ビシ！ バシ！ と先に七瀬と修をクリアし、さらに人型の的にも２発当てる。
「あーっ！ 残念、一つ逃しちゃった！」
「４点なんてすごいです。僕、すぐに当てられてしまいます」
運動神経はそこそこ、と自覚のある七瀬は、当てられてもさほど悔しそうではない。
「さすが北風先輩。当てるのが難しい俺たち人間から狙っていくとは」
頭の上に白旗を上げた修が拍手を送る。
「風紀を乱す恐れのない人形より、人間の方につい目が行っちゃったわ。――私の勝ちね、伊賀さん」
「く～～っ、悔しい！ やはり貴子さんは最強の眼鏡キャラですね」
「そう？ よくわからないけれど、誉め言葉として受け取っておくわ」
解理より１本多くウミャカ棒を貰って、まんざらでもない様子の貴子である。
不届き者には白い魔弾（チョーク）を飛ばすことで有名な英語教師、ウォルター・ブラックウッド先生の夜店は彼の得意技を活かした【射的屋・白の魔弾】である。
「やー、先生のお店の準備間に合ってよかったです」
事前から手伝ってきた倉前 七瀬が、チョークを揃えながら先生に声を掛ける。
「倉前、あれこれ手伝ってくれたから助かったよ。本番もよろしく」
「ウォルター先生のためやったら、がんばりますよー」
教室風のブースには、射撃訓練に使うような黒い人型パネルが用意されている。これは、「先生が板書してる間にそろりと廊下に抜け出していく人型」の的で、この動く的にいくつチョークを当てられるか競うゲームだ。１ゲーム、チョークは５本、的は５体。チョークが当たった動く的はストップし、サボりを阻止したとして成功判定である。すべての的をストップできればサボり完全阻止ということで大成功。逆にすべての的を教室から出してしまったら、大失敗だ。
黒い人型パネルからは赤や白のコードが伸びており、八神 修が操作する機材と繋がっている。プログラミングが得意な修が、機械操作で自動的に的が動いたり引き返したりするプログラムを組んだのだ。チョークが当たったら白旗がピコン☆と頭上に上がってストップする仕組みもつけた。
「思ってたより本格的な仕上がりになったねぇ。で、八神も的として参加してくれる、と」
「人が居た方が盛り上がりますからね。体を張りますよ」
「楽しみだなぁ。ねえ、倉前？」
「僕も的をやります。当てられんように頑張って動きますね！」
「ねーちょっと、景品は？」
テストプレイしていた桜栄 あずさ理事長が唇を尖らせる。ウォルター先生は片眉を上げる。
「景品？ 僕から白の魔弾の指導を受けるだけでは不服なのかな？」
「不服よー！ 折角当てたんだからなんか欲しいじゃない！ そうだわ、これを景品にしなさい！」
あずさ理事長はそう言って、たまたま持っていたウミャカ棒（納豆味）の箱を押し付けた。
「当たったチョークの本数分、ウミャカ棒がもらえるの。いいでしょ？」
「まあ……いいけど」
そうこうしているとさっそくお客さんがやってきた。
「面白そうな出し物があるじゃあないか」
「何？ 射的屋・白の魔弾？ チョークを投げるの？」
「実は人生で一度はやってみたかったからね、はからずも夢が叶ってしまったよ」
夜店の前で会話を交わすのは、芸術科２年の眼鏡白衣女子・伊賀 解理と寝子高ＯＧで元風紀委員長の北風 貴子の二人組。解理が、今は木天蓼大学に通う貴子を誘ったようだ。
「さて、じゃあ貴子さん！ せっかくなので僕と勝負です！」
「勝負？」
「貴子さんもかつては眼鏡の似合う風紀委員長。つまりこういったスキルも得意だった可能性が微粒子レベルであったはず！ その時培った力と、現役高校生である僕の眼鏡越しに放たれる純粋な射撃力……最強の眼鏡決戦です！」
「なんだかよく分からないけれど……元風紀委員長としてその勝負、乗ったわ！」
ふたりの眼鏡女子はそれぞれチョークを５本ずつ受け取り、的を前に仁王立ちになる。
「それじゃあ……Ready go！」
ウォルター先生の合図でゲームスタート、修のプログラムで的が動き出す。
人間的の修と七瀬も、自動で動く人型の合間を縫うように進んでみたり、フェイントで引き返してみたり。
「行くぞ……僕は今日ここで貴子さんを超える眼鏡キャラになる！ えいっ！」
先にチャレンジした解理が２発、立て続けに人型の的に当てた。
３発目、４発目は外したものの、５発目はよくよく狙って、七瀬の肩に。
「……おぉ、上手かですね～」
「うーん、３点か。貴子さんの番だね」
「どうかしら……私、不器用だから」
そんなふうに謙遜したものの、貴子の腕はなかなか！
「そこよっ！」
ビシ！ バシ！ と先に七瀬と修をクリアし、さらに人型の的にも２発当てる。
「あーっ！ 残念、一つ逃しちゃった！」
「４点なんてすごいです。僕、すぐに当てられてしまいます」
運動神経はそこそこ、と自覚のある七瀬は、当てられてもさほど悔しそうではない。
「さすが北風先輩。当てるのが難しい俺たち人間から狙っていくとは」
頭の上に白旗を上げた修が拍手を送る。
「風紀を乱す恐れのない人形より、人間の方につい目が行っちゃったわ。――私の勝ちね、伊賀さん」
「く～～っ、悔しい！ やはり貴子さんは最強の眼鏡キャラですね」
「そう？ よくわからないけれど、誉め言葉として受け取っておくわ」
解理より１本多くウミャカ棒を貰って、まんざらでもない様子の貴子である。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年05月18日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年05月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年05月25日 11時00分
