- 0
- 0
- 種族
-
- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【寝子高夜市】夏の宵、きらきらめぐる
●【フジコのスピリチュアル☆水晶玉占い】１
芸術科、演劇担当の富士山 権蔵先生――本名で呼ぶと『フジコ先生とお呼びなさ～い』と眉間グリグリされるのだが――は、今宵、188cmある筋肉質な美ボディを紫色のベールで隠し、占い師になりきっていた。
「アナタのお悩み、聞かせてちょうだ～い☆」
くねくねと水晶玉の周りをうねる指先。
その前に座る嘉渡洲 稀跡は、宝石・鉱石などに深い興味があったので、水晶玉に見とれそうになる。
（綺麗な水晶玉、質もよさそう……ええとそうじゃなかったわ……）
先生の方に視線を戻す。
「悩み……というほどのものはあまりないけれど未来に関して占ってもらえると嬉しいです」
「未来、ね。何か具体的に気になることはあるかしら」
「これから楽しいことが起きるかと、普通に平穏に過ごせるか……」
「それが知りたいこと？」
「後は……何か万一の事、悪い事が起きないか……かしら？」
（不思議な事は嫌いではないけど……寝子島を脅かす存在の事も考えると、ね）
フジコ先生はわかったわ、と頷き、精神を集中させて水晶玉のまわりに手を当てる。
「見えたわ。困難も少しは起こるけれど、きっと解決して行けるだろうと出たわ」
「起るけれど、解決して行ける……」
「楽しいことや、平穏に過ごせる日常は、天から降ってくるものじゃなくて、自分たちの手で作っていくものよ。そのためには、揉まれることも必要。若いんだから、いろいろ経験なさ～い。一日一日、一歩一歩の積み重ねよ」
「自分たちの手で――」
フジコ先生の言葉を、反芻する。
「ありがとうございます、先生」
◇
続いてやってきたのは、星幽塔の住人アイオ・キャンドライトであった。
（星幽塔世界にも占いで生計を立ててる方はいましたけど、ネコジマにもこんな所があるなんて……）
フジコ先生の堂に入った佇まいに、わりと本格的な占いの館だと勘違いしている。
「こんばんはですわ」
「あら……見かけない子ね？ どうぞ。お名前は？」
「えーっと……1年生の喜矢武(きゃん)あいおですわ……」
適当に誤魔化し、フジコ先生の前に座る。
「それで？ 何を占って欲しいの～ん？」
「はい。ご相談なんですが、アイオの将来の御相手を……彼氏いない歴159年……」
「159年？」
「あ、いえ15年なので」
あぶないあぶない。本当のことを言ったらびっくりされてしまう。
幸いフジコ先生は、彼氏いない歴15年の方で納得したようだ。
「彼氏が現れるかどうかを占ってほしいのね」
「はい！ 希望のタイプは優しくて(必須！)、明るい性格で(これも必須ですわ)、腕っ節が強くて(モンスターとの戦闘もありますし)、家のお店（星幽塔１階の住み込み先）を手伝ってくれるぐらいには炊事が出来て……あと猫好きな方がいいですわ」
「フジコ☆ラブハリケーン！！！！」
まくしたてたアイオに、フジコ先生はにこやかにラブハリケーンを繰り出した！
「きゃああ～！ ちょっと条件が多すぎましたか？」
「あったりまえよ～ん！ 年収600万以上ですらりとした筋肉質でイケメンで性格のいい彼氏求むっていうくらい条件多すぎ！ そんな男がいたらアタシがいただくわっ！！」
ぶちかましたフジコ先生だったが、
「でもま、気持ちはわかるから占ってあげる♪」
そう言って、水晶玉を覗き込む。
「む～ん……これは……」
「水晶玉には何が……？」
アイオは恐るおそる尋ねる。すると。
「間違いない。猫ね。それも真っ白な猫」
「猫が映ってるのですか！？」
あわわわわ、とアイオは慌てて立ち上がった。
（アイオの正体がほしびとだとバレてしまいましたわ！ フジコ先生はやはり本物の能力者だったのですねー！ バレてしまったのなら戻らなくては……ああ、さよならネコジマ……）
嘆いたそのとき。
「にゃー」
散歩に来た校長先生の白猫ユキがひょいっと机の上に飛び乗って興味深そうに水晶玉を覗き込んだ。
「あらやだ。このコが映り込んでいただけだったわ」
「なっなんだ、びっくりしましたわ……いえなんでもないのですわ。改めて何か見えてますか……」
ドキドキ。
「うーん……ごめんなさい、現時点ではムリ、という暗示が出てるわ。１００年後なら……って感じだけど、さすがに１００年は生きられないしね～？」
（生きられるかもしれませんけど……彼氏ができるの、１００年後ですの！？）
「アタシが言うのもなんだけど、占いって当たるも八卦当たらぬも八卦って言うから落ち込まずにね。条件を変えたらあっさり出来るかもしれないし～とりあえず、条件を『猫好き』だけにするとか！」
「どれも必須ですわ！」
アイオに彼氏は出来るのか！？ それは今後のお楽しみである。
芸術科、演劇担当の富士山 権蔵先生――本名で呼ぶと『フジコ先生とお呼びなさ～い』と眉間グリグリされるのだが――は、今宵、188cmある筋肉質な美ボディを紫色のベールで隠し、占い師になりきっていた。
「アナタのお悩み、聞かせてちょうだ～い☆」
くねくねと水晶玉の周りをうねる指先。
その前に座る嘉渡洲 稀跡は、宝石・鉱石などに深い興味があったので、水晶玉に見とれそうになる。
（綺麗な水晶玉、質もよさそう……ええとそうじゃなかったわ……）
先生の方に視線を戻す。
「悩み……というほどのものはあまりないけれど未来に関して占ってもらえると嬉しいです」
「未来、ね。何か具体的に気になることはあるかしら」
「これから楽しいことが起きるかと、普通に平穏に過ごせるか……」
「それが知りたいこと？」
「後は……何か万一の事、悪い事が起きないか……かしら？」
（不思議な事は嫌いではないけど……寝子島を脅かす存在の事も考えると、ね）
フジコ先生はわかったわ、と頷き、精神を集中させて水晶玉のまわりに手を当てる。
「見えたわ。困難も少しは起こるけれど、きっと解決して行けるだろうと出たわ」
「起るけれど、解決して行ける……」
「楽しいことや、平穏に過ごせる日常は、天から降ってくるものじゃなくて、自分たちの手で作っていくものよ。そのためには、揉まれることも必要。若いんだから、いろいろ経験なさ～い。一日一日、一歩一歩の積み重ねよ」
「自分たちの手で――」
フジコ先生の言葉を、反芻する。
「ありがとうございます、先生」
◇
続いてやってきたのは、星幽塔の住人アイオ・キャンドライトであった。
（星幽塔世界にも占いで生計を立ててる方はいましたけど、ネコジマにもこんな所があるなんて……）
フジコ先生の堂に入った佇まいに、わりと本格的な占いの館だと勘違いしている。
「こんばんはですわ」
「あら……見かけない子ね？ どうぞ。お名前は？」
「えーっと……1年生の喜矢武(きゃん)あいおですわ……」
適当に誤魔化し、フジコ先生の前に座る。
「それで？ 何を占って欲しいの～ん？」
「はい。ご相談なんですが、アイオの将来の御相手を……彼氏いない歴159年……」
「159年？」
「あ、いえ15年なので」
あぶないあぶない。本当のことを言ったらびっくりされてしまう。
幸いフジコ先生は、彼氏いない歴15年の方で納得したようだ。
「彼氏が現れるかどうかを占ってほしいのね」
「はい！ 希望のタイプは優しくて(必須！)、明るい性格で(これも必須ですわ)、腕っ節が強くて(モンスターとの戦闘もありますし)、家のお店（星幽塔１階の住み込み先）を手伝ってくれるぐらいには炊事が出来て……あと猫好きな方がいいですわ」
「フジコ☆ラブハリケーン！！！！」
まくしたてたアイオに、フジコ先生はにこやかにラブハリケーンを繰り出した！
「きゃああ～！ ちょっと条件が多すぎましたか？」
「あったりまえよ～ん！ 年収600万以上ですらりとした筋肉質でイケメンで性格のいい彼氏求むっていうくらい条件多すぎ！ そんな男がいたらアタシがいただくわっ！！」
ぶちかましたフジコ先生だったが、
「でもま、気持ちはわかるから占ってあげる♪」
そう言って、水晶玉を覗き込む。
「む～ん……これは……」
「水晶玉には何が……？」
アイオは恐るおそる尋ねる。すると。
「間違いない。猫ね。それも真っ白な猫」
「猫が映ってるのですか！？」
あわわわわ、とアイオは慌てて立ち上がった。
（アイオの正体がほしびとだとバレてしまいましたわ！ フジコ先生はやはり本物の能力者だったのですねー！ バレてしまったのなら戻らなくては……ああ、さよならネコジマ……）
嘆いたそのとき。
「にゃー」
散歩に来た校長先生の白猫ユキがひょいっと机の上に飛び乗って興味深そうに水晶玉を覗き込んだ。
「あらやだ。このコが映り込んでいただけだったわ」
「なっなんだ、びっくりしましたわ……いえなんでもないのですわ。改めて何か見えてますか……」
ドキドキ。
「うーん……ごめんなさい、現時点ではムリ、という暗示が出てるわ。１００年後なら……って感じだけど、さすがに１００年は生きられないしね～？」
（生きられるかもしれませんけど……彼氏ができるの、１００年後ですの！？）
「アタシが言うのもなんだけど、占いって当たるも八卦当たらぬも八卦って言うから落ち込まずにね。条件を変えたらあっさり出来るかもしれないし～とりあえず、条件を『猫好き』だけにするとか！」
「どれも必須ですわ！」
アイオに彼氏は出来るのか！？ それは今後のお楽しみである。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2019年05月18日
- 参加申し込みの期限
-
- 2019年05月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2019年05月25日 11時00分
