反逆のマシーンズ｜リアクション

反逆のマシーンズ

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　首魁を探して駆け回っていたサキリ・デイジーカッターは、暴走機械たちに取り囲まれていた。
　冷蔵庫に、掃除機に、電動自転車、マルチコピー機。
　なかなか多彩な面々だ。
（たまたま合流したのか、それとも……護衛か？）
　視線を巡らせるサキリに、電動自転車がモーターを唸らせて突っ込んだ。
　地面を転がってかわせば、象が鼻を振りまわすみたいにヘッドを振りまわして掃除機が襲いかかる。
　マチェットの峰でヘッドを弾き返し、
「この辺りで暴れるのを止めてくれないか。お願いだ」
『うるせえ！　オレは熱く生きるんだ！』
　肉食獣が食らいつくように、扉を激しく開閉させて突進する冷蔵庫。
　身を屈めて扉をかわせば、野菜室の引き出しが繰り出された。
　引き出しを蹴り、その勢いで跳んで距離を取る。
『雑に扱われるのは、もうこりごりなんだよ！』
　蓋を全開にしたマルチコピー機が猛追、スキャン用のランプ光を放つ。
　背後へ転移し、光を逃れて視覚をガード。
「人間に不満があるのはわかった。でも今なら、それを言葉で伝えることもできるはずだ。だからこれ以上暴れるのは――」
『いやだって言ったらぁ！？』
　ウィリー走行じみた体勢で、電動自転車が突撃。
　サキリが目を眇める。刃物のように、鋭く。
「だったら」
　モーター部分へ、強烈な蹴りが一撃。
　バランスを崩した電動自転車のフレームに、マチェットを突きつける。
　説得はした。それでも人間を敵に回すというなら。
「お前ら全員、資源ゴミにしてやる」
　電動自転車が怯んだ刹那に、サキリの姿が消える。
　音を立てて風が吹いたかと思うと、電動自転車の背後へと転移している。
　二刀の輝く赤刃が閃き、一拍遅れてフレームがバラバラに地面に転がる。
　他の暴走機械たちが、ノイズ混じりのうめき声を上げた。
　直後、バターよりも容易く、彼らの身体は断ち切られていた。
　両のマチェットを軽く払うサキリ。
　近くの物陰から聞こえたかすかな物音に、すかさず転移する。

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