「……なにかしら。あれ」
エヴァ・ブランシェがその日目撃したのは、なんとも奇妙な光景だった。
「きゃーっ、助けてー!」
『いつもいつもこき使いやがって! もうガマンならねえ!』
「冷蔵庫……?」
冷蔵庫が人を襲っていた。
無論ただの冷蔵庫ではないのかもしれない。
四角いボディには機械の手足が生えていて、どうやってかひとりでに動き回っているし、恨み言まで叫んでいる。
しかしその言葉を聞くと、どうやら襲われている主婦らしき女性とは、旧知の間柄であるらしい。
「お野菜だってお肉だって、あんなに冷たくしてくれていたのに……どうしてなの!?」
『うるせー、冷やすだけの毎日には飽きたんだ! これからは熱く生きるぜ!』
「機械の反逆というわけ?」
つぶやいたエヴァは後に知ることになるが、実はこの日寝子島の各地で、冷蔵庫のみならず洗濯機、掃除機、テレビにパソコンなどなど、様々な機械たちが自分勝手に動き出し、人類に反旗を翻すという事件が起こっていた。
と、
「ふふふふ……」
「……! あれは」
エヴァは向こうの物陰で、不敵な笑みを浮かべつつ事の成り行きを観察している人物がいることに気づいた。
人物、というには少々語弊があるかもしれない。
外見は妖艶な佇まいの若い女性だ。しかしその頭には狐の耳が、腰にはふさふさの尻尾が揺れていた。
「この『狐悪魔のテイルス』様にかかれば、こんな小さな島に混乱を巻き起こすことくらい、ワケないわ。ふふふふ……」
どうやらまたしても、悪魔が寝子島に不穏な事態を引き起こそうとしているようだ。
「厄介なことになりそうね……!」
エヴァはぐっと拳を握り締めた。
こんにちは、よろしくお願いします!
エヴァ・ブランシェさん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
『狐悪魔のテイルス』と名乗る悪魔が、寝子島で暗躍しています。
彼女は機械に命を与える能力を持っていて、家電製品を始めとしたあらゆる機械が自我を持ち、
人を襲い始めたのです。
今はまだ寝子島の一部で起こっているのみですが、やがて事態が大きくなれば、
ねこったーなどでまたたく間に噂が広がり、常識は崩れ去り、島のフツウが壊れてしまうことでしょう。
迅速に事件を解決へ導いてください!
アクション
アクションは主に、以下のどちらで行動するか、選んでください。
◆A:暴れ出した機械に対応する
悪魔の力を受けると、機械には手足が生え、自我を持ち、自由にしゃべることができるようになります。
どの機械が動き出すのかは、ランダムです。
身の回りの機械が全て動き出すかもしれないし、お気に入りの一つが動き出すかもしれません。
あるいは、機械が暴走して人を襲っている場面に出くわすことになるかもしれません。
動き出した機械たちは、概ね人間たちへの不満を持っていて、
周囲の人間に襲いかかります。
殴る、蹴るなどの衝撃を与え、強制的に鎮圧することは可能です。
ある程度のダメージを与えれば、悪魔の力が抜け、機械は元に戻ります。
機械が壊れてしまったりはしないので、ご安心を。
(持ち帰る手間はありますが……)
あるいは、話し合いに持ち込み、説得することもできるかもしれません。
自分の役割に納得すれば、機械は在るべき場所へと戻ります。
◆B:『狐悪魔のテイルス』をやっつける
悪魔は主に、シーサイドタウン界隈で活動しているようです。
住宅やお店など、機械を見つけては力を使い、命を与えてまわっています。
戦闘においては、本人はあまり強くありませんが、動き出した機械を護衛として使います。
また、自身の妖艶さを活かした色仕掛けも得意です。
悪魔だけあってか、その誘惑は非常に強力で抗い難いため、注意が必要です。
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!