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【星幽塔】第一階層 突然……summer vacation!
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●月光の中の愛
美しいほしびとの青年2人が、夕暮れに賑わう城下町の通りを並んで歩いていた。
が、しかしその片方、精悍な顔立ちの青年
ベルラ・ガーネブラッディ
は面白くなかった。
(おちびさんのこの姿は……目立ちすぎじゃないか?)
スクスクキャンディで青年になった
シーナ・キュクノス
。前々から澄んだ美しさを持つ少年だとは思っていた。それが成長すると、こんな匂い立つような青年になるのか。
跳ねるような短いポニーテールはしっとりと長く、彼の白い首筋に垂れている。美しい灰色の瞳に浮かぶ聡明さは隠しようがなく、艶やかな唇には穏やかな微笑が浮かんでいた。
純粋さが表立っていた少年の時と違い、目の前のシーナは明らかに大人の色気を纏っている。だからだろうか。通りを歩く人々は吸い寄せられるようにシーナを見ている気がする。
そしてその気持ちは分かる気がした。こんな嫋やかな美しさを持った青年は、誰も目が離せない。そして……俺も。
自分に戸惑うベルラはふと近い視線に気が付いた。それは背も高くなりすぐそこにあるシーナの視線。そちらを見るとシーナが自分ににこりと笑う。その笑顔を受け止めた時、ベルラは独占欲に襲われた。―――俺のだ、と皆に言ってしまいたい。
「……一旦此処を離れるとするか、シー君」
ベルラは色々な想いを抑えつけ、低い声で言った。自分の大事な物をこれ以上人々に見られたくなかったのだ。
嗚呼、もしも初めからこの姿だったなら。何にも囚われず、幼き少年の往く道を摘むなど考えもせずもっと早く、素直な気持ちをそのまま伝えられたのだろうか。
―――シーナ。
しかし当のシーナも、心中は穏やかではなかった。
(……周りに見られてる気がするのは、ベルラのせいだよね)
ピチピチキャンディでだいぶ若くなったベルラ。シーナは感じていた。周囲の視線が精悍な青年ベルラに向けられている事を。そしてそれは当然だと思った。
(ベルラは何時もかっこいいのに、若いベルラは何か、こう……ズルいくらいかっこいい)
元々鍛え上げていた彼の体はしなやかな筋肉を纏い、若さに満ち溢れている。夕日にキラキラと輝く藁色の綺麗な長い髪。そのカーマインの瞳は未来を見据えるように真っ直ぐに前を見て。
シーナはさっきからドキドキしっぱなしだった。けして見る事ができないと思っていた貴方の昔。そこに今僕は寄り添っている。
(でも……みんながベルラを見るのは正直面白くないなぁ)
もやもや。シーナはそれを言葉に出す事はなくベルラを見つめていた。いつもよりとても近いベルラの顔。背が高くなると貴方をこんなに近く感じる事が出来るのか。
その時ベルラがふいにシーナを見る。シーナは少し頬を染めながらにこりと笑った。
「……一旦此処を離れるとするか、シー君」
ベルラが呟く。その少し苦しそうな表情には気付かず、シーナは「はい」と迷わず答えた。ベルラを見る人達から、少し離れたかったのだ。
ベルラが減る訳じゃないんだけど……やっぱり嫌なんだ。
湖に着いた頃には、空に澄んだ月と星が煌めき、柔らかく白い光を湖面に落としていた。
「ここなら少し落ち着けるな」
そう言ってベルラは湖畔に座った。昼は遊泳の客で賑わっていたのだろうが、今は誰もいない。代わりに神秘的な静けさが周囲を満たしていた。
シーナもベルラの隣に座った。そして靴を脱ぎ、湖にその白い足を浸す。ふうっとほぐれた表情を見せた。
「気持ちいいですよ、ベルラ」
「そうか」
ベルラは柔らかい闇の中軽く頷き、自分もブーツを脱ぎ捨て湖面に足を浸けた。じんわりとした冷たさが2人を包む。彼らは暫く湖を眺めながら静けさを楽しんでいた。
「……そうそう、ちびへずっと聴かせようと思ってたんだ」
星々のさざめきすら聞こえそうな静寂の中、ベルラの深い声が夜と溶け合うように響く。そして彼が静かに何かを取り出した。
「オカリナですか?」
青年シーナの瞳が輝く。ベルラが頷いた。
「良い機会だ。聴いてくれるかね」
「本当ですか! 是非!」
思い出されるのは妖精の森で花と話した時の事。ベルラは少し気になっていたのだ。
(今度はおめぇさんに奏でよう―――俺の想いを込めて)
湖面に流れるように響くのは、静かな愛の調べ。
それは剣を握る無骨な指から奏でてるとは思えない程、繊細で。
彼の優しさが、溢れる愛が、素朴なオカリナの音色になってシーナを包む。シーナはぎゅうと胸を掴まれたようになり、切なさに息が詰まった。
優しい音。ベルラみたいな、僕の、好きな音。
(だいすき)
調べが終わると同時にシーナの心が弾けた。シーナは溢れる想いのまま、ベルラに抱きついた。が、いつもと違っていたのは今のシーナはおちびさんではなかった事で。
20代前半の青年が勢いよく20代後半の青年に体を預けたらどうなるか。
2人はバランスを失い、そのまま湖に落ちてしまったのである。
シーナを抱き留めたまま、ベルラに抱き留められたまま、湖に沈む。深い金色と黒色の美しい髪が、湖水に幻想的に舞う。2人は柔らかな水の中、強く抱き合い、互いの瞳を絡ませながら湖面へ上がった。
濡れそぼった漆黒の髪が美しかった。月光を浴び艶やかに輝くそのシーナの髪を、ベルラは愛おしげに指に絡めた。怖かったんだ、いつも。華奢なお前を壊してしまいそうで。―――でも、今は。
「おめぇさんは言ってくれた。いつまでも、傍にいると。……俺はそんなちびに本当に救われてたよ」
そう言うとベルラはシーナの髪にゆっくりと口付けをする。そしてカーマインの瞳がひたとシーナを捉えた。
「Ego amo te…………愛してる、シーナ」
「ベル……」
シーナは息が出来なかった。唇だって震えたままだ。ただただ愛しい人の姿を己の瞳に映し続ける。その姿はすぐに滲んだ。
涙が零れ続けた。
嬉しすぎて。幸せすぎて。ああ僕はこの人の前ではなんだか泣いてばかりだ。
「また、泣かせてしまったな……」
ベルラの深く熱い声が耳を震わす。シーナの美しい涙をベルラは唇で掬い取った。
体温の分かる距離。ベルラの優しい唇は愛撫のように何度もシーナの頬に触れ、最後にそっと、唇に触れた。
シーナはそのままだった。濡れた美しい唇を誘うように小さく開いている。熱い予感に少しわななきながら。それは美しい花。ベルラはその花の香りに蕩けるように、何度も小さく啄むと、熱い蜜に深く深く分け入った。
この姿が月光の魔法だとしても。束の間でも。俺はお前を思いきり愛したい。
熱い。
シーナはベルラの深いキスを受け止め続けていた。
湖に浸かる体は冷えていく筈なのに、シーナは芯から溶けてしまいそうな熱に浮かされている。この火照った熱を、2人で分け合い続けているのだ。
容赦のないキスが嬉しかった。背伸びしなくても、貴方の頭を抱きしめられるこの距離が。
そして、切なかった。いつか元に戻ってしまう事が。貴方への愛は何も変わりがないのに。
お願い、やめないで欲しい。シーナは縋るようにベルラの首に腕を回した。
お互いの時を超え、月光の下で交わる2人の青年。その姿は神々しく、切なく、美しかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年04月18日
参加申し込みの期限
2019年04月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年04月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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