【星幽塔】第六階層　ウィッチパーティーへようこそ｜リアクション

【星幽塔】第六階層　ウィッチパーティーへようこそ

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「そろそろ……ですね」
　フローレンスが、名残惜しげに空を見上げる。
　気付けば、第六階層の空は赤く染まりだしていた。
　たくさんあったお菓子もお茶も、もうすっかりなくなってしまっていた。
「皆さん、今日は本当にありがとうございました」
　つば広帽を取って、ぺこりと一礼。
　ゴーレムと銀の使い魔が、揃って同じように一礼する。
　それでは、と言いかけたところで。
　日和がガタっと席を立つ。
「フローレンスさん、今日はお招きありがとう」
　メリィにリリエル、瑠樹がそれに続いた。
「フローレンスさん、とっても楽しい時間をありがと！！」
フローレンスさん、今日はお茶会への招待ありがとうございました！見たことのないお菓子や余興ですごく楽しかったです！」
「とっても楽しかったよぉ、ありがとうなぁー！」
　そうしてお礼の言葉が、いくつも連なって。
　フローレンスは、こらえきれなくなったみたく帽子をぎゅっと被りなおした。
　そうだ、とこぼした声は、どこか震えていた。
「皆さんに、お土産があるんです」
　合図をすると、ゴーレムと使い魔が小さな箱を人数分抱えてやってきた。
　ぱこっと開いたかと思うと、中こら飛び出してきたのは小さな――ぬいぐるみくらいのサイズのゴーレムだ。
　おおっ、と。修と月詠が目を光らせる。
「小さいですけれど、ちょっとした仕事のお手伝いならできると思います」
　そう話している間にも、ゴーレムたちは皆のもとへ。
　てくてくやってきたゴーレムを抱えあげ、瑠樹が思わず和んでしまうような笑みを浮かべる。
「ありがとぉ！　また、フローレンスお姉さんや皆とお茶会できると嬉しいねぇ！」
　その言葉に、「あの！」とリリエルが手を挙げる。
「よければ今度は、ウチの店でお食事会もやりませんか？　その時は精一杯おもてなしをさせてもらいます！」
　また、なんて。今度は、なんて
　それはきっと、フローレンスには思ってもみなかった嬉しい言葉で。
　つかの間、舌がもつれたように言葉を詰まらせて。
　それから、ゆっくりと頷いた。

◆　
　一人また一人と、庭園を後にする。
　そうして最後まで残っていた日和が、フローレンスに声をかけた。
「今日のお礼と言ってはなんだけど、良かったら」
　そう言って取り出したのは、愛用のヴァイオリン。
「私のヴァイオリン、聞いてください♪」
「……ええ、是非」
　日和の奏でる、穏やかな音色は。
　フローレンスがうなされ続けていたあの時、彼女を癒してくれたものだから。
　そのことを、覚えていたから。
　だから。
「また聞かせてもらえて、嬉しいです」

　夕暮れの庭園に、ヴァイオリンの音色が穏やかに響き渡っていた。

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あとがき

担当マスター：風雅宿
ファンレターはマスターページから！

皆さんのフローレンスへの心遣い、お気遣い、風雅の心にも染み入るようでした。
フローレンスの招待に応じてくださった参加者の方々に、何よりの感謝を。
そしてこのお茶会が、皆さんにとっても楽しいものであったなら幸いです。

ところで、今回お土産としてゴーレムをお渡しさせていただきました
そちらについての概要を、以下に記載させて頂きます

○機能
・命令に従っての自律稼働
・ある程度の学習能力

○どのくらいまでのことなら可能か
・家事やお店の手伝い
・冒険に随伴しての荷物持ち
・今回のフローレンスのように一芸を仕込む

○注意点
・星幽塔以外には持ち出せません

それでは、またの機会に。

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