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檜山 立樹
と
氷華・クルバトフ
は、並んで街を歩いていた。
今日は、以前からの約束で、2人でお出かけ。
書店へ赴き、本を買う約束なのだ。
「今日、晴れて良かったですね。その、雨だと本、持ち帰るの大変ですし」
「うん、そうだね。良かったよ」
少し硬い表情と声でそんなことを言う氷華と、にこやかに応じる立樹。
しかしお互いの心の内側は、傍目からの様子とは、些か食い違っていた。
(檜山さん、楽しんでくれるだろうか)
向かう書店を決めたのは、内心ではそわそわしている氷華の方だ。
(大丈夫、のはずだ。本だって、檜山さんが面白いと思ってくれそうなものをピックアップしたし)
という、気合の入り具合。
表情や声の強張りは、幾らかの緊張がそうさせているだけで、氷華、ちょっぴり張り切っている。
逆に、もう一方の立樹は、
(氷華さんがどんな本が好きか分かるのは嬉しいけど……)
と、整ったかんばせを彩る笑顔の裏、内心には眉を少し下げていた。
(俺はあまり学がないから、話についていけるかちょっと不安だなぁ)
氷華による立樹に喜んでもらうための準備は万端なので、恐らく、その心配はないだろう。
立樹の知る由もないことだが、本日のお出かけの成功は、こっそりと約束されていた。
――その花びらが、氷華の頭の上に、ふわと舞い落ちるまでは。
(……? 何だ?)
談笑の途中、氷華はふと、違和を覚えた。
(檜山さんのことが、とてつもなく好きだ……)
氷華は、立樹に恋をしている。
だから、『好き』と感じること自体は当然なのだけれど、
(無性に、好きと伝えたい)
そんな想いが、不意に、湧き上がってきたのだ。
氷華は、「いや、駄目だ」と胸の内で、首を横に振った。
(この気持ちを抑え、檜山さんに気に入ってもらえる本を見つけることに集中しよう)
それが、氷華の出した結論。しかし――、
(なんだろう、いつもより氷華さんとの距離が近い気がする……)
氷華に起こった異変は、彼女自身も知らぬ間に、常の距離感を失わせていた。
立樹は、ひっそりと思案する。
氷華との距離は、立樹から縮めない限り、こんなに近くはならなかった。……今までは。
(……これは、期待していいんだろうか。いやでも、ただの思い込みかもしれない)
彼女は天然な部分もあるからなぁ、としみじみ思い返していたら、
「……今日は、檜山さんと出掛けられて、嬉しいです」
と、ぽつり、氷華が言った。
ああほらもう! と、心の中で身悶える立樹。
(そうやって、男が勘違いしそうな言動を!! がんばれ俺の理性!!)
自分で自分を励ましながら、立樹は、頭の隅っこで、
(悪い男が寄ってこないか、ちょっと心配だよ……)
なんてことも考えて、ごく密やかに、細いため息を吐いた。
「ほら、着きましたよ」
それぞれの想いを抱えながら、やがて2人は、書店へと辿り着いた。
「へえ、素敵な店構えだね」
「ですよね。品揃えも良くて、よく来るんです」
言って、氷華は迷うことなくある棚の前へと、立樹を誘う。
「あの! このファンタジー小説とか面白いですよ。文章もわかりやすくて……」
厳選に厳選を重ねた本を立樹にプレゼンする氷華だったが、
(っ……氷華さん、やっぱり近いよ……!)
と、立樹の方は、それどころではない。
氷華、花びらの影響で、無意識に立樹との距離を詰めまくっているのだ。
暫くのあと、氷華はその事実に、はたと気付いた。
立樹の顔が、ごく至近距離にある。
どうやら自分から近づきすぎたらしい、ということも見て取れた。
「す、すいません……」
急いで距離を取り、もごもごと言う。
書店の中は冷房が効いているのに、頬が火照った。
(好きだとはいえ、いくらなんでも近すぎだ)
どきどきと跳ねる心臓を持て余しながら、氷華は「あの、」と声を零した。
「次の店に、移動しましょうか」
店を出ると、じきに、人通りが多くなってきた。
ぎゅ、と、立樹の服の裾を掴む氷華。
くるりと目を丸くして、立樹は、氷華の方へと顔を向けた。
「氷華さん?」
「……檜山さんから離れたくないと思って」
口にしたあとで、はたと我に返る。
(こんなの傍に居たいと言ってるようなものじゃないか! 何を言ってるんだ!)
一方の立樹も、
(氷華さん、またそういうことを! 勘違いしちゃうじゃないか……!)
という具合で、胸の内で、理性との殴り合いだ。
もう少し、もう少し打ち解けられたら……と小さく拳を握ったところで、
「いや、あの……そう、はぐれると困るので!」
と、氷華が、先の台詞への言い訳を思いついた。
「あ、ああ、そうだよね。この人混みだもんね」
「は、はい……」
ぎこちなく笑い合って、2人はそのまま、次の書店へと向かった。
そして、お別れの時間。
「氷華さん、ありがとう。今日は楽しかったよ」
にこりと笑んで立樹はそう言ったが、
「……氷華さん?」
氷華は、浮かない顔で俯いていた。
花びらの効果で、別れが余計に名残惜しいのだ。
気持ちを伝えたい、という感情が、抑えようもなく膨らむ。
気付けば氷華は、
「――檜山さんが好きです」
はっきりと、そう口に出していた。
まさかの言葉に、耳を疑う立樹。
(本当に? いや、でも今日は様子がおかしかったし、一時の気の迷いかもしれない)
ぐるぐると、考える。
一方の氷華は、言葉を漏らしたあと、不意に冷静を取り戻していた。
――告白する気なんてなかったのに、声に出してしまった。
謝ろうと面を上げて、そのまま凍り付く。
「本当に俺でいいの?」
と、立樹が言ったのだ。
氷華には、悲しそうに見える顔をして。
頭が、真っ白になる。
(自惚れていただけだったんだ)
自分は彼にとって、客の一人に過ぎなかった――。
「ごめんなさい忘れてください」
早口でそれだけ言って、氷華は、逃げるようにその場をあとにした。
(私は、どうしたら……)
そんな煩悶に、胸をズキズキと痛ませながら。
あとには――立樹だけが、ぽつりと残された。
(……なんで、あの時、)
自分は彼女に、そのまま「好きだ」と言えなかったのだろう。
どうして、強く抱き締めることが、できなかったのか。
こんな年の離れた大人より、一緒に過ごせる相手がいいんじゃないか、と。
そんな気持ちが邪魔をして、氷華の告白に、応じることができなかった。
その事実が、眼前に重々しく立ちはだかって、立樹の心を責め立てる。
(なんで……)
今は後悔の念ばかりが、立樹の胸に、ただひたすらに渦巻いていた。
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あとがき
担当マスター:
巴めろ
ファンレターはマスターページから!
お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!
いや~、らぶはいいですね!
執筆中、心に潤いがチャージされるような心持ちがいたしました。
心に残るひとときとなっておりましたら、とてもとても嬉しいです!
重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
この度も、本当にありがとうございました!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年04月02日
参加申し込みの期限
2019年04月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年04月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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