【星幽塔】第一階層　はぐれ怪鳥と騒乱の暴風｜リアクション

【星幽塔】第一階層　はぐれ怪鳥と騒乱の暴風

「まだよ、まだ終わってない！」

　弱ったヴォラティルの身体に矢を放ちながら、桜は声を上げる。彼女の矢が急所に命中したのか、ヴォラティルは呻き声を漏らしながら町の外に逃げるべく羽を動かした。

「いっけぇー！」

　奇しくも武道と桜の声が重なり合いながら、ヴォラティルに最後の一撃を加える。ヴォラティルは腹の底からぐぎ、ぐぎぎぎぎ……という奇怪な鳴き声を響かせると、のろのろとどこかに向かって飛び立った。それを追うランドルの飛行も、ヴォラティルが巣か、別の町か――別の場所を目指していること、そして攻撃の意志がないことを悟ると止まり、グレッグを町中へと連れ戻す。

「逃げ、た……？」
「良かった……」

　武道は内心ほっとしつつ、妙子ははるか遠く、小さくなった極彩色の翼を眺めながらこう呟いた。しかしティオレは、どこか神妙な面持ちでそれを見ている。

「……まずいわね」

　若者もティオレに同感なようで、無言のまま頷いた。そうして、ティオレたちに向き直ると頭を下げる。

「……ともあれ、本当にありがとうございました」

　それを見たグレッグは頭を掻きながら、ヴォラティルの去っていった方を一瞥し、次に若者たちの顔を見た。

「まあいいけどよ。なんでこうなったか、心当たりあるやつはいねぇか？」

　彼の言葉を聞くと、若者たちは顔を見合わせて考え込んだ。

「さあ……あの鳥のことはよくわからないっすけど……」
「風の噂で、近くの森に似たような鳥の群れを見かけるようになったって話なら……」
「ただ討伐するにも……ちょっと……」

　若者たちの言う情報を聞きつつ、グレッグは腕を組み、暫し俯いてから顔を上げる。

「なるほどな。まぁ……手伝うぜ？」

　それを聞くと、若者たちの顔に仄かに希望の光が差し込んだ。

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あとがき

担当マスター：六原紀伊
ファンレターはマスターページから！

お久しぶりです。リアクション非常にお待たせして本当に申し訳ございませんでした。
大人の事情で戻ってまいりました。六原です。
皆さまのお陰で無事怪鳥は撃退されました。本当にありがとうございました。

怪鳥は一度巣に帰ったのか、また別の町に移動したのか――それはわかりません。
また別の機会に討伐されるかもしれません。

参加ＰＣの皆様は報酬としてそれなりの額のお金と、【怪鳥の羽】【怪鳥の爪】が貰えます。
アイテムの効果は以下の通りです。

怪鳥の羽：怪鳥ヴォラティルの羽。極彩色で頑丈。装飾としても使えそうだ。【魔風の光】の効果を増幅させる力がある。
怪鳥の爪：怪鳥ヴォラティルの爪。特別な効果はないが、ピカピカしているため装飾に使えそうだ。

この度はご参加ありがとうございました。

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