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- 00月00日生 00歳
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定食屋『おにざき』でお食事を
三折部 朝衣は、午後８時にタイムカードを押して役所を出た。
「うーん」
職場の外に出て思い切り伸びをする、と同時に。
（お腹すいた……）
自転車乗り場で自転車に乗り、さてどうしようかと考える。
（うちまで我慢するか、それとも途中で食事するか……？）
役場にはもちろん食堂があるけれど、仕事が終わった後まで職場で過ごしたくはない。
（どうせ外で食べるなら、いろんなお店で食べるほうが楽しいし）
旧市街の自宅へ向かう途中、参道商店街で『おにざき｣の看板が目に入った。
（ここで食べよう）
なぜかそういう気になったので、自転車を止めた。
スマホで自宅の母に「外で食べる」と連絡を入れる。
「おつかれさま。気をつけてね」
と返事が帰ってきた。
店内に入ると混んでいた。
（けっこう繁盛してるのね。待たされるかな）
と思ったら。
「あれー、朝衣ちゃんじゃない？」
と呼ばれた。
「えっ？」
呼ばれた先を見ると、高校時代から変わらない久保田先生と相原先生の姿があった。
（その日のうちに来てくれるとは、ろっこんが予想以上に効きましたね）
昼に先生にろっこんを使ったあやめはほくほくしている。
「久しぶり～、一人？ 座って座って」
そのまま相席になった。
「いらっしゃいませ。ご注文は何になさいますか？」
つくしが注文を取りに来た。
（考えてみれば、相原先生がここにいる間はお兄ちゃんと会う心配がありません）
そんな結論に達して少し態度を改めている。
「あたしたちは日替わり定食を頼んだところだけど、よかったら別なのを頼んでシェアしない？」
「猫島定食お勧めよ。サンマさん定食でもいいけど」
二人は口々に勧めてくる。
「いいですね。じゃあ猫島定食お願いします」
「あと玉子プリン美味しいわよ」
「あ、じゃあそれも」
注文を取り終えてつくしが帰っていく。
やけに先生たちがお勧めしてくるのを不思議に思った朝衣が、
「先生たち、ここはよく来られるんですか？」
と訊くと、
「そういうわけでもないけど、生徒が頑張ってるし……昼もここでコイバナをね」
「コイバナですか。懐かしいですね」
朝衣が高校生だった頃も、美和ちゃん先生は授業のたびにコイバナをしていた。
その当時は別世界のことのように思えたけど、少し大人になった今では、美和ちゃん先生のコイバナはずっと身近に感じられる。
（久々に先生のコイバナを聞くのもいいかも）
と思っていたら。
「他人事みたいに言わないで、朝衣ちゃんもコイバナ聞かせてよ！」
「そうねえ、美和ちゃんのコイバナはもうお腹いっぱいだし」
「ひどい！ でも朝衣ちゃんのコイバナ聞きたい」
先生の立場を忘れたように美和ちゃんは屈託がない。
（まあ、元からこんな感じだったけど）
「あたしのコイバナですか？ 高校の時の話になりますけど、それでよければ」
「聞きたい！ もしかして校内恋愛？」
美和ちゃん先生が身を乗り出した。
「うん……でも出会ったのは中学３年の夏休みで、相手は一つ上の先輩だったんです」
「ええーっ、そうだったの？」
「受験のストレス解消に友達と海へ行った時に出会ったんですけど、波に乗る姿がかっこいい、というより美しくて」
「うんうん、それで？」
……気が付くと、先生たちだけでなく料理を運んできたののこまで耳をダンボにしていた。
「野々さん？！ すみません！」
慌てた英二が駆けつけて、ののこは引っ張られていった。
「どうぞ食べながら話して」
「……ええ。いただきます」
美味しいご飯を楽しみながら話すのは、おしゃべり好き女子の必須スキルである。
「それがきっかけでサーフィン部に入り、そこで再会して運命を感じたんです……」
「素敵！ あ、しらす丼食べて、美味しいわよ」
「あ、じゃ私のもどうぞ……それで、急速に距離が縮まって、高校１年の夏休みにはもうファーストキスを経て……」
赤面しながら小声で話す朝衣。
「少女から女になっちゃったのね……」
興味津々の先生たちの顔が近い。
あの頃は、まさか先生たちにこんな話をすることになるとは夢にも思わなかったな、と朝衣は思う。
「そっか、自然消滅は１０代の恋にはよくあるわよね……それで、今はどうなの？」
「え……あ、このプリン美味しいですね」
とっさに返事できずにいると、美和先生がああ……という表情になって、朝衣に顔を近づける。
「もしかして……不倫してる？」
「してません！」
「それならいいけど。不倫はいいことないわよ。だまされちゃだめよ」
「だから、ありえませんって」
（なんか以前も似たような展開が……？）
と思いながら朝衣は全面否定するのだった。
「うーん」
職場の外に出て思い切り伸びをする、と同時に。
（お腹すいた……）
自転車乗り場で自転車に乗り、さてどうしようかと考える。
（うちまで我慢するか、それとも途中で食事するか……？）
役場にはもちろん食堂があるけれど、仕事が終わった後まで職場で過ごしたくはない。
（どうせ外で食べるなら、いろんなお店で食べるほうが楽しいし）
旧市街の自宅へ向かう途中、参道商店街で『おにざき｣の看板が目に入った。
（ここで食べよう）
なぜかそういう気になったので、自転車を止めた。
スマホで自宅の母に「外で食べる」と連絡を入れる。
「おつかれさま。気をつけてね」
と返事が帰ってきた。
店内に入ると混んでいた。
（けっこう繁盛してるのね。待たされるかな）
と思ったら。
「あれー、朝衣ちゃんじゃない？」
と呼ばれた。
「えっ？」
呼ばれた先を見ると、高校時代から変わらない久保田先生と相原先生の姿があった。
（その日のうちに来てくれるとは、ろっこんが予想以上に効きましたね）
昼に先生にろっこんを使ったあやめはほくほくしている。
「久しぶり～、一人？ 座って座って」
そのまま相席になった。
「いらっしゃいませ。ご注文は何になさいますか？」
つくしが注文を取りに来た。
（考えてみれば、相原先生がここにいる間はお兄ちゃんと会う心配がありません）
そんな結論に達して少し態度を改めている。
「あたしたちは日替わり定食を頼んだところだけど、よかったら別なのを頼んでシェアしない？」
「猫島定食お勧めよ。サンマさん定食でもいいけど」
二人は口々に勧めてくる。
「いいですね。じゃあ猫島定食お願いします」
「あと玉子プリン美味しいわよ」
「あ、じゃあそれも」
注文を取り終えてつくしが帰っていく。
やけに先生たちがお勧めしてくるのを不思議に思った朝衣が、
「先生たち、ここはよく来られるんですか？」
と訊くと、
「そういうわけでもないけど、生徒が頑張ってるし……昼もここでコイバナをね」
「コイバナですか。懐かしいですね」
朝衣が高校生だった頃も、美和ちゃん先生は授業のたびにコイバナをしていた。
その当時は別世界のことのように思えたけど、少し大人になった今では、美和ちゃん先生のコイバナはずっと身近に感じられる。
（久々に先生のコイバナを聞くのもいいかも）
と思っていたら。
「他人事みたいに言わないで、朝衣ちゃんもコイバナ聞かせてよ！」
「そうねえ、美和ちゃんのコイバナはもうお腹いっぱいだし」
「ひどい！ でも朝衣ちゃんのコイバナ聞きたい」
先生の立場を忘れたように美和ちゃんは屈託がない。
（まあ、元からこんな感じだったけど）
「あたしのコイバナですか？ 高校の時の話になりますけど、それでよければ」
「聞きたい！ もしかして校内恋愛？」
美和ちゃん先生が身を乗り出した。
「うん……でも出会ったのは中学３年の夏休みで、相手は一つ上の先輩だったんです」
「ええーっ、そうだったの？」
「受験のストレス解消に友達と海へ行った時に出会ったんですけど、波に乗る姿がかっこいい、というより美しくて」
「うんうん、それで？」
……気が付くと、先生たちだけでなく料理を運んできたののこまで耳をダンボにしていた。
「野々さん？！ すみません！」
慌てた英二が駆けつけて、ののこは引っ張られていった。
「どうぞ食べながら話して」
「……ええ。いただきます」
美味しいご飯を楽しみながら話すのは、おしゃべり好き女子の必須スキルである。
「それがきっかけでサーフィン部に入り、そこで再会して運命を感じたんです……」
「素敵！ あ、しらす丼食べて、美味しいわよ」
「あ、じゃ私のもどうぞ……それで、急速に距離が縮まって、高校１年の夏休みにはもうファーストキスを経て……」
赤面しながら小声で話す朝衣。
「少女から女になっちゃったのね……」
興味津々の先生たちの顔が近い。
あの頃は、まさか先生たちにこんな話をすることになるとは夢にも思わなかったな、と朝衣は思う。
「そっか、自然消滅は１０代の恋にはよくあるわよね……それで、今はどうなの？」
「え……あ、このプリン美味しいですね」
とっさに返事できずにいると、美和先生がああ……という表情になって、朝衣に顔を近づける。
「もしかして……不倫してる？」
「してません！」
「それならいいけど。不倫はいいことないわよ。だまされちゃだめよ」
「だから、ありえませんって」
（なんか以前も似たような展開が……？）
と思いながら朝衣は全面否定するのだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年01月31日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年02月07日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年02月07日 11時00分
