携帯戦記カプセルギア　ある日、公園でのカプギア風景。その２｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　ある日、公園でのカプギア風景。その２

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　かくして、どこにでもある、けれど人生でたった一度しかないギアマスター達のある一日は終わりを迎えようとしていました。

　マンモスさんは、そんなこんなで、高機動型ぐれーと☆まんもすはいまだ調整中ではありながらも、なんとかオタク達に一度勝利を収めることができました。
「「「「うわーん……！　調整中のくせに生意気だ！　おまえのかーちゃんでーべーそー！」」」」
　オタク達は口を揃えてだいたい同じ感じの捨て台詞を残して去って行きました。
「……うわあ。大人としてその捨て台詞はどうなんでしょうね……？」
　去りゆくオタク達の背中を見送りつつ、マンモスさんは一つ息を吐きます。
（計画はまずまず成功ですが、問題は山積みです。先の社会見学で、どうやらカプギアには神魂がらみのオカルトであるらしい気がしてきましたし……）
　そもそも、こんな凄いものをただの玩具にしておいていいのでしょうか。
（……私もカプギアは好きです。だから、コドモのアソビを守りたいという気持ちもあります。それだけにこれは非常に難しい問題なのですよ……）
　そこで、マンモスさんは再び思索に耽りはじめることになります。

「君、凄いわね……。楽しかったわ。ありがとう。またいつか相手をして貰えるかしら？」
　怜理さんは、対戦相手をしてくれた雪人くんにそう話しかけていました。
「いいよ。ギアバトルならいつでも大歓迎」
　と、雪人くんはやはり能面のような顔で、すでにスマホを弄り始めています。
　そんな彼を怜理さんはちらと見て、
（……なんて凄い腕前なのかしら。でも、同じ手は食わないわ。次は負けない）
　怜理さんは彼に対する新たな戦法を考え始め、そんな自分にはたと気づいて驚きました。
（……カプセルギア。私には向いてないと思ったけれど、なかなか面白いじゃない……）
　こうして、寝子島にまた一人、新たな頼れるギアマスターが誕生したようです。

　夏朝さんは、初めてのギアバトルに大変満足したようでした。
「ギアバトル、初めてだったけど、凄く楽しかった。ありがとう」
　夏朝さんは、年上ぶらずに、ギアでは先輩である子供達に率直なお礼を言葉を言いました。
「私も今日は楽しかった！　みんな、また遊ぼうね」
　と、真白さんも天真爛漫な笑顔を浮かべます。
「へへへ。お礼を言わなきゃなのは、こっちの方だよ。姉ちゃんたちのおかげで俺たちの【青】チームが勝てたわけだし」
　そう言ってショータ少年は照れ臭そうに鼻の下をこすりました。
　一方、負けてしまった、【赤】チームの方でも――。
「うひゃー、負けてしまったッス！　でも、おかげでトルーパーによる水中戦という貴重な体験ができたッス。ありがとうッス！」
　桐子さんが、一緒に遊んでくれた子供達にお礼の言葉を口にしていました。
「いやいや、こちらこそいい囮がいて……じゃなかった、頼りになるねーちゃんがいて助かったぜ。さんきゅーな」
　と、ユーゴ少年も、負けはしましたが満足気。
「すまない。軍師殿。私がもっと強ければ……」
　と、白燕さんが言えば、ユーゴくんは驚いたように目を瞬かせます。
「なーに言ってんだよ。お前は充分よくやってくれたって。サンゴクシとかはよくわかんないけど、カッコよかったぜ」
「そ、そうか……！　そうだぞ！　サンゴクナイトは強くてカッコいいのだ！」
　白燕さんはお友達のサンゴクナイトを褒めて貰えて、とても嬉しそうに微笑みます。
「よーし！　じゃあ、みんな、最後に私のDiablo Azulの得意技を見せちゃうよ！」
　蒼さんは、まだ余力がありましたので、最後に、ちょっとしたパフォーマンスを披露することにしました。
「行くよ！　Diablo Azulの240mm中距離用無反動キャノン砲には、こういう使い方もあるんだから！」
　蒼さんがスマホの画面を指でなぞり、空に向かって照準をあわせて攻撃ボタンをタップ！
　すると、Diablo Azulの両肩に備えられたキャノン砲が冷却ガスを排出しながら、ドン、ドン、ドンと景気のいい花火を打ち上げます。
「おお、すげえ！」
「俺もアレ持ってるけど、今度やってみようぜ！」
　ゲーマーな蒼さんならではのちょっとテクニックに、さっきまでライバル同士だったショータくんとユーゴくんは数十年来の友人のように、はしゃぎあいます。

　かくして、公園の景色は陽に暮れて、ギアマスター達は様々の想いを胸に、それぞれの帰路へと着いたのでした。

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あとがき

担当マスター：水月鏡花
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というわけで、ご参加頂いたＰＣの皆様、大変お疲れ様でした、ＭＳの水月鏡花です。
今回も、カプセルギアのスピンオフシナリオでした。

プールの水を使った水中戦、というコンセプトの本シナリオ。
実際にカプギアがあったら、絶対にやってみたいシチュエーションだと思うのですが、いかがでしたか？
頂いたアクションでは、水中戦というシチュエーションを楽しみつつ、カプセルギアに対するこだわりや深い考察が感じられるものもあったりで、改めて皆さんのギアへの愛の強さを思い知りました。
きっとその想いは、これからのシナリオやリアクションを通じて、また色々な奇跡を起こしていくのでしょう。

今後も、カプギアシリーズの展開に注目して頂ければ嬉しいです。

それでは最後になりましたが、ご参加頂いた方、ここまでお読み頂いた方、そして「らっかみ！」に関わる全ての方々に感謝を。
ではでは、またどこかのあとがきでお会いできることを祈って。

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