土用のニョロニョロ！｜リアクション

土用のニョロニョロ！

「なにやら人の声がする……？」
　猫又川の近所を通りがかった羽生碧南は、人の声がしたので近づいていきました。
「え？　ウナギが大量発生してつかみ放題？　なんでウナギが大量発生してるの？」
　とは思ったけれど、特に深く考えないことにしました。
「ウナギを捕まえよう」
　碧南はちょうどショートパンツとＴシャツという、川でウナギを捕まえるのに適した服装でした。
　そのまま川へ入って早速目の前の一匹を手に取りました。
「わ、ヌルっとして……ニョロニョロ動く！」
　捕まえたはいいですが動き回るので結構ウナギを保持するのが大変です。
「あー、逃げられた！　もったいない」
　と思いつつ、二度目に挑戦です。
「今度は慎重に……」
　ウナギを掴んで、しっかり固定……したかと思ったら、また手の中で暴れてしまい、今度は……
「ちょ、服の中に！」
　碧南が掴んだのはエロウナギだったのです。
「ふ、服の中でウナギが……」
　ヌルヌルニョロニョロと、その這いまわり方は非常にいやらしくエロいものでした。
「や……ひゃあん！」
　思わず色っぽい声をあげて、身をよじる碧南。
「あ……そ、そんなところ這いずり回っちゃダメ！」
　真っ赤になりながらも、碧南は太股でギュっとエロウナギを挟み込みました。
「やっと捕まえた……なんなのよこのエロゲめいたイベント！」
　荒い息をつきながらウナギを容器に入れ。
「もう一匹行くわよ！」
　今度は服に入られないようにしよう、と気持ちを切り替えて臨むのでした。
　　

「猫又川……やっと見つけた！」
　散々道に迷っていた遠海もようやくたどり着きました。
「こういう時のために動きやすい軽装でやってきたのよ」
　遠海は川に入って、大きくて脂がのっていそうなウナギに狙いをつけます。
「これだけ大きければ食べがいがありそう、えいっ！」
　さっそく掴みかかる遠海ですが。
　ビリビリッ！
「えっ、何今の」
　驚きましたが、それくらいで諦める遠海ではありません。
「さんざん道に迷ってやっとたどり着いたんだから！」
　ビリビリッ！　それは電気ウナギでした。
　また逃げられてしまいましたが、それが遠海の食欲をさらにあおったようでした。
　何度かビリビリする死闘（？）を繰り広げ。
「捕まえた！」
　ついに遠海は電気ウナギ一匹を捕まえることに成功しました。
「これだけ大きいと、蒲焼と白焼きの両方を試したくなるわね」　　
　

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