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らっかみ!新春☆初夢宝船フェア! ~茄子編~
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●熱きフェラマ(
吉住 志桜里
)
その煮えたぎるマグマの山には、美しい宝があると言う。
固く、熱く、炎に彩られた至高の宝があると言う。
地面からは常に白い水蒸気が立ち上っていた。溶岩が冷え固まった黒い岩肌は、生命を持つ者を拒むかのように荒々しく山全体を覆い、隙あらば溶岩を吹き出してくる。草木1本生えない死の世界。その山が今日は騒がしかった。この火の山にある宝玉の噂を聞きつけたならず者どもだ。彼らは特殊な効果のある装備でも持っているのだろうか。汗を滴らせながらも、熱せられた鉄のような山肌を文句を垂れながら登っていく。その品のない喚き声を地中で聞いている生き物がいた。
「……うるさいですわね」
呼吸をすれば喉が焼けただれてしまうだろう地獄の熱さの中。大きな洞窟でずるり、と何かが蠢く。暗闇の中、それはゆっくりと翼を伸ばした。
「くっそー、あっちーな。この装備、火傷はしねーけど涼しい訳じゃねぇんだな」
「だからケチるなって言っただろうが」
「うるせー! まだお宝手に入れてねーんだからしょーがねえだろうが!」
ぎゃいぎゃいと喚いていたならず者達のガラガラ声が、ピタリとやんだ。彼らの荒んだ目に警戒の色が浮かぶ。ずん、と足元に響く感覚があったのだ。
「地震、か?」
ゆっくりと顔を上げた男の目が驚愕に見開いた。誰かが叫んだ。
「ば、化け物!」
彼らの前方に、謎のシルエットがあった。女性の美しい均衡の取れた躰。彼女が素晴らしく長いストレートの髪を持ち合わせているのは影からでも分かる。が、しかし。
遠近法がどうもおかしい。すぐ目の前にいる訳ではないのに、ほぼ等身大なのだ。その上。
「出た! 竜だ!!!」
悲鳴ともつかない叫びが上がった。
そうなのだ。彼女の腰からは太く大きな尾がずるりと伸び、背中からは翼竜のようないかつい羽の形が見える。その羽がズズッと開かれると突然大きく羽ばたき、彼女は宙に浮いた。
―――ズシン!
吹き荒れる衝撃風を瞼を閉じやり過ごしたならず者達は目を開け、自分達の軽率さを悔いた。
何と恐ろしく―――神々しい姿か。目の前には竜人の姿があった。彼らより遙かに大きいその人は、人智を越えた姿をしていた。赤銅色の鱗は磨き込まれ、輝きながら彼女の美しい肢体を覆っている。手足には研ぎ澄まされた赤い大きな爪。一振りするだけで丘の1つも破壊してしまいそうな固くて太い、金属製の尾。そして彼女の翼の裾は、黄金色が鮮やかに燃え盛っていた。
「フェ……フェラマ」
誰かが呟いた。そう、これがこの火の山の主、フェラマ。この山を崇める人々が畏怖の念を込めて呼ぶ名前。そして必ずこう付け加えるのだ。
フェラマ様は優しいお方。けれどけしてお宝を奪おうなんて思っちゃいけないよ。―――フェラマ様の怒りが天まで焦がすからね。
「私の名前をご存知ですのね? ……でしたら、何のご用ですか?」
竜人フェラマがさらり、と髪を払いのけながらならず者達を見下ろす。ならず者達はごくりと唾を飲んだ。唇がかさついてなかなか開かない。それでも、リーダー格の男がようやく噛みつくように言った。
「お宝をよこせ! お前の火なんか怖くねえぞ。こちとら大金はたいて、どんな熱にも溶けない装備を買ったんだからな!」
男の言葉にフェラマは目をぱちくり。そしてふうと溜息をついた。
「……宝云々は聞き流しますから、お悩み相談にでもしませんか。このまま地面とひとつよりは、お安くしておきますよ?」
「へっ、馬鹿言うな。今更引き下がれるかよ!」
腕に覚えがあるのだろう、走り出した男は盾を構えながら剣を電光石火で振り下ろす。が、しかし。フェラマのたった2本の爪は、易々と男の剣を挟んでいた。
「な……フェラマは炎を吐くだけの化け物じゃねぇのかよ……」
男の顔が青くなる。その姿を映すフェラマの瞳は冴え冴えとしていた。
「ご愁傷様ですわね。私は炎なんて吐けませんよ? 私が使うのはこの身ただ1つです」
フェラマが軽く爪を弾く。キン……ッと高い音と共に剣がくるくると宙に舞い上がった。
「あなた方がその気なら、お受けいたしましょう。……もう2度とこの地に足を踏み入れたくなくなるくらいにね」
そう言うとフェラマは大きくしなやかに金属の尾を一振り。ズシン……! と岩が砕け、溶岩が流れ出した。
男達の目に映るのは、冷たいほど美しい、火の山の主の微笑。ポタリ、と彼らの顎から冷や汗が滴り落ちた。
「……お宝なんてないんですけどねえ」
あちこちから聞こえる男達の呻き声を背に、フェラマはふうと肩を竦めた。勝負は一瞬。フェラマは髪を乱す事すらなかったのだ。
「私の持っている石―――あなた方の言うお宝は、硬すぎて人間の手には負えませんよ。ましてや私の卵なんて事もないんです。麓に帰ったらそう皆さんに伝えて下さいね、ほんと」
そう言うとフェラマは黄金色の翼を広げ、バサリと飛び上がる。その美しい肢体が遠ざかる姿を見ながら、男達はようやく理解するのだ。
その煮えたぎるマグマの山には、美しい宝があると言う。
固く、熱く、炎に彩られた至高の宝―――その名はフェラマ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年01月03日
参加申し込みの期限
2019年01月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年01月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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