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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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らっかみ！新春☆初夢宝船フェア！ ～鷹編～
「ああ、強くなった、……と思っている」
≪ナニカ≫へ向けて、新田 亮は話し掛けていた。
ここがどこで、いつからこうして胡坐をかき、リラックスした姿勢とは裏腹に改まった口調で発していたかは自身にも分からなかったが。
周囲には星の様に時折瞬く光たち。それはとても小さく儚い輝き。
一つの星を見つけじっと見つめていると、確かに数度そこで瞬きを繰り返していたはずのそれは、いつの間にかふっと消えていたりする。
言葉を区切る狭間で、そんな周囲の景色を観察しながらも亮は込み上げてくるものがあれば、再び正面の
≪ナニカ≫へ向き直って口を開く。
先程からその繰り返し。
「日々の努力、と自分で言うとおこがましいが。やるべき事は継続しているよ」
だからそんなに心配せずともいいんだ。
ぽつりぽつり、語っていく中なんとはなしに胸の内でそう呟いてから。
―― ……心配？
ふと、疑問が顔をもたげた。
とても、とても違和感のある単語に感じたのだ。
今まで作った沈黙の中で一番長いものとなったその間を纏う亮の前で、≪ナニカ≫は何かを指差した。
視界に映るモノが動いた気配に、反射的に視線上げた亮は差された方向へ首を動かす。
ずっと己と≪ナニカ≫しか居ない空間だと思っていた場所。
そこに第三者の人影がハッキリと見て取れた。
瞬間、亮はバッと立ち上がり咄嗟に構えた。
人影は明らかに異形のもの。まるで狂気が形になったような鬼の姿だったから。
しかし、待てども襲ってくる気配は無く。むしろ本当にそこに在るのか、殺意どころか存在感すら空虚に感じられて。
亮は恐る恐る構えを下ろす。そしてそれをじっと見つめた。
その一部始終を眺めていた≪ナニカ≫から、笑ったような空気が漏れた気がすれば、亮は訝し気にそちらも一瞥する。
「……なんなんだ？」
≪ナニカ≫は何も告げない。教えない。ただ楽し気に見守るテイである。
亮がもう一度、異形の存在へと意識を向けた時、それが何か悟った。
「これは……俺？」
姿形は当然別人に見える。しかし亮の内に今まで感じていた力、感じる強さや温かさが確かにそれと同じなのである。
ろっこん、鬼人の体。もしやそれが具現化したもの、か？
だがまだ腑に落ちない。今までろっこんを使ってきた中で、このような禍々しい気配など感じたことは無かったから。
そう、もっと熱く、己を包んでくれるような、己の意志を汲んでくれるような、優しさにも似た力。この力をふるう時の亮の決意に応えてくれる、そんな力。
そのろっこんがこの姿だというのだろうか。
困惑する亮へ、楽し気に、面白そうに、見守っていた≪ナニカ≫がやれやれといった吐息で伝えてくる。亮の脳裏へ響かせるように。
これは、力を求めた者のなれの果てである、と。
「……俺もこうなる可能性がある、ということか」
亮はただ呟いた。呟くに留めた。
驚くでも無く、動じるでも無く、ただ静かに。
そして ―― ふ、と小さく小さく微笑んだ。
「忠告か戒めか、それとも嫌がらせ、なのだろうかな。
まぁだが、覚えておくよ。“師匠”」
その反応を見れば、急につまらなそうな空気を醸し出す影。
身勝手でめちゃくちゃで、時折こうして子供っぽい態度になるのも相変わらずか……。
肩をすくめる亮の遥か頭上を、ついと大きな翼羽ばたかせる音がよぎる。
影は顎でそれを示した。
もう用は無い、とばかりに。ともすれば、帰り道を差し出すように。
「あれの後を追えばいいのか？ ……分かった。
こんな言葉を向けるのは的外れなのかもしれないが……、……達者で」
周辺の儚い星たちのように、もうその姿を忽然と消していたそれへ向けて。
先程までそれがそこに在った空間を暫し見つめ。
「やはり、『心配』なんぞするヒトじゃ無かったな」
肩を軽く上げて呟いた。
自分を試しにきたのか、ただからかいに来たのか。
まぁ、少しくらいは元気にやっているのか気にした部分もあった、のかもしれない。
「とはいえ、ココは現実じゃないし、な……」
夢か現か問われたら、恐らく……と飛び去る鷹へ視線をやる。
面と向かっていた存在が本物かは分からないのだ。
ただ、そうであればいいなと、心のどこかで思いながら。亮はようやく駆け出した。
最後まで言わせてもらいたかったが。
胸の内でぼやく。
大丈夫だ、何故強くなりたいのか、もう分かっているから。
「俺にとって強さは、平和な日常を守る手段の一つなんだ」
迷う事無く真っ直ぐ走りながら、紡いだ言の葉は星たちに混ざって響いた。
≪ナニカ≫へ向けて、新田 亮は話し掛けていた。
ここがどこで、いつからこうして胡坐をかき、リラックスした姿勢とは裏腹に改まった口調で発していたかは自身にも分からなかったが。
周囲には星の様に時折瞬く光たち。それはとても小さく儚い輝き。
一つの星を見つけじっと見つめていると、確かに数度そこで瞬きを繰り返していたはずのそれは、いつの間にかふっと消えていたりする。
言葉を区切る狭間で、そんな周囲の景色を観察しながらも亮は込み上げてくるものがあれば、再び正面の
≪ナニカ≫へ向き直って口を開く。
先程からその繰り返し。
「日々の努力、と自分で言うとおこがましいが。やるべき事は継続しているよ」
だからそんなに心配せずともいいんだ。
ぽつりぽつり、語っていく中なんとはなしに胸の内でそう呟いてから。
―― ……心配？
ふと、疑問が顔をもたげた。
とても、とても違和感のある単語に感じたのだ。
今まで作った沈黙の中で一番長いものとなったその間を纏う亮の前で、≪ナニカ≫は何かを指差した。
視界に映るモノが動いた気配に、反射的に視線上げた亮は差された方向へ首を動かす。
ずっと己と≪ナニカ≫しか居ない空間だと思っていた場所。
そこに第三者の人影がハッキリと見て取れた。
瞬間、亮はバッと立ち上がり咄嗟に構えた。
人影は明らかに異形のもの。まるで狂気が形になったような鬼の姿だったから。
しかし、待てども襲ってくる気配は無く。むしろ本当にそこに在るのか、殺意どころか存在感すら空虚に感じられて。
亮は恐る恐る構えを下ろす。そしてそれをじっと見つめた。
その一部始終を眺めていた≪ナニカ≫から、笑ったような空気が漏れた気がすれば、亮は訝し気にそちらも一瞥する。
「……なんなんだ？」
≪ナニカ≫は何も告げない。教えない。ただ楽し気に見守るテイである。
亮がもう一度、異形の存在へと意識を向けた時、それが何か悟った。
「これは……俺？」
姿形は当然別人に見える。しかし亮の内に今まで感じていた力、感じる強さや温かさが確かにそれと同じなのである。
ろっこん、鬼人の体。もしやそれが具現化したもの、か？
だがまだ腑に落ちない。今までろっこんを使ってきた中で、このような禍々しい気配など感じたことは無かったから。
そう、もっと熱く、己を包んでくれるような、己の意志を汲んでくれるような、優しさにも似た力。この力をふるう時の亮の決意に応えてくれる、そんな力。
そのろっこんがこの姿だというのだろうか。
困惑する亮へ、楽し気に、面白そうに、見守っていた≪ナニカ≫がやれやれといった吐息で伝えてくる。亮の脳裏へ響かせるように。
これは、力を求めた者のなれの果てである、と。
「……俺もこうなる可能性がある、ということか」
亮はただ呟いた。呟くに留めた。
驚くでも無く、動じるでも無く、ただ静かに。
そして ―― ふ、と小さく小さく微笑んだ。
「忠告か戒めか、それとも嫌がらせ、なのだろうかな。
まぁだが、覚えておくよ。“師匠”」
その反応を見れば、急につまらなそうな空気を醸し出す影。
身勝手でめちゃくちゃで、時折こうして子供っぽい態度になるのも相変わらずか……。
肩をすくめる亮の遥か頭上を、ついと大きな翼羽ばたかせる音がよぎる。
影は顎でそれを示した。
もう用は無い、とばかりに。ともすれば、帰り道を差し出すように。
「あれの後を追えばいいのか？ ……分かった。
こんな言葉を向けるのは的外れなのかもしれないが……、……達者で」
周辺の儚い星たちのように、もうその姿を忽然と消していたそれへ向けて。
先程までそれがそこに在った空間を暫し見つめ。
「やはり、『心配』なんぞするヒトじゃ無かったな」
肩を軽く上げて呟いた。
自分を試しにきたのか、ただからかいに来たのか。
まぁ、少しくらいは元気にやっているのか気にした部分もあった、のかもしれない。
「とはいえ、ココは現実じゃないし、な……」
夢か現か問われたら、恐らく……と飛び去る鷹へ視線をやる。
面と向かっていた存在が本物かは分からないのだ。
ただ、そうであればいいなと、心のどこかで思いながら。亮はようやく駆け出した。
最後まで言わせてもらいたかったが。
胸の内でぼやく。
大丈夫だ、何故強くなりたいのか、もう分かっているから。
「俺にとって強さは、平和な日常を守る手段の一つなんだ」
迷う事無く真っ直ぐ走りながら、紡いだ言の葉は星たちに混ざって響いた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年01月02日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年01月09日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年01月09日 11時00分
