携帯戦記カプセルギア　カプセルプラネットの大冒険！｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　カプセルプラネットの大冒険！

●VS.ネコマサムネ(2)

　良太くんとイサリビ丸は遺跡の中を注意深く探索していました。
「亡霊って、宝箱の中にいたりするのかなぁ？」
『気をつけろ、リョータ。遺跡の宝箱には罠がつきものだ』
「へへへ。だいじょーぶだいじょーぶ！　……って、わっ！？」
　と、そのとき、リョータくんに向かってカマイタチのような鋭い風が飛んできました。
『どうやらおでましのようだ。リョータは危ないから離れていろ』
　良太くんを庇うように錨の左腕で風を防御しながら、イサリビ丸が風の飛んで来た方向に目をやります。
『なかなかやるにゃ。だが、この遺跡のお宝は渡さないのにゃ』
　現れたのは鎧を着こんだ猫のようなカプギア。
　と、そこに「わあ、可愛い！」と空からアマデトに乗ってやってきた甘桃さんの声が響きます。
『むむむ。ペガサスもどきも来てしまったにゃか。だが、何人来ようと……』
「へー、結構可愛いギアじゃない」
『にゃにゃにゃ！？』
　と、そこにDiablo Azulを伴って蒼さんも現れたものですから、お宝（？）を守りたいネコマサムネは大慌て。
『にゃんと。三対一と卑怯にゃ……』
「いや。べつにあたしは一対一でも全然構わないけど？」
　蒼さんは焦るネコマサムネにあっさりとそう言います。
『そんにゃ余裕をぶっこいていられるのも今のうちにゃ！　来るのにゃミニマサムネ！』
　ネコマサムネが尻尾を振ると、宝箱の陰から小さなネコマサムネが大量に襲い掛かってきます。
「わっ。アマデトなんかきたよ」
『回避します』
　アマデトが小さなネコマサムネから距離を取ろうと走ります。
　けれど、小さなネコマサムネはみるみるうちに追いついてきました。
　そのとき、なんだかいつもよりアマデトの動きが遅いことに甘桃さんが気づきました。
「もしかして、わたしのことを心配して速度を落としてくれてる？」
『お嬢様の安全が第一ですから』
　こともなげに言うアマデトに、甘桃さんは呆れるやら嬉しいやら。
「アマデト。わたしはしっかりつかまってるからだいじょうぶだよ」
『わかりました。少し本気を出しましょう。本当にしっかり掴まっていてくださいね？』
「うん！　わたしのことは気にしないで、思いっきり飛んで、思いっきりバトルだよ！」
　甘桃さんの言葉に応じるように、刹那、アマデトが颯爽と空中へ羽ばたきます。
『!?!?!?』『!?!?!?』『!?!?!?』
　それだけで接近戦しかできないミニネコマサムネは、もう彼女達に手出しできなくなります。
『にゃにゃにゃ！　なにをやっておるにゃ！』
　ネコマサムネは刀を振りまわして、カマイタチを大量発生させて応戦します。しかし、本気を出したアマデトにそんなでたらめな斬撃は当たるはずもなく、
「――チャンスね。Diablo Azul、高機動性を活かして反撃よ！」
『了解』
　そこに攻撃をかいぐぐったDiablo Azulが両腕の240mmキャノンで砲撃！
『にゃ！？　ま、まだにゃ！　まだやられんにゃ……！』
　ネコマサムネはダメージをうけつつも、攻撃の手を休めません。
「イサリビ丸、錨で相手の動きをとめろ！」
『了解だ、リョータ！』
　そこに良太くんの指示でイサリビ丸の鎖に繋がれた錨がガシャンとネコマサムネのカタナに絡みついて、その動きを止めます。
「いけ、そのまま引き寄せてガブっと噛みつき攻撃だ！」
『うおおおおおおおおおお！』
『にゃあああああああああ！？』
　良太くんの指示に従い、イサリビ丸が鎖で引き寄せたネコマサムネに一気に噛みつき攻撃！
『にゃん、じゃこりゃあああああああ！』
　と、次の瞬間、ネコマサムネは刑事ドラマのような悲鳴を上げて、ドカンと爆発してしまいました。
「いや、なんじゃこりゃはこっちの台詞よね」
　何故、爆発するんだと蒼さんは思わず突っ込み、
「やったね、アマデト！　わたしたちのチームワークの勝利だよ！」
　甘桃さんはぎゅっとアマデトの首に抱きついて勝利を喜びます。
「よーし。それじゃお宝パーツを回収して街に行こうぜ！」
　危なげない勝利に、良太くんも満面の笑みを浮かべて言いました。
　そうして、一行はギア達が暮らす街へと撤収していきます。