携帯戦記カプセルギア　カプセルプラネットの大冒険！｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　カプセルプラネットの大冒険！

●VS.ポリ・タンク(1)

　さて、もう一人、プラネットに迷い込んだ女の子がいました。
「ひゃっはー！　すげぇっす！　うち、トルーパーのコクピットに乗ってるすっ！　動く、このギア動くっすよー！」
　大きくなり、コクピットに搭乗可能になった相棒のトルーパーに乗って大はしゃぎをしてる古尾桐子さんです。
『マスター、もうすぐ鉄（くろがね）の遺跡付近を通過しますが、探索をしていかれますか？』
「遺跡っすか！　いいっすね、冒険と血と硝煙の匂いがぷんぷんするっすよー！」
　トルーパーを操作して、桐子さんが遺跡の内部に侵入。
　すると、そんな桐子さんの視界にポリタンクに腕とキャタピラがついたような謎の小型カプギアの群れが姿を現します。
「んん？　なんだか斬新なデザインのギアがいるっすね」
『マスター、あれは野生のポリ・タンクの群れです』
「ほうほう。さすがうちのトルーパーは物知りっすねぇ」
　桐子さんが頷いていると、そんなポリ・タンクのうちに一体がトルーパーの存在に気づいたようです。
　注ぎ口から伸びたホースを象の鼻のように操って――
「……って、ひゃあああ！　火を噴いて来たっすよぉぉ！」
　なんといきなり桐子さんの乗るトルーパーに襲い掛かってきました。
『エマージェンシー、エマージェンシー。緊急回避モードに移行。回避成功。引き続き迎撃モードに移行しますか？』
　トルーパーは独自の判断でポリ・タンクの攻撃を回避。搭乗者である桐子さんの命を守りつつ、次の指示を待ちます。
「……た、助かったっす、トルーパー！　もう怒ったっすよ……！悪いギアはうちとトルーパーが懲らしめてやるっす」
　桐子さんがぐいと操縦桿を握れば、トルーパーは急加速。
　地面を滑るように駆けながらヘヴィマシンガンの弾をバラ撒いて、ポリ・タンクの群れとの戦いに突入していくのです。

　激しい銃声を、ラズちゃんの耳がぴくりと捉えたのはそのときのことでした。
『りゅーき。この先は危険よ。引き返しましょう』
「んん、そうなのぉ？　でも、それって誰かが危険な目に遭ってるかもってことだよねぇ」
　瑠樹くんの身を案ずるラズちゃんですが、彼はこの先の様子が気になるようです。そして、ラズちゃんには、そんな瑠樹くんの気持ちもよくわかってしまいます。
『わかったわ。じゃあ助けに行きましょう。でも、危なくなったらすぐに引き返すこと。いいわね？』
「うん！　よし、じゃあ急ぐよぉ」
　嬉しそうに頷く瑠樹くんを見て、ラズちゃんは何があっても必ず彼のことは守ろうと誓うのでした。