携帯戦記カプセルギア　カプセルプラネットの大冒険！｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　カプセルプラネットの大冒険！

カプギア、アマデトワールにのって☆

●VS.ネコマサムネ(1)

　リョータこと漁良太くんは感動していました。
「すげー！　イサリビ丸が立った！　しかも、でけー！　父ちゃんみたいだ！」
　良太くんもまたカプセルプラネットの海辺に迷い込み、そこで自分の父親ほどの背丈になった相棒のイサリビ丸と出会いを果たしたのです。
『そんなに大声を出すな、リョータ。人々からのＳＯＳが聞こえなくなってしまう』
「えすおーえす？」
　渋い声で語るイサリビ丸の言葉に、良太くんは目を丸くします。
『そうだ。この惑星の暮らすギア達の救いを求める声だ。私には、それが聞こえる。無論、スターライトナイトにもな』
「スターライトナイト！」
　その名前に、良太くんは居ても立ってもいられなくなりました。それは良太くんのお友達のリューセーこと源竜世くんのギアの名前だったからです。
『ほう噂をすれば、なにやら近くの遺跡に亡霊騒ぎが起きているようだな。リョータ、行ってみるか？』
「もちろん！」
　良太くんは勢い込んで答えました。スターライトナイトがいるなら、きっと竜世くんも来ていることでしょう。そして、彼ならきっとギアのＳＯＳに居ても立ってもいられなくなるはず。
（リューセーに負けちゃいられねぇ。こうなったらどっちが先に困っているギアを助けられるか、競争だ！）
　こうして、良太くんもまた亡霊が出るという遺跡に向かうことになるのです。

　そんな噂の遺跡には、先客がいました。
「あれが噂の遺跡かぁ。ねぇ、アマデト、猫さんのお化けいるかな？」
　わくわくした声で背中に乗ったギアに話しかけたのは、あまももこと百岳甘桃さん。良太くんと同じくカプセルプラネットに迷い込んだギアマスターです。
『お嬢様、どうかお考え直しを。あの遺跡は危険です。私（わたくし）の角がただならぬ気配を感じ取っております』
　そう言ったのは、甘桃さんのギアのアマデトワール。
　甘桃さんの知る限り、アマデトワールの角にそんな機能はないはずでしたが……。
（もしかして大きくなってそういう能力が備わったのかなぁ？）
　甘桃さんは小さく首を捻ります。
　なにしろアマデトワールは心配性な執事キャラ。
　ご主人様である甘桃さんを危険に晒すのはできるだけ避けたいのでしょう。
　けれど、甘桃さんは高鳴る好奇心を抑えることはできませんでした。
「だいじょうぶ！　アマデトは空だって飛べるし、どんな相手が来たって平気だよ！」
　そんなふうにマスターに全幅の信頼を寄せられてしまっては、アマデトも断ることができません。
『では、しっかりと掴まっていてくださいね』
　そう言って、アマデトは甘桃さんを背中に乗せて、ゆっくりと空から遺跡に近づいていきます。
「あ、あそこになんだかキラキラ光るものがあるよ。アマデト、行ってみよう！」
『かしこまりました』
　アマデトが翼をはためかせて、きらきらに近づいていきます。

　そんなアマデトを物陰からじっと見つめるナニカがいました。
『……にゃんと。あれはペガサスにゃのか、それともユニコーンにゃのか……』
　首を捻るのは、足の見えない、鎧を身につけた猫型のカプギア――ネコザムライなのでした。

このページにイラストを設定する