【星幽塔】お買い物日和｜リアクション

【星幽塔】お買い物日和

☆Barアストラル

「ただいま～」
　リリエルがBarアストラルに帰ってみると、店内はすごい盛り上がりだった。
「おかえりなさい～」
　元気に答えるアリス。
「え、あれ？　お客さんですか？」
　お客の熱い視線の先では、ティオレが買ったばかりの衣装で、ステージで少しばかりエロイ踊りを披露していた。
（いい腹ごなしになる）
　妖艶に腰をくねらせ、顎をそらし、髪をかきあげてティオレは踊る。
　アクセサリーがじゃらじゃらと動き、体の線や肌の美しさを際立たせる。
　美形で２０歳くらいに見えるティオレのセクシーさに、お客さんの視線は釘付け。
　やんやの大喝采だ。
「まあ楽しそうだし、いいですよね」
　しかし羽目がはずれると、トラブルが起こりがちなのも酒場の常だ。
「いてっ、何すんだよ！」
「ああ？　わざとじゃねーよ、そんなとこにいるから邪魔なんだろが！」
　そんな小競り合いからケンカが始まった。
「こらっ！」
　飛んでいって年上として毅然と対応するアリス。
「ケンカするなら外で！　戻ってくる時は仲直りしてから！」
　とはいえ注意してる時の表情も声も可愛く、そんな姿に殺伐とした空気もほぐれて癒される客たち。
「いや、外に出たらせっかくの踊りが見れねえよ」
　客たちはケンカをやめて大人しくなった。
　踊りを終え、拍手と口笛の中ティオレがステージを降りる。
「さあ、ポップコーンが出来ましたよ♪」
　厨房でリリエルが声を上げ、空気は一気に柔らかくなった。
「お疲れさまでした。星の珈琲です、どうぞ」
　リリエルはティオレにサービスの珈琲を渡すのだった。

「有り難うございました！」
　時間はあっという間に過ぎ、閉店となった。
「仕事の後は生中に限る！　マスター、生中よろしく」
「はいよ」
　アリスが生中を飲み、リリエルは星の珈琲でポップコーンを食べる。
「美味しくて何杯でもいけちゃいそう」
　余ってたカニを焼いてつまみにし、アリスはとびきりの笑顔でつぶやいた。
「うーん、幸せ♪」

このページにイラストを設定する